変形性膝関節症と診断されたら、
生活の中で、いかに膝への負担を軽くするか
ということを考えていくことになります。
ただ、ここで一つ注意なのが、
膝への負担を軽くする=じっとしている
ではありません!
医師からも指示があったかもしれませんが、
運動することがとても大事なのです!
本当にそうなの?具体的に何をすればいいの?
まず、運動療法が必要であることをお話ししましょう。
世界各国から、運動療法の重要性は報告が集まっています。
報告とは言っても、易しく解説していますので、ぜひページを閉じず読み進めてみてくださいね。
①変形性膝関節症が進行していても、運動療法は効果的
イランの研究グループからの報告です[1]。
変形性膝関節症は進行に伴って、徐々に痛みが増していくケースが多いです。進行期、そして末期と悪化してしまうと、痛みも取れにくくなってしまいます。が、運動療法はそんなケースでも効果があると言います。
末期だからと言ってあきらめず、できることは少しずつやってみていただきたいと思います。
②運動しないでいると痛覚が過敏になり、痛みが悪化
これは日本の研究者からの報告です[2]。
痛みがあると「動いてはいけない」と思い、じっとしてしまうという人も多いでしょう。しかし過度の安静は、炎症を悪化させたり、痛みを感じる神経(痛覚)を過敏にさせたりするそうです。
③運動療法で痛みが緩和され、恐怖心も改善
イギリスからの報告です[3]。運動療法を行った変形性膝関節症の患者は、痛みの緩和と同時に運動への恐怖心も緩和されたと言います。恐怖心がなくなれば運動へ前向きになり、より痛みの緩和を実現できるという、好循環を作り出せるわけですね。
さて、さまざまな医学的根拠をお伝えしたところで、
運動療法の必要性をお分かりいただけたかと思います。
では、具体的にどんな運動をすればいいの?
気になった方はこちらの記事をご覧ください。
変形性膝関節症の運動療法【その効果とトレーニングメニューを公開】
変形性膝関節症に効果的なトレーニングとストレッチを、当院の医師とトレーナーが厳選!
重要度順に並べていますので、上位のものから優先してトライしてみてくださいね。
やり方が正しいのか不安な方は、始める前に医師やトレーナーと相談しましょう。痛みが強い場合、無理をしてはいけません。
脚注
[2]松平浩. 疼痛とリハビリテーション 運動器疼痛のマネジメント. Jpn J Rehabil Med 2016;53:615-619. 2016.