変形性膝関節症の新たな治療法として、
幹細胞を使った治療法が、注目を集めています。
幹細胞は、炎症や痛みを緩和する効果が確認を持っているほか、
ヒトの身体のさまざまな細胞になる能力も備えているそうです。
たとえば軟骨や骨、血管、さらには臓器にもなる可能性を秘めています。
当院では、幹細胞治療の中でも「培養幹細胞治療」といって、
特殊な技術を使って増やした幹細胞をひざに注入する方法をとっていますが、
「痛みが軽くなった」「膝を動かしやすくなった」など、
症状の改善を実感されている患者さまは少なくありません。
当院は、基本的に変形性膝関節症の患者さまに治療をご提供していますが、
ときに、リウマチから膝関節症を合併してしまった方も来院されます。
そのようなケースでも、
炎症がある場合には培養幹細胞治療の適応となることがあります。
冒頭でもお伝えしましたが、幹細胞には炎症を抑える作用もあるためです。
変形性膝関節症への効果を報告する論文は世界的にも多数あります[1]が、
リウマチと膝関節症を合併した方に対しては効果を発揮するのでしょうか?
当院では、実際の臨床データから、
①変形性膝関節症を単独で発症した方
②リウマチ・膝関節症を合併した方
それぞれの患者さまに対して、
効果の現れ方にどのような違いがあったのか、
痛みやその他の症状、生活の質など、さまざまな観点で比較しました。
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結果として、①、②の患者さまで効果の現れ方が類似していました。
具体的には、まず早期に改善しやすい傾向にあったのが、痛みやその他の症状。
それによって徐々に身体の機能が向上し、
治療からしばらく時間が経過すると、運動機能や生活の質の向上がやや顕著に。
変形性膝関節症と同様にリウマチ性関節症にも、
培養幹細胞治療で効果が期待できることが分かりました。
この結果については、
2019年3月に行われた再生医療学会でも報告しました。
詳しいグラフやデータは、下記の記事でお話ししていますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。