わくわく散歩道 ~身近な自然にふれてみませんか~ -3ページ目

アサギマダラその後

 伐採
 10月26日の午後、わかたけ広場に行ってみると、3カ所に群生していた
ヒヨドリバナが全て伐採されていた。アサギマダラの最終飛来日まで、観
察、標識しようとしていたのだが、、とても残念だった。管理人の方が理解し
てくださり、ヒヨドリバナが群生できるよう、来年も草刈りの時期を考えようと
言ってくださって、喜んでいた矢先だった。
 
 伐採の理由を尋ねると、年2回春と秋は他に依頼しているが、依頼先の
スケジュールで10月25になったとのこと。アサギマダラがまだ飛来してい
たことを告げると来年からは公民館の方でルールづくりをするとのことで
ほっとしている。

 今年のはじめから、アサギマダラが飛来するのでそれまではヒヨドリバナ
を伐採しないよう、お願いしていた。昨年はちょうど草刈と重なり、一カ所
以外は伐採されていたので。館長も理解してくださり、管理人の方々が独
自に草刈りされた時期も7月頃のみだったので、今年は例年になくヒヨドリ
バナが3カ所に群生し、たくさんのアサギマダラがやってきた。計72頭に
マーキングできたことには感謝しているが、渡りの最後の日まで調査でき
なかったのが、非常に残念である。
 
 わかたけ広場は、キャンプ場やアスレチック場を兼ねていて、年間を通じ
て利用されている場所なので、安全対策上管理は欠かせず、熱心に手入
れされている様子は日頃から目にしている。
 定期的な草刈りが行われているからこそ生き残っている草原性のチョウ
(絶滅危惧Ⅱ類)もいるのは有り難いことである。

 管理下におかれている場所をフィールドにしているので四季を通じて、生き
物と植物の関係を観察、記録し、お願いすることが必要である。
 
 落胆のあまり休止してしまったが、皆さんが理解してくださったので、また
来年に希望を託して季節の草花や生き物の魅力を伝えていきたいと思う。
あさぎ3
 







アサギマダラ(その8:自然観察会)

アサギ観察 あさぎ1023 観察1023
<撮影地 わかたけ広場 第16回自然観察会 2005・10・23>
 
 今日は環境ネットワーク「虹」の第16回自然観察会。子ども、大人合わ
せて30人近くの参加で、秋のチョウや昆虫を観察した。
 昨日の22日はとても気温が低くアサギマダラの姿は見られなかったが、
今日は快晴。気温も20度ほどで、アサギマダラがヒヨドリバナで吸蜜して
いる姿を観察することができた。
10月16日にマーキングしたアサギマダラを、参加者の小学生が再捕獲、
1週間滞在していたことになる。
 今日マーキングしたのはオス3頭、先日最後にマーキングしたナンバー
を勘違いしたたため、MS68,MS69とダブリで標識、観察会の後、オス1頭
に標識、<10/23 ふくつ MS70>実際はトータル72頭にマーキングした
ことになる。<10/23 ふくつMS68,MS69,MS70>はいずれもオス、MS
68は翔に一部破損あり、他は新鮮な個体、いずれもヒヨドリバナで吸蜜中。
カマ ショウリョウバッタ ショウリョウバッタ1023
くり1023 クヌギ しい

子どもたちは、次々に写真上左からオオカマキリや、ショウリョウバッタ
下左から、クリ、クヌギシイの実を発見した。
アカタテハ1023 ウラギン1023 ヒメアカタテハ1023
yamato モンシロ1023 kityou            

今日観察できたチョウは、写真上左からアカタテハ、ウラギンシジミメス
ヒメアカタテハ、ヤマトシジミ、モンシロチョウ、キチョウ、アサギマダラだった。

ヤクシソウと

 
 ヤクシ   すずめのうり
<撮影地 福津市 手光 2005・10・20 <スズメノウリ ウリ科 スズメノウリ属>
 ヤクシソウキク科 オニタビラコ属>

 わかたけ広場の周辺を歩いてみた。他に、ヒヨドリバナが咲いているところが
あるか確かめるためだが、近くに咲いている場所はなかった。アサギマダラは、
ちゃんとヒヨドリバナが咲いていることをキャッチして、わかたけ広場に飛来す
るのだろう。
 田畑の畦道を歩いて、コンクリートで固められていない水路がわずかに残る
ところに行ってみた。ヤクシソウが咲いていた。「葉が苦いので薬になると思わ
れ、ヤクシソウという名に」など名前の由来には諸説あるが、葉の形が仏像の
光背に似ているからという説ももっともらしい。
 スズメノウリの実が緑から白へと変化し初めている。カラスウリに比べて著し
く小さいのでスズメのウリということらしい。丸くかわいい実である。
                            
 やまのいも   ノイバラノミ   
<ヤマノイモのむかご ヤマノイモ科  <ノイバラの実 バラ科 バラ属>
 ヤマノイモ属>
 ヤマノイモが立派な「むかご」をつけていた。そのままでも食べられるが
「むかごご飯」にしてもおいしい。サトイモ、ジャガイモなど畑でつくるイモ
に対して、山に生えるイモだから“山のイモ”。(  高橋 勝雄野草の名前秋
・冬―和名の由来と 見分け方) これから葉が黄色く色づいていく。
 わかたけ広場では、ノイバラの実が赤く色づいてきた。

アサギマダラと(その7)




あさぎ1022  あさぎの2

<撮影地 わかたけ広場 2005・10・20 アサギマダラマダラチョウ科>
 
今日のわかたけ広場のアサギマダラは、6~7頭、マーキングは<10/20 
ふくつ MS65~MS68>までの4頭。いずれもオス、新鮮な個体。(午後
3:00~3:30、晴れ)ヒヨドリバナで吸蜜中だった。
 しばらく他のチョウを観察してから、タブの木の近くを歩いていると、ツバ
キの木の葉っぱに止まっているアサギマダラに気づいた。今日マーキン
グしたチョウ。マーキングしてから翌日まで滞在するアサギマダラもいるこ
とを確認している。明日まで休息するのかもしれない。
ツバキの木の葉っぱの陰では以前も夕方遅くクロアゲハが休んでいた。

クロコノマ1020
<同上     クロコノマチョウ  ジャノメチョウ科>

 わかたけ広場の竹林の小道に、クロコノマチョウがいた。秋型は翔
の突起が際だっている。ジャノメチョウの中では、割と大きなチョウで
ある。枯れ葉のような模様があり、枯れ葉や枯れ草に止まると分かり
にくい。幼虫の食草はジュズダマ、ススキ、アワ、トウモロコシなど。

ヒメアkタテハ1020の3
<同上    ヒメアカタテハ タテハチョウ科>

 ヒメアカタテハがヒヨドリバナにやってきた。最近夕方になると、林縁や
田んぼの畔で、活発に飛び交うヒメアカタテハのペアを良く目にする。






アサギマダラと(その6)

あさぎ  
 <撮影地 わかたけ広場 2005.10.18 
アサギマダラ マダラチョウ科>

 今日、わかたけ広場に飛来しているアサギマダラは10頭弱。
マーキングは10/18 ふくつ MS60~MS64までの5頭。天気
晴れ、標識時間は午後3:00~3:30、いずれもオス、ヒヨドリバ
ナで吸蜜中、鮮度はいずれもN(新鮮)。ヒヨドリバナがまだ次
々に開花している。翔を閉じて長い時間吸蜜している個体が
多い。わかたけ広場には、ヒヨドリバナが群生している場所が
3カ所あるが、30㎝くらいの丈で花を咲かせ、一日中木陰にな
る場所のヒヨドリバナに最も多く集まっている。

 昨日(10/17)は時間がなかったので観察のみ、10数頭いた。
西日があたるヒヨドリバナの群生地に、テングチョウがやってき
た。わかたけ広場で出会ったのは初めてである。

テングチョウ
テング1016

<撮影地 わかたけ広場 2005.10.17 テングチョウ   
テングチョウ科>

 頭部の先から伸びた長い下唇髭(パルピ)がテングの鼻のように
尖っていることが名前の由来。初夏の5,6月頃成虫になり、短期
間姿を見せた後、夏眠に入ってしまう。やがて秋になると、眠りから
目覚め、秋の花々で吸蜜する。そして冬が到来すると翌年の春ま
で冬眠する不思議なチョウ。テングチョウ科に属するのは日本で
はこの1種のみ。系統的に古い形質を持ったチョウで、北米では
現世種とほとんど変わらない2種の化石が発見されており、テング
チョウは生きた化石と言われている。幼虫の食草はニレ科のエノキ。

 また、サクラの木にイシガケチョウがやってきた。イシガケチョウは
石垣のような模様を持つ南方系のチョウ。ここでは5月ぐらいから姿
を見かける。幼虫の食草はイヌビワ、イチジクなど。
いしがけ1016
<同上 イシガケチョウ  タテハチョウ科>

 アカタテハも姿を見せた。スギの幹に止まったところを撮影。
幼虫の食草はカラムシ、クサマオなど。今はヒメアカテハの個体数
の方が多いように見受けられる。

アカタテハ
<同上  アカタテハ タテハチョウ科>