ひざ治療の再生医療のひとつに、PRP療法があります。
スポーツ選手が受けているというニュースでたびたび話題になったりしています。
スポーツ整形で取り扱う医療機関が多いですが、
変形性膝関節症の痛みの緩和にも有効です。
ひざ関節症クリニックでも扱っていて、痛みの改善を確認しています。
ただ、現在はPRP-FD注射という治療法を採用しています。
PRPは患者さまの血液から、血小板を濃縮した成分を抽出して注射します。
というのも、血小板から組織の修復に働く成長因子という物質が分泌されるからです。
そもそも備わっている自己修復機能が一時的に高まるため、
けがの早期治癒や、関節内の場合は抗炎症作用による痛みの緩和が期待できます。
一方のPRP-FD注射では、
血液から作成したPRPから、成長因子だけをさらに濃縮したものを使用します。
よく、患者さまからも「なにが違うんですか?」というご質問をいただきますが、
注射の中身としてはこんな違いがあります。
でも効果についても気になるので、
変形性膝関節症に対して行った2つの治療の症例を、比較調査してみました。
まず、副作用。
関節内の感染や関節内出血などが考えられますが、
どちらの治療法も重篤な副作用は確認しておりません。
そして痛みの改善度。
こちらは、痛みの度合いを数値化したスコアで比較しました。
PRPもPRP-FD注射も時間とともに痛みの軽減が見られましたが、
数値的により改善されていたのは、PRP-FD注射でした。
詳しい数値をまとめたグラフを
「変形性膝関節症に対するPRP治療とPRP-FD注射の効果比較」
でも分かりやすく解説していますので、興味あればご覧ください。
※この調査については、第18回日本再生医療学会でも報告しています。