◆ どんどん出る ナポリの膿み | イタリアよもやま話

◆ どんどん出る ナポリの膿み

これだけブログに何度も書きたくなるほど、
イタリア中を巻きこんで大問題に発展しているナポリのゴミ問題。

出るのは、ゴミだけではなく、ナポリ行政のウミのようです。
毎日出るわ、出るわ・・・

先日、ナポリ市の清掃人はミラノ市の20倍と書きました。
その清掃人達が、まったく働いていないことも書きました。
もちろん、ニュースや討論番組で知ったことなのですが、
昨日は、その実体を映像で見ました。


もう5~6年も前に、テレビ番組ののインタビュアーが
清掃人達のたむろする本部へ取材しに行った際の映像です。
大きな建物内に いい歳の男達が、あちこちに群がって沢山いるんです。
皆普通の私服を着ていて、何も持たず、何もせず、座りもせず、
手持ち無沙汰に喋っています。
建物内は、そういう男達でザワザワと騒がしいのですが、
インタビュアーが
「ここで、貴方は何をしているのですか?」
と尋ねると、皆口をそろえて、
「何もしていないよ・・・何もしないんだ。」

と答えます。そのうちの一人が、忘れていたかのように
「仕事してるんだよ。何もしないのが、俺達の仕事なんだ。」
と・・・・。

ナポリでは、こういった清掃人達がもう八年も前に
何の就職試験もなしに、電話一本で呼ばれて、

市の職員として、2000人も正式に永久雇用

されたんです。
ナポリの清掃人全体の数は、ナポリ市民1000人につき、25人という割合。
つまり、

ナポリでは市民40人に1人は、清掃員

ということになりますよねぇ・・・(子供も市民の数にいれるのか・・・?)


彼らの中には、刑務を終えて出てきた者元麻薬中毒者などが多くいるそうで、
それらのほとんどが、
コネで就職したとか。
そして、雇用されてからと全く働くことなく、
それでも毎月、

きちんとお給料をもらっているのです。
それが今の今まで続いているのです
何の社会問題にもならずに!

正式雇用の機会がどんどん減っているという職業難のイタリアで、
何もせずに公務員として永久就職し、
何もせずに、月給をもらい、
将来の退職金も保証される生活をしている人
が、
ナポリに わんさかいるのに、
個人個人で文句は言っても、
社会問題にならず、責任問題として追求しないイタリア。


問題は、ゴミではありませんね。