【タイトル】鉄のキリンの海わたり(てつのきりんのうみわたり)
・作:あさば みゆき
・絵:石﨑 正次(いしざき しょうじ)
・出版社:BL出版
・金額(本体):1,300円
・発行年:2009年
・読み聞かせにかかる時間(目安):15分くらい
・文章量:
13.11.13.9.13.4.14.7.13.12.3.9.8.4.15.8.8.12.6行。
・漢字の有無:本文に漢字あり。漢字にはふりがながふられているものとふられていないものがある。
・備考:大阪国際児童文学館主催 日産自動車共催☆第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞
・あらすじ・内容:
鉄のキリンのじいさんは、港町で船から港へ荷を移す仕事をしている。自分の体にサビがあがって、足腰が痛み、関節がギシギシいうようになり、これまでのように働けなくなったじいさんは、落ち込むことが多くなった。そんなじいさんの背中に、ある日、人さらいから逃げ出した男の子がのぼってきた。じいさんは、この男の子を助けるため、海に出ることを決意する。
・感想:
『無謀では……?』と、つい思ってしまいました。じいさんの足の長さを考えると、行けるところも限られてしまいますし(泳げるなら別だけど)、何より男の子のための食糧もないですし。そんなことをすぐ考えてしまうと夢がないのはわかっているのですけど。しかし夢は物語の中には確かに存在するのでした。
男の子が運良く蒸気船の船長に見つけられ、助けられて、しかもいい船長さんだったので、仕事まで面倒を見てもらえて。じいさんが決意して海に出たことで繋がった、善意のタスキ。
男の子がお母さんと再会して、幸せに育つことができるだけでもハッピーエンドだと思うのですが、男の子が立派な船長になって、海の中で佇むじいさんを見つけ、そのじいさんが海の生き物に愛されているというのは、ロマンチックというか、さらに夢が広がるな、と。
船長になった男の子がじいさんにランプをつけたのは、じいさんと他の船がぶつかったら大変だからかなーなどとも想像してしまいました。船長になった男の子が、じいさんのいるところの近くを通るたびに針路をそこにあわせるというのは、助けてもらったお礼の心をいつまでも忘れていないからなんでしょうね。