『精神文明と奇跡』
政木和三

 

著書装幀:横尾忠則

 

 

第4章 心の構え

 

 

◎ 無欲の大欲

 

 

 

 『無欲の大欲』

 とは、欲望を捨てたいわゆる無欲の気持ちの人にかえって大欲が自分のものになるということわざであるが、そのようなことが実際に存在するのだろうか?

 欲望を捨てるとは何だろうか?

 某日、ある会社の社長が、

 『運営も軌道に乗り、私が引退しても経営ができるから、これからは欲望を捨てて社会奉仕をします』

 といわれる。

 そこで筆者は、

 『社会奉仕をしたいというのは最大の欲望ですよ。

 社会奉仕は、するものではなく、自分の行為が社会のために役立つことが社会奉仕です。

 貴社の製品を社会が求めているものであれば、更に規模を大きくして、販売量を増加して、もっともっと儲けることですよ。

 会社が儲かれば、社長も収入が多くなり、社員もうるおうと共に、多くのお客様にも喜びを与えることになれば、それが社会奉仕ではないでようか。

 会社が儲かることは、有益な商品が多く社会に出回り、一般の人々にも恩恵を授けることになる。

 引退なんか考えずに、会社の繁栄をはかることが真の社会奉仕ではないでしょうか』

 と話したが、その社長氏はよく理解ができなかったようである。

 筆者は

 『無欲の大欲』

 の意義をゴルフによって体得した。

 昭和五十二年十月、田辺カントリークラブにおいて実施された関西シニア選手権試合の当日である。

 第一打を打とうとしたとき、インスピレーションの形で頭にひらめいた。

 『なんじのゴルフ場は足許一米(メートル)平方である』

 この言葉である。

 いままでは真ん中へ飛ばそうとか、グリーンの旗の近くへ寄せようとか思って打つために、頭が動いたり、手に力が入ってとんでもない方向に飛んでいったが、この神示、

 『なんじのゴルフ場は足許一米平方』

 と考えれば、飛ばそうと思わなくてもよい。

 方向は最初構える時に決めるだけでよい。

 スパットを見付け、その方向に素振りをする気持ちでクラブを振り、クラブヘッドをボールに当てるだけでよい。

 ボールに当たれば、ボールはその力だけ飛んでゆく、目の前に川があろうと、池があろうと、バンカーがあろうとも、それらは全て地上にあるものであった。

 ボールの飛ぶ空中とは何の関係もない存在である。

 ゴルフをはじめたころは、目の前に大きな池があれば、力んで池の中に何個もボールを打ち込んだものである。

 空中を飛ぶボールにとっては、無関係な川や池を意識したために力がはいり、そのような不首尾な結果を招いたものである。

 自分のゴルフ場が、自分の足許一米平方だけであって、広い草原の上はボールの飛ぶ空間であり、飛んでいるボールには地上は無関係である。

 落下したとき、ボールの近く数平方米だけが必要なゴルフ場となる。

 当日は、第一打の瞬間に頭の中にひらめいた言葉によって、目先の欲望を捨て去ることができて、選手権の二日目を無欲のプレーが続き、そのために状勢が有利に展開し、ついに優勝の栄をになうことになった。

 無欲の大欲。

 この相反するような言葉は、目前の欲望を捨てて、自分のすべきことを黙々とやっておれば、大きな成果が自分のものとなることを教えている。

 また、次に述べる

 「えびす像」

 の出現も、この無欲の精神への教訓だと思われる。

 天玉尊先生が、

 『昭和五十二年四月にえびす様が授かりますよ』

 と告げられた。

 四月一日から毎日待った。

 今日か、明日かそしてどのような形で現れるのか、毎日毎日待っていた。

 ところが四月三十日になっても出現しなかった。

 そして、昭和五十三年になってまた待った。

 しかし、その年の四月は少し考え方が変わっていた。

 いつ出現されるか、どんな形で、と自分の欲望ばかりでは到底出現されないだろうと思ったが、やはり待つ気持ちを捨てることはできなかった。

 そして四月二十日に、意識もなく仏像の出現を忘れてしまった。

 四月二十二日、山に行き、竹の子掘りを行った。

 汗を流しながら十本ほど掘り、翌日それを祭壇にお供えした。

 その瞬間に竹の子の上にえびす像が出現した。

 筆者の顔によく似た仏像が、全く欲望を忘れた時に出現した。

 あるときPS学会関西支部の集会において、念力によるカビの成長実験が行われたことがあった。

 コップの中に入れた輪切りのレモンに念を送り、それを数日間観察して、白カビ、青カビ、そして黒カビ等の成長を記録したものであった。

 結果は念力の大きい人ほど変化も大きくあらわれた。

 次に、変化の大きかった人が、個人で同じ実験を行ったが、こんどは全く変化がなかった。

 これは、最初の実験では自分にそのような力があることを知らず、全く無欲の気持ちでやったために、真の力を発揮したが、第二回目の実験では、自分には力があると思い、その力を試してみようと欲望があったために、念力は少しも出なかったのである。

 超能力の世界においては、欲望をもったときは何事もできない。

 スプーン曲げブームのとき、日本テレビが生田スタジオでスプーン曲げの実況を撮ろうとしたが、超能力少年は、自分で曲げようと欲望をだしたために、三日間、六十時間をかけたが一こまも成功しなかった。

 そして、もう中止しようと、ディレクターが命令し、ビデオを止めた瞬間にスプーンは曲がった。

 生命力の大きい人は、掌(たなごころ)からの念力によって病気を治すこともできるが、自分は病気を治す力があると思った瞬間に、力は半減することになる。

 大きな望みを求めるとき、目前の欲望を捨てることが無欲の大欲であるが、欲を全く捨ててしまってどうして生活するのでしょうと聞く人があった。

 『私は社長ですが、先日ある寺に行くと、住職が

 「欲を捨てなさい」

 と言われました。

 社長が欲を捨ててしまえば、会社はどうして成り立ってゆくのでしょう。

 また社員の生活はどうなるのでしょう。

 私には住職の言う欲を捨てよの意味がわかりません』

 そこでゴルフの足許一メーター平方の話をすると、よくわかりましたと納得した。

 ところが、人間は完全な無欲になりきることは出来ない。

 そこで、欲望があっても無欲になる秘訣を述べてみよう。

 それは自分にお願いすることである。

 人間は肉体と生命体の重合体である以上、肉体で思うこと、生命体の考えることはいつも一致していないと思う。

 例えば、超能力少年の大脇君が、空中で文字を書く実況をテレビカメラで撮ったときのことである。

 実験を数回やったが文字はなかなか発生してくれない。

 そこで筆者が大脇君に、

 『君の肉体は空中では絶対に字を書くことはできない。

 文字を書くのは君の生命体であるから、

 「私の生命体にお願いします。

 空中で紙に文字を書いて下さい」

 と頼んでみなさい』

 と言ったところ、大脇君がそのようにすると見事な文字が空中で書き出され、テレビ放映された。

 このように、自分がしようといくらがんばっても、肉体にはそのような力は持ち合わせがない。

 自分の生命体にお願いすることは、自分に自分がお願いすることだから欲望ではない。

 神頼みも同じことで、自分が困ったとき、神様にいくらお願いしても聞き届けてはくれない。

 これは欲望のためであるが、自分自身の生命体、すなわち自分の体内にいる神様にお願いすればどんなことでも叶えられるはずである。


無欲のとき神は人に力を与える

 科学万能の教育を受けた現代の人々は、科学で説明できない奇跡に対して素直に信じることはできないだろう。

 筆者も信ずることができなかったが、自分の目前に起きた奇跡に対し、その現象が事実であるから否定することもできず、その科学的な究明に乗り出すことになった。

 日本テレビの矢追氏が、奇跡を起こす人ユリ・ゲラーをテレビに登場させて以来、日本全土がスプーン曲げブームにわき返った。

 当時テレビ局の調査によれば、スプーン曲げのできる少年少女が、一万五千人以上もあることがわかり、筆者の周辺だけでも三百人近くの子供が集まった。

 筆者は、この不思議な実事を現代の科学で説明づけしようと、種々の測定器を造り電気的または機械的な実験を行った。

 その実験装置は次のようなものである。


 1= 金属棒にひずみ計用のゲージをはりつけ、その曲がったか否かをストレーンメーターによって読み取る方法。


 2= 人力で、いくら曲げても弾性範囲の変化しか起きないように、ストッパーをつけた範囲内で、ソ性ひずみが発生する装置。


 3= 直径三ミリのピアノ線の先端に、ダイヤルゲージを取り付け、ピアノ線の伸縮を目盛りで読みとるようにした。


 4= 鋼鉄の角材にスプーンを取り付け、曲がらぬようにして念力だけでストッパーを通り越して曲がる装置。


 5= 長さ五十センチの銅線の一端を固定し、プラスチックのケース内に収納して、経年変化をクリープ現象として、その先端の降下量を表示するもの。


 6= 百円硬貨のまん中にストレーンゲージをはりつけ、そのひずみ量の測定機を造り、超能力の有無の検定に使った。


 7= トランジスタのマルチバイブレータという発振回路を造り、定状発振周波数を一八〇〇ヘルツとし、念力によって九〇〇ヘルツ、または停止することを知った。


 8= 数回巻きのコイルをダイオードで検波して、オッシロスコープにその波形を出し、念力によってコイル中に起電力のあることを確かめた。


 このように、種々の実験装置によって科学的現象以外の不思議な現象について研究しているとき、初夢により天玉尊先生との出会いとなり、お酒の湧出、真珠の発生、仏像の出現等により、はっきりと科学的以外のエネルギーの存在を知ったわけである。

 その科学的以外のエネルギーを神とか仏の力ではないかと思い、それを神様が我々にその存在を示すためにされた事実であるように思えた。

 この不思議な力を発揮する神のエネルギーに、すがりたくなるのが人情の常かも知れない。

 いままで神の存在を否定し自力でやってきた人が、この神の偉大なる奇跡を見た瞬間から神に頼りたくなってくる。

 しかし、神は、奇跡によってその存在を知り、信ずればそれでよい。

 それ以上神について探究したり、依頼心を持ってはいけないと告げる。

 神に依存心を持ったときは、何事も失敗の方向に進むことは必定である。

 その失敗によって、神に頼っては何の助けにもならぬことを神は無言の教えによって導いたものである。

 それを理解せず、再度神に願うことは愚の骨頂であろう。

 神のごとき丸き清き心によって全てを行うこと、すなわち、自分の良心を基調とした行動をすることが、神の存在を知り得た人の人徳というべきであろう。

 人間は神や仏の存在を知っても、それに頼ってはいけない。

 自分の力によって、自分の道を切り開いてゆくべきものである。

 人々は自分の任務に対して全精力を注入し、九九・九九パーセントの完成に近づけると、神は残りの〇・〇一パーセントだけの力を貸してくれるときもある。

 神は、求め願うものではない。

 ただ感謝の気持ちをもって奉仕すべきものである。

 神に願わず、神に頼らず、神に対する奉仕を無償の気持ちで続けておれば、神は願わなくても望みの何倍かのものを我々に与えてくださることになる。

 求めないときに、不思議な力を誇示する神様も、人間が欲望をもって願うときには、何一つ叶えてくれないことを筆者は事実をもって知らされたものである。

 よく困ったときの神頼みとかいって、困ると神社や仏閣へ行き、一生けんめいに願っている人があるが、平常は、何が神かと見向きもしなかった人々が、自分の都合だけでお願いして聞きとどけられるだろうか?

 いくら人のよい人間でも、自分勝手なときだけ助けてくれといっても助ける気は起こらないと同様に、神様だって、ぐうたらな、わがままな生活をしていた人が、困ったから助けて下さいといって聞いてくれる道理がない。

 神の力も他力本願の者への働きかけは零である。

 自分の努力によるとき、神の力は願わなくても倍増する。




精神文明と奇跡
第三刷発行:昭和五七年九月二十日
著者:政木和三
発行者:後藤房子
発行所:日新社
    岡山市尾上二七七〇 電話〇八六二(八四)二一二一
印刷書:山陽印刷株式会社
    岡山市中山下二丁目五-五〇-一〇一

 

 

 

 政木先生とのご縁の始まりは、
令和元年七月一日に他界しました昭和五年生まれの私の実父が小学生時代の頃より電気のイロハを教わり、
(実際に、電気ギター制作等々、様々な電気技術のご教授を、家族ぐるみのご近所付き合いの中で個人的に無償で賜ったそうです)
その後、御晩年には、政木先生の素晴らしいご発明品の集大成のひとつとして
“世のため、人々のため”に御余生をかけ陰徳にご尽力なさいました
超強力 神経波磁力線発生器
(改名機器、インパルス磁力線、そして、Mリング。すべての御販売は㈲政木研究所、㈲ケントにて)
の製造に至るまで、数々のお仕事をお世話頂き、
政木先生がお亡くなりになる最後の最後まで、私も含め家族ぐるみのお付き合いを賜わり、
今も尚、心の底よりとても尊敬し、感謝している恩師・師匠です。

 

 

 政木和三先生の廃刊御著書

 

『精神文明と奇跡』

 

を掲載させていただいています。

 

 

 

 政木先生の御教えである

『目先の欲望を捨て去り、世のため、人々のために尽力せよ!』

との仰せを引き続き継承するため、

今後も少しずつではありますが、

何度も何度も繰り返す、日々の心の学びの礎として、

政木先生の御教えのすべてをこれからも紹介させて頂きますので、

皆様には引き続きのお付き合いの程、

何卒、宜しくお願い申し上げます。

 

深謝

m(__)m

 

 

 

 

 

完全オーダーメイド組み立て一式品

『復刻版 超強力磁力線発生器 試作品』

(特許第3510016号)

物理化学や自然科学の実験用、工業での金属磁化用専用試作機器として

政木和三先生がご発明なされた初期の頃の

元祖アナログ回路式機器を復活させることに成功しました!

ご用命の際は

下記のリンク先、もしくはE-Mailアドレスよりお問い合わせください。

 

令和3年3月に復活! 復刻版超強力磁力線発生器

 

画像の機器は平成10年の薬事法改定により製造販売が打ち切られた

元祖旧式アナログ回路が装着される超強力神経波磁力線発生器(Mリング)

 

 

 

元祖!本家本元!! 

神経波磁力線発生器と復刻版磁力線発生器との内部構造や動作の比較

 

 

提供:株式会社ケネスト

info@knestinc.jp

 

税込¥220,000,-

諸事情にて2024年8月1日より大幅値上げを実施させていただきます。

 


≪ご注意事項≫

 

この試作品は一般的な完成型の市販商品ではありません。

完全オーダーメイド方式のみにて

ご依頼者様個人と当方との合意・同意の上で

組み立てセット一式の試作品として特別に製作させていただきます。

そして

ご依頼者様個人によって組み立てられましたこの試作機器は

政木和三先生と北野電機が平成10年まで製作していた

当時のアナログ回路方式の復刻版として

ありのままに復元した内容構造の機器となっています。

しかしながら

現在の日本国憲法を遵守するにあたり

この機器の内容構造は

人体への使用が禁止される対象品となっています。

ゆえに

全てはご依頼者様各自の自己責任において法律をご遵守の上

ご使用・ご活用いただきますようお願い致します。

また

当方はご使用に関する一切の責任を負いませんので

上記の旨をご理解、ご確認いただいた上でお問い合わせくださいますよう

何卒、宜しくお願い申し上げます。

なお

機器への一年間の無償保証はもちろんのこと

その後の機器修理に関しましては従来の元祖旧式機器と同様に

引き続き対応させていただきます。

 

 

 

保江 邦夫 先生 【第2回 バロン保江のエリア55】 2021年

~ 悲運の発明品がついに復活! 復刻版 超強力磁力線発生器!! ~

 

 

 

≪復刻版 超強力磁力線発生器 試作機 の内蔵タイマーについて≫

 

旧式の神経波磁力線発生器の内部部品には最大作動時間60分設定

(通常30分に設定しています)

可能なタイマーが組み込まれていましたが(一部、後期型のMリングは除く)、

今回復活させました復刻版 磁力線発生器には

最大作動時間3時間まで設定可能なタイマーが装着されています。

(出荷時は作動時間を1時間設定にしていますが、

ユーザー様にてご自由に作動時間を最大3時間まで設定していただけます。)

 

画像は元祖 超強力神経波磁力線発生器のタイマー

(こちら赤い針が60分設定になっています)

 

画像は本家本元 超強力復刻版磁力線発生器のタイマー

(こちら赤い針が1時間設定になっています)

 

 

 

最後に

当方は販売等々に一切関わっていませんが

元祖旧式の超強力神経波磁力線発生器(Mリング)より改良が施され

厚生労働省より医療用機器として許認可を受けています

家庭用電気磁気治療器のバイオイーザーをお求めの方は

正規にお取り扱いの有限会社政木研究所様へ

そして

元祖旧式機器のアナログ回路からデジタル回路へと改良が施され

厚生労働省より医療用機器として許認可を受けていない

家庭用健康機器のセルパワーをお求めの方は

製造販売元の株式会社セルパワー様へ

それぞれ直接に

お問い合わせくださいませ。



 

 

 

KNESTinc.