午後のひとときに、図形問題を解いてみる。

図のように正方形CDEFと正五角形ABCFGがあり、

線分AEとDGとの交点をPとしたとき、

∠APGを求めよ。

高校生以上向けです。

シンキングタ～イム

今回は座標で三角関数を使って解いてみる。

D(0, 0)とみて、E(1, 0)としましょうか。

G(1＋cos(72˚), 1＋sin(72˚))
A(1＋cos(72˚)－cos(36˚), 1＋sin(72˚)＋sin(36˚))

となりますね。

∠GDE＝α、∠AED＝βとおくと、

tan(α)＝

1＋sin(72˚)

1＋cos(72˚)

tan(β)＝

1＋sin(72˚)＋sin(36˚)

cos(36˚)－cos(72˚)

三角形の内角の和
θ＝180˚－α－β

ということで、arctanの加法定理を考えると、

tan(α＋β)＝

tan(α)＋tan(β)

1－tan(α)tan(β)

α＋β＝arctan

⎛
⎝

tan(α)＋tan(β)

1－tan(α)tan(β)

⎞
⎠

ということなので、

三角関数を式変形していくのか、
三角関数を使わない厳密値を求めて、それを式変形していくのか、

自分は三角関数の式変形は断念して、三角関数を使わない厳密値を求めました。

頂角36度、底角72度、斜辺を1、底辺をxとする二等辺三角形を描く。

片方の底角から角の二等分線を引くと、相似な図形が出来て、

x²＋x－1＝0

x＝

－1＋√5

2

と表すことが出来ます。

これより、

cos(36˚)＝

1＋√5

4

cos(72˚)＝

－1＋√5

4

sin(36˚)＝

√10－2√5

4

sin(72˚)＝

√10＋2√5

4

を導くことが出来ます。

ピースが出揃ったので、後はゴリゴリと計算していくことになる。

tan(α)＝

1＋sin(72˚)

1＋cos(72˚)

＝

4＋√10＋2√5

3＋√5

tan(β)＝

1＋sin(72˚)＋sin(36˚)

cos(36˚)－cos(72˚)

＝

4＋√10＋2√5＋√10－2√5

2

＝2＋√5＋2√5

tan(α)＋tan(β)＝5－√5＋√10＋2√5

1－tan(α)tan(β)＝－5＋√5－√10＋2√5

分母分子が符号が異なるだけということが解りました。

tan(α＋β)＝－1

α＋β＝arctan(－1)＝135˚

θ＝180˚－α－β＝45˚

答え　45˚

作図している段階で、45˚であることは解ってはいるのですが、いろいろと解法を考えてみたなかで、なかなかしっくりと来るものがなく、上記の解法となりました。

答えが45˚なので、もっとエレガントな解法がありそうなだとは思ってはいるのですが、思いつかなかったのは悔しいですね。

適切な補助線を引ければ、もう少し計算量を減らしたり出来るのかなとは思ってはいます。

例えば、正方形の外接円の円周上に点Pが存在していることが証明できれば、円周角の定理より45˚であることは簡単に示すことは出来るのですが、証明が出来るならば、おそらく途中で45˚であることが示せてしまった結果、円周上にあるということの証明になって、本末転倒かなとは思います。

例えば正20角形と正八角形とか、図形的なアプローチも考えてみたのですが、しっくりと来るものが見つかりませんでした。

72˚や36˚の三角関数も、本来ならば導出したりするべきなんだろうけれども、式変形も端折りました。

Excelで値が変わっていないかを確認しながら式変形したので、間違いはないかなと思います。

学生の皆さんは、式変形はしっかりやってみてくださいね。

この問題の派生として、同じ辺の長さで正n角形と正m角形を接続して、ある頂点からの頂点への2直線の為す角が度数法で整数になるようなものがあるのか？という疑問は湧いてきますね。

ではでは

正方形と正五角形 -解答編-