『精神文明と奇跡』
政木和三
著書装幀：横尾忠則
第2章 地球と人間
◎ 空気とは
地球上の空気は、七八・〇八パーセントの窒素を主として、酸素が二〇・九五パーセント、アルゴンが〇・九三パーセント、この三種類のガスで大体九九・九六パーセントとなる。
その上に〇・〇三パーセントの炭酸ガスを加えると九九・九九パーセントとなり、残る〇・〇一パーセントはネオン、ヘリウム、クリプトン、キセーン、水素、メタンなどが微量に含まれている。
この中で生物に最も必要なものは、酸素と炭酸ガスで、酸素がなくなると人間は五分以内に全滅してしまうだろう。
炭酸ガスがなくなると、すべての植物は一年以内に枯死してしまうことだろう。
空気中にある炭酸ガスはわずか〇・〇三パーセントしか含まれていなくても、この少量が生物にとって欠くことのできない重要なものであって炭酸ガスがなくなると、全生物は地球上から消え去ってしまうことだろう。
植物の葉の中にある葉緑素は、太陽エネルギーによる光合成によって、大気中の炭酸ガスを酸素と炭素に分解している。
分解された酸素は再び大気中にもどり、炭素は植物の根から取り入れられる地中の水と結合して、植物の生育に必要な多くの組織化合物を作る。
化石燃料のもとである大木が、地上に倒れていった石炭紀前には、大気中の炭酸ガスの濃度は今よりもずっと高かったと思われるが、当時の植物の大繁茂により炭酸ガスの量を減らし、結局それが植物を枯らすことになり、大木の時代に終末がきたと思われる。
現代人はその化石燃料を燃やし、エネルギーとして使用することにより、空気中の炭酸ガスの濃度を上昇させている。
この空気中の炭酸ガス濃度の上昇により、地球の気温はどのような影響を受けるのだろうか？
ある地方は特に暑く、またある地方は寒いというように、不安定となる可能性がある。
昭和五十四年の二月の気温は平年より非常に高く、大阪では十二月から二月中に、零度に下がった日は一日しかなく、各地のスキー場も積雪がなく、関係者をガッカリさせていた。
この冬の異常高温と積雪量は、炭酸ガスの断熱効果だけとはいいきれないが、何等（なんら）かの影響のあったことは否定できない。
そして、セントヘレンズ火山の爆発によって成層圏に噴きあげられた火山灰によって、昭和五十五年は冷夏となり、五十六年の冬は大雪と異常低温となった。
太陽の活動に大きな変化がないのに異常気象となる原因は、やはり空気を考えなくてはならない。
空気中の炭酸ガスの量も地球全体から考え、そして降雨や海水の吸収を考えれば、大きな変化とはならないかも知れないが、その発生源付近の人間と植物にとっては重大問題となってくる。
それは、化石燃料の消費によって発生するガスが、炭酸ガスばかりでなく、イオン、そして亜硫酸ガス、少量の無水硫酸等であることだ。
またその上に自動車エンジン等から発生する炭化水素、一酸化窒素が空気中にあるオゾンと作用してスモッグを発生する。
中でも光化学スモッグによるNOxは、呼吸器系統や眼にひどい刺激を与え、植物や動物に被害を及ぼしている。
このようにして、我々が無意識に出すガスによって、空気は急激に汚染され、付近の動植物および人間に対して重大な悪影響をおよぼし、更に量が増すことによってその周辺の植物を死滅させる可能性もあると思われる。
無意識のうちに自分が起こしている罪悪に対して十分に心せねばならないことであろう。
空気の汚れの身近な例として松枯れ病がある。
高速道路の近くの山々の松は紅葉を思わせるように赤くなっている。
そして枯れ果てた木も多く寂しげに立っている。
近畿地区の一部では松喰虫退治だといって飛行機から薬剤撒布を行ったところもある。
松林の中に住む生物にとっては、生死に関する重大問題である。
松喰虫がなぜ松につくのだろう。
枯れた松を調べてみると一種類ではない、種々雑多の虫がついている。
この虫たちは弱った木につくものであって、健康なピチピチした木にはつくことはできないのだろう。
松の木は毎日悪い空気を吸わされる。
自動車、工場から排出される硫化物や窒素酸化物を多く含んだ空気によって、松の樹液は固まりやすくなり、循環に障害をおこし、栄養不良となり弱ってきたときに種々の虫がとりついて、完全に枯れさせてしまう。
松の木を助けるためには、一日も早く空気を戦前の状態にもどさねばならない。
このままでは松の木は五十年以内に日本から姿を消すことになるだろう。
日本の上空の空気はいつも日本の上空を回っているもので、日本で汚した空気はいつまでも日本の上空にあり全地球に広がるには相当な時間を要する。
またセントヘレンズの火山灰が、成層圏に達した後降下して日本の上空へ、そして、日本で汚した空気とアベックとなって回っていることも注目しなければならない。
松枯れ病以前から、人間にも公害による多くの障害が出はじめている。
水銀による水俣病、カドミウムによるイタイイタイ病、そして最近は若い人々を不幸のどん底に落とし入れる筋無力症等である。
子供や青年の筋肉がどんどん衰えはじめ、数年にして歩けなくなり、ついには死に追いやる奇病である。
この病気も、松枯れ病と同じく公害による空気または水の汚染物質に起因するのではないだろうか？
筋無力症は、外部からの侵入菌を殺すリンパ球由来のマクロファージが何等かの影響により、自分の体内の神経繊維の絶縁物を外敵とみて食べてしまうところにある。
神経繊維は、絶縁電線と同じような構造をもっていて、内部に導体があり、その周辺を絶縁体が取り巻いている。
神経繊維の一本一本は他と絶縁したようになっているのである。
自分の体内にあるマクロファージの性能が狂って、その絶縁物を好んで食べることによって、神経は絶縁不良となり、脳から出された信号は途中でショートされ、筋肉へは伝わらなくなり、頭でいくら動かそうとしても、電気信号が伝わらなくては筋肉は動かず、その筋肉はやせ衰えてゆく。
このように、何故マクロファージが狂うのだろうか？
これは仮説ではあるが、空中に浮かぶ十億トン以上のジンアイの中に、マクロファージの遺伝子を狂わすような成分があるのではないだろうか？
また飲用水の中に、地下エネルギーの石油、石炭の急激な消費によって発生した汚染物質を含んだ雨が、地下水となったのを知らずに飲んだことに起因するのかも知れない。
これらも、松枯れ病に近似した原因ではなかろうかと心配するのである。
空中に浮かぶ十億トンのチリとは、原水爆の灰や、石油のもえかす等が、ここ数十年間に作ったものである。
次の世界大戦に原水爆弾が数万発も爆発すれば、大気中のチリの量は数百倍にもなり、その日こそ人類最後の日となろう。
ある学者は、生物というものは、周辺の環境に順応するように生態が変わってゆくから、どんなに水を汚し、空気を汚染しても、心配はないというが、これはほんとうだろうか。
たしかペニシリンができたころは、よく効いた病気も、菌の抵抗力が増して効かなくなってきたように、微生物は世代の移り変わりが数時間から数日で行われ、一年も経過すれば、何千、何万世代となり、その抵抗力も増すだろうが、高等動物になれば、それが何百万年、何千万年と経ないと進化は起こらない。
最近の百年ぐらいの間に、人間も植物も経験しなかったような物質が、空中と水の中に無数に近いほどの多くがばらまかれたのである。
順応する時間も何もあったものではない。
人間が科学の力で一瞬の幸福を与えられても、それが原因で死んでは意味がない。
工業によって経済力を増し、国を富まし人民の生活を楽にしても、その公害によって人間を死なせてよいはずがない。
一九八〇年、梅雨前線が居すわり、気温が低く、平年であれば三十度を越す日が二十二日あるものが、わずか五日しかなかった。
東北地方は最凶作となった。
アメリカは、熱波のために、六月、七月はテキサス・オクラホマでは四十度から四十七度にもなり、雨は降らず、飼料は二〇パーセントの減となり、熱波で死者も千人を越した。
あるところではニワトリが全滅したところもある。
またヨーロッパでは、冷夏となり七月にもストーブをたくところもあった。
ソ連は大不作、南フランスは大雨となり、今世紀になって初めて六メーターの大洪水となった。
一九八〇年五月十八日、ワシントン州のセントヘレンズの火山爆発によって、数万トンの火山灰が、一万メートル以上の成層圏へ吹きあげられ、雨では落ちないため二、三年は上空をただようことになる。
成層圏にのった火山灰は、五月十九日には米州の東海岸まで達し、二十日ぐらいで地球を一周し、北半球全体に広がっていった。
一八八三年インドネシアの火山爆発のために、明治十七年と十八年は冷夏となった。
火山灰または、ガソリンエンジンの排気ガスによって、亜硫酸ガスが空中で酸化され、それが雨となり硫酸となって降ってくる。
太陽の活動の変化による熱量の変化は〇・四パーセントの変化しかないが、炭酸ガスは最近一〇パーセントも増加した。
一九八〇年は、北半球の北極を中心としたジェット気流が蛇行したために異常気象となった。
一九六三年からジェット気流の蛇行が見られ、一九七六年のヨーロッパは猛暑となった。
そしてヨーロッパは七七、七八、七九年には大洪水となった。
グリンデンバルト氷河はのび続け、五〇〇メートルも前進した。
ヨーロッパの氷河の七五パーセントは大きくなりつつある。
このような異常気象が続いた後に氷河期が訪れる可能性もでてくる。
一九八〇年の冬は雪が少なく、スキー場は大弱りだったのだが、翌八一年はこんどは大雪となり、スキー場への交通が遮断されるようなことになった。
また、その二月二十六日には、気象台開設以来の異常低温となった。
ノストラダムスの大予言の中に、
一九九九の年 七の月
空から恐怖の大王が降ってくる
この詩のいう
『空から恐怖の大王』
とは何を指すものであろうか。
現在科学の副産物として、空にまき散らされる鉛化合物、チッソ化合物、そして毒性の酸化物が一九九〇年代には一億トン以上にも達したときの、光化学スモッグはどのような影響を与えるであろう。
現在のように眼の痛みぐらいではおさまらないだろう。
また重力に耐えかねたこの汚染物質が、雨と共に地上に降り注いだときを考えると、背筋が寒くなってくる。
亜硫酸ガスが水蒸気にまじった硫酸、チッソ化合物による青酸の雨、そして原水爆でまき散らされた死の灰の雨……。
こんなものが天から降り出したとき人間はどうなるだろう。
これは人間自身が地球を汚して、自分の死期を早めるようにしているものであるが、これ以外にも、防ぐことのできない大きな事件が起きつつある。
それは、いま我々の太陽系に対して、光速に近いようなものすごい速度で近づきつつある天体があるといわれている。
その速度が光速に近いために観測することは困難であるが、一九九二年に太陽系近傍を通過するらしい。
その急速に近づき、急速に遠ざかるときの引力のショックは、太陽系に無影響とは考えられず心配である。
この天体が、ノストラダムスの
『天の大王』
かとも思われるものである。
太陽系の惑星が一列にならぶとき、ハレー彗星の近接、そして汚染物質の降下等、いま地球は重大な危機に近づきつつあるように思われる。
昭和五十五年の冷夏
夏の気温は大体体温に近い日が続くものである。
しかし、一九八〇年の夏は例外であった。
平年よりも七度も低い日が続いた。
熱帯夜もほとんどなく、過ごしやすい夏であった。
町中の住人には好適であっても、農家にとっては重大なピンチである。
梅雨前線のような前線が本土の南に八月中居すわり、毎日が六月の梅雨期と同じ気候となったために、日光の直射時間も非常に短く、農作物に大きな被害が出た。
この冷夏の原因は、地下燃料の大量消費によって、空気が汚染されているところへ、北米のセントヘレンズ大火山の噴火によって高空に大量の火山灰がまき散らされ、上空を偏西風にのっていつまでも日本の上空を回ることになった。
この偏西風は、地球上の最も大きな気流の一つでああって、北緯三五度から六五度の間の上空を永久に西から東に向かっている気流である。
日本と同じ緯度で作った空気の汚染は、未来永劫に日本の上空を回り続け、日本に悪影響を与え続けるものである。
日本で汚した空気のよごれが薄くなるには、長い時間を要し、相当期間は日本人がその責任を負うことになる。
火山灰が日本の上空を回り続けるために日射量は少なく、熱量の多くは反射されて北緯三五度よりも南に降りそそぎ、その地方は特に気温が高くなる。
また、北緯六五度の北側にも反射されてその地方は温かくなったものと思われる。
もしもこのような火山が三つぐらい同時期に爆発しておれば、地球上空での熱の反射により、すぐにも氷河期が訪れたかも知れない。
一山であったことが不幸中の幸いであった。
社会一般の人々が、無意識に行っている空気汚染を充分心せねばならない。
精神文明と奇跡
第三刷発行：昭和五七年九月二十日
著者：政木和三
発行者：後藤房子
発行所：日新社
岡山市尾上二七七〇 電話〇八六二（八四）二一二一
印刷書：山陽印刷株式会社
岡山市中山下二丁目五－五〇－一〇一
政木先生とのご縁の始まりは、
令和元年七月一日に他界しました昭和五年生まれの私の実父が小学生時代の頃より電気のイロハを教わり、
（実際に、電気ギター制作等々、様々な電気技術のご教授を、家族ぐるみのご近所付き合いの中で個人的に無償で賜ったそうです）
その後、御晩年には、政木先生の素晴らしいご発明品の集大成のひとつとして
“世のため、人々のため”に御余生をかけ陰徳にご尽力なさいました
超強力 神経波磁力線発生器
（改名機器、インパルス磁力線、そして、Mリング。すべての御販売は㈲政木研究所、㈲ケントにて）
の製造に至るまで、数々のお仕事をお世話頂き、
政木先生がお亡くなりになる最後の最後まで、私も含め家族ぐるみのお付き合いを賜わり、
今も尚、心の底よりとても尊敬し、感謝している恩師・師匠です。
政木和三先生の廃刊御著書
『精神文明と奇跡』
を掲載させていただいています。
政木先生の御教えである
『目先の欲望を捨て去り、世のため、人々のために尽力せよ！』
との仰せを引き続き継承するため、
今後も少しずつではありますが、
何度も何度も繰り返す、日々の心の学びの礎として、
政木先生の御教えのすべてをこれからも紹介させて頂きますので、
皆様には引き続きのお付き合いの程、
何卒、宜しくお願い申し上げます。
深謝
m(__)m
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全てはご依頼者様各自の自己責任において法律をご遵守の上
ご使用・ご活用いただきますようお願い致します。
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上記の旨をご理解、ご確認いただいた上でお問い合わせくださいますよう
何卒、宜しくお願い申し上げます。
なお
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その後の機器修理に関しましては従来の元祖旧式機器と同様に
引き続き対応させていただきます。
保江 邦夫 先生 【第2回 バロン保江のエリア55】 2021年
～ 悲運の発明品がついに復活！ 復刻版 超強力磁力線発生器！！ ～
≪復刻版 超強力磁力線発生器 試作機 の内蔵タイマーについて≫
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（通常30分に設定しています）
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厚生労働省より医療用機器として許認可を受けています
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