『精神文明と奇跡』
政木和三

 

著書装幀:横尾忠則

 

 

第4章 心の構え

 

 

◎ 曲がった定規

 

 

----- 類をもって集まる -----

 

 

 

 我の心の強い人は、自分のすべてが絶対に正しいと信じ意地を通そうとする。

 自分の考えほど正しいものはないと思っている。

 ほんとに自分の意志は正しいのだろうか。

 戦後の社会に、猛烈社員なる言葉が流行した一時があったが、がむしゃらに突進することを教えられていた。

 しかし、それは長続きはしなかった。

 現在はその反動さえも感ずるような無気力な人が多くなった。

 『類をもって集まる』

 のことわざの通り、会社には社長以下重役が同じ人間性を持っているグループが多い。

 ある社長は、自分さえよければの方針の経営である程度成功して、遠隔地に支社や工場を持つようになり、各々の責任者を任命した。

 社長の工場訪問は一年に一回ぐらいであった。

 数年後に、工場の監査をしたところ工場長の不正が見付かった。

 その工場長も、社長と同じ人間性の者であって、自分さえよければの人間である。

 しかし、この工場長を任命したのは社長自身で、自分の好みによって自分と同じような人間性の人を選出したものである。

 早速その工場長をクビにした。

 そして悪い人間だったとこぼしている。

 自分と同じ人間性の人は自分と同じことをする。

 自分さえよければよいという考えでも社長自身は何をしてもクビにはならない。

 周辺の人々、親族の人も、あまりの利己主義的な行為に目をそむけている。

 自分さえよければ他人がどんなに困っても平気な人は、次には自分が同じ運命に会い、飼い犬に手をかまれることがおこることを忘れてはならない。

 別のある大会社の社長が、

 拙著『私は奇跡を見た

 を読んで、会ってほしいとの申し出がありフーチパターンで人間性の測定をすると、知能指数は百八十もあり、偉大なる人物であった。

 その社長は、中庸な判断力を持ち、純粋な人物ではあるが、あまりにも純粋なために、自分と意志の合う人にはとてもよいが、意見の合わぬ者は寄せつけぬ人であった。

 その社長が初めて天玉尊先生に会ったとき、持参したみかんから真珠が発生した瞬間に、大きく感ずることがあり、悟りのようなものを得て、その翌日から人間性が百八十度も転換し、全く別人のように、全てに対して円満性を持つようになった。

 夫人と秘書がまずびっくりして、精神異常にでもなったのかと思うほどであった。

 会社の重役の一人が、なぜ社長はあのような円満な人に変わったのかわからないと人々に聞いている状態であり、社長の一言一句が前日とは別人のように変わってきたそうである。

 筆者はその会社に招待され、講演をした。

 人間は肉体と生命体の複合体であり、肉体は数十年にして滅びるが、生命体は未来永劫に生き続け、数百年ごとに輪廻転生して、この世に肉体を見付けて生まれかわってくるものであると語りかけたところ、皆の顔に甚だしい困惑の色が浮かび出てきた。

 そこで、政木フーチパターンにより、人間性を調べることにした。

 各人にパターンの示す人間性を伝えると、自分自身を見すかされたような気持ちになったのか、皆が少し信ずるようになった。

 この会社の社員の人間性は、全員が中庸な判断力を持っているが、信念は強く、我の強いパターンの持ち主であった。

 このようなタイプの人々は、他人からどんなに説得されても心を動かすこともなく、自分自身が心の底から納得しない限り、人の意見を受け入れることのできない人々である。

 その人々に対して、社長は、

 『私も、つい先日まで君達と同じような人間性であった。

 だから君達の気持ちはよく理解できるが、いま私の人間性が変わってからふり返ってみると、自分の心の持ち方のために、無駄な努力をし、必要以上の大きな心労があったが、いまこのように丸い心となってしまうと、自分が通ってきた道があまりにもせまかったことが初めてわかった。

 君達も、一日も早く私のような丸い形の心になってほしい』

 と、しみじみと語られた。

 そして翌日早朝からその続きの会合となったが、多くの人々は、昨夜は考えることが余りにも多く、なかなか眠れなかったと口々に言っていた。

 昨夜のかたくなな表情から、今日は少し柔らかくなり質問が続出してきた。

 そして八時間の討論の末、私は会社を辞して帰路につくことになった。

 その翌日、社長からの電話によれば、夜の会議室に全員向かい合って座ったとき、昨日とは雲泥の差のある表情の会議となり、皆の顔に多少の笑みと、それからとても暖かいものを感ずる雰囲気となったとのことであった。


心の反射

 会社の役員と話をしているとき秘書から、都内のある会社の社長が訪れたことを報告し、同時に、社長の最も嫌いな人のひとりですから断わるのですねと伺うと、社長は今日は一度会ってみると言って会見された。

 そして十五分後に戻り、

 『あの社長はとてもよい人だったのですね。

 私が二言、三言しゃべるとその社長は涙を流した』

 と、言われたので、私も驚いたことだった。

 このように、自分の気持ちが変わることによって同じ人でも別人の感じとなる。

 この世の中には、人間の肉体の姿を写し出す鏡はあるが、心を写し出す鏡のないことを非常に残念に思う。

 女性が鏡の前でお化粧を入念にするように、心のお化粧を入念にできる鏡があればよいと思う。

 肉体の形を写す鏡に写った自分の姿を見たとき、誰でもそれが真の自分の姿であると信じてしまうだろう。

 しかしその鏡でさえも

 “うそ”

 を教えることもある。

 鏡に使用しているガラスの中には鉛を多く含んだものは、ほんとうの色よりも、青味を強く出すことになり、自分の顔はこんなに青白いのだろうかと心配になることもある。

 またその部屋を照らしている蛍光灯が昼光色であれば、さらに青く写ってしまう。

 これとは反対に、普通のガラスを使った鏡であっても、床に赤いジュウタンが敷いてあり、白熱電球の照明であれば、非常に赤味のかかった顔に写ってしまう。

 物の真の色を見たいときは、全くまっ白い場所で見ないと、必ず周辺の色にまどわされることになる。

 また鏡が完全な平面でないと、ほんとうの姿は写らない。

 大きくひずんで凹面(おうめん)になっている鏡では、虚像になることもある。

 ほんとうの自分の心の形は、自分の心を平面に写さねばならない。


にじ

 新幹線「こだま」が名古屋につく前から、車窓の左側に大きな

 『にじ』

 が出た。

 二重のにじである。

 本体は光の屈折の常識の通りのもので、内側が波長の短い紫であり、緑、黄をまん中にして、外側は赤色であった。

 ところが第二のにじは、それとは逆の色の配列である。

 にじの半径は十キロ以上もあるらしく、左の地面から右の地面に、にじの足許の部分は特に鮮明に明るく大きく光っている。

 列車が走り出すと、にじも同速で走り出してゆく。

 そしてつぎの駅の豊橋まで、ほとんど車窓の位置を変えず、左側に大きなアーチを続けていた。

 私は走るにじを初めて見た。

 子供のころ、にじの足許には宝物や幸福があると教えられ、その方向にどんどん走っていったが、足許に行きつくまでに消えてしまったことを記憶している。

 にじは自分達の見える範囲の人たちのもので、その土地にだけあるものだと思っていた。

 しかし今日は時速二〇〇キロで走るにじを見た。

 列車に乗っている人にとっては走るにじであっても、その土地の人にとっては、自分の土地の上空にのみかかっているにじの橋であろう。

 このにじは、その土地の人々にとっては、自分の町や村にあると思っているが、五十キロ離れたところの町の人は、自分の住まいの「にじ」だと思っている。

 しかし私のように列車で走っている人にとっては、列車の窓についている「にじ」である。

 また、飛行機に乗って高空から見ている人にとっては、円形の「にじ」が飛行機と共に空を飛んでいるだろう。

 高い山から見れば、七割から八割ぐらいの円であろう。

 同じ天然現象も、見る人の位置、状態によって大きく変わってくる。

 「にじ」のように目の前に七色に光り輝いていても、さわることも近づくこともできない。

 同じ「にじ」を見ても、ある人は止まっている半円形だと言い、ある人は自分と共に走る「にじ」だと思う。

 またある人は円い形だと思う。

 天玉尊先生の奇跡もこれと同じで、目の前で起きる事実は現代科学では解明できない。

 その人の受け取り方によって、自由にいろいろなことが考えられる。

 「にじ」は、はるか彼方の太陽から送られる生命の根源たる光が、空中にある小さな水滴の中を通過する際の屈折によって作られる。

 天玉尊先生の奇跡も、はるか彼方の神の意志によってなされることであると思う。

 新幹線のひかりと共に走っていた「にじ」も、豊橋を過ぎて日没とともに消えていった。

 同じものでも、見方によって差のある卑近な例として次の二つの図を見てほしい。


1 同心円に線が引いてあるが直線は何本あるだろうか?

 全部直線だと言っても信じられないだろう。


2 平行四辺形の中にある線AとBはどちらが長いだろう?

 長さが同じとは思えないことだろう。

 



 鏡の前に立つと左右が逆に写っている。

 もしも、鏡が逆に写るものであれば、上下も逆さになる筈である。

 レンズであれば、上下も左右も逆に写っているが、鏡は決して逆に写っていないものである。

 なぜ鏡は、左右だけ逆さに写り、上下は反対にならないのだろうかと思う。

 人が鏡に向かっていると、鏡はそのままを写しているが、ただ見ている人にとって、自分の側から見たときと、相手の側から見たときとは左右が反対に感ずるだけである。

 鏡の中に写っている像は、あくまでも右は右、左は左である。

 自分が向こう側に回ってみたときの自分の姿を考えれば、決して左右逆には写っていないことがわかる。

 自分の主観だけで判断せず、相手の側に立ってもう一度考える必要がある。




精神文明と奇跡
第三刷発行:昭和五七年九月二十日
著者:政木和三
発行者:後藤房子
発行所:日新社
    岡山市尾上二七七〇 電話〇八六二(八四)二一二一
印刷書:山陽印刷株式会社
    岡山市中山下二丁目五-五〇-一〇一

 

 

 

 政木先生とのご縁の始まりは、
令和元年七月一日に他界しました昭和五年生まれの私の実父が小学生時代の頃より電気のイロハを教わり、
(実際に、電気ギター制作等々、様々な電気技術のご教授を、家族ぐるみのご近所付き合いの中で個人的に無償で賜ったそうです)
その後、御晩年には、政木先生の素晴らしいご発明品の集大成のひとつとして
“世のため、人々のため”に御余生をかけ陰徳にご尽力なさいました
超強力 神経波磁力線発生器
(改名機器、インパルス磁力線、そして、Mリング。すべての御販売は㈲政木研究所、㈲ケントにて)
の製造に至るまで、数々のお仕事をお世話頂き、
政木先生がお亡くなりになる最後の最後まで、私も含め家族ぐるみのお付き合いを賜わり、
今も尚、心の底よりとても尊敬し、感謝している恩師・師匠です。

 

 

 政木和三先生の廃刊御著書

 

『精神文明と奇跡』

 

を掲載させていただいています。

 

 

 

 政木先生の御教えである

『目先の欲望を捨て去り、世のため、人々のために尽力せよ!』

との仰せを引き続き継承するため、

今後も少しずつではありますが、

何度も何度も繰り返す、日々の心の学びの礎として、

政木先生の御教えのすべてをこれからも紹介させて頂きますので、

皆様には引き続きのお付き合いの程、

何卒、宜しくお願い申し上げます。

 

深謝

m(__)m

 

 

 

 

 

完全オーダーメイド組み立て一式品

『復刻版 超強力磁力線発生器 試作品』

(特許第3510016号)

物理化学や自然科学の実験用、工業での金属磁化用専用試作機器として

政木和三先生がご発明なされた初期の頃の

元祖アナログ回路式機器を復活させることに成功しました!

ご用命の際は

下記のリンク先、もしくはE-Mailアドレスよりお問い合わせください。

 

令和3年3月に復活! 復刻版超強力磁力線発生器

 

画像の機器は平成10年の薬事法改定により製造販売が打ち切られた

元祖旧式アナログ回路が装着される超強力神経波磁力線発生器(Mリング)

 

 

 

元祖!本家本元!! 

神経波磁力線発生器と復刻版磁力線発生器との内部構造や動作の比較

 

 

提供:株式会社ケネスト

info@knestinc.jp

 

税込¥220,000,-

諸事情にて2024年8月1日より大幅値上げを実施させていただきます。

 


≪ご注意事項≫

 

この試作品は一般的な完成型の市販商品ではありません。

完全オーダーメイド方式のみにて

ご依頼者様個人と当方との合意・同意の上で

組み立てセット一式の試作品として特別に製作させていただきます。

そして

ご依頼者様個人によって組み立てられましたこの試作機器は

政木和三先生と北野電機が平成10年まで製作していた

当時のアナログ回路方式の復刻版として

ありのままに復元した内容構造の機器となっています。

しかしながら

現在の日本国憲法を遵守するにあたり

この機器の内容構造は

人体への使用が禁止される対象品となっています。

ゆえに

全てはご依頼者様各自の自己責任において法律をご遵守の上

ご使用・ご活用いただきますようお願い致します。

また

当方はご使用に関する一切の責任を負いませんので

上記の旨をご理解、ご確認いただいた上でお問い合わせくださいますよう

何卒、宜しくお願い申し上げます。

なお

機器への一年間の無償保証はもちろんのこと

その後の機器修理に関しましては従来の元祖旧式機器と同様に

引き続き対応させていただきます。

 

 

 

保江 邦夫 先生 【第2回 バロン保江のエリア55】 2021年

~ 悲運の発明品がついに復活! 復刻版 超強力磁力線発生器!! ~

 

 

 

≪復刻版 超強力磁力線発生器 試作機 の内蔵タイマーについて≫

 

旧式の神経波磁力線発生器の内部部品には最大作動時間60分設定

(通常30分に設定しています)

可能なタイマーが組み込まれていましたが(一部、後期型のMリングは除く)、

今回復活させました復刻版 磁力線発生器には

最大作動時間3時間まで設定可能なタイマーが装着されています。

(出荷時は作動時間を1時間設定にしていますが、

ユーザー様にてご自由に作動時間を最大3時間まで設定していただけます。)

 

画像は元祖 超強力神経波磁力線発生器のタイマー

(こちら赤い針が60分設定になっています)

 

画像は本家本元 超強力復刻版磁力線発生器のタイマー

(こちら赤い針が1時間設定になっています)

 

 

 

最後に

当方は販売等々に一切関わっていませんが

元祖旧式の超強力神経波磁力線発生器(Mリング)より改良が施され

厚生労働省より医療用機器として許認可を受けています

家庭用電気磁気治療器のバイオイーザーをお求めの方は

正規にお取り扱いの有限会社政木研究所様へ

そして

元祖旧式機器のアナログ回路からデジタル回路へと改良が施され

厚生労働省より医療用機器として許認可を受けていない

家庭用健康機器のセルパワーをお求めの方は

製造販売元の株式会社セルパワー様へ

それぞれ直接に

お問い合わせくださいませ。



 

 

 

KNESTinc.