◆ 日付変更線は誰がひいたか? | イタリアよもやま話

◆ 日付変更線は誰がひいたか?

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イタリアの学校教育は、日本と違って広く浅く、ではありません。
狭く浅く、と言いましょうか、とにかく日本だったら小学生でも知っているような常識すら
ここでは習わないことが多いようです。

建築大学を満点で卒業した秀才でも、一般常識で驚くほど無知だったりするのです。
主に理科系の知識が足りないことが多いです。いわゆる科学ですね。
お芋の芽と根の出方、
太陽系の惑星の並び方、月の満ち欠け、
日常的な金属の元素記号、etc……
あげ出したらきりがありません。


説明に困ったことだけでなく、ちょっと憤慨したエピソードを書きましょう。


その友達はは歴史学を学ぶ優秀な大学生でした。
そんな彼を含めた数人の学生仲間で、たまたま時差の話をしていました。

何かの拍子に私が、
「日本は世界でも一番早くに太陽が昇るから・・・・」
って言ったんです。

そしたら、その友達は、怒ったように、こういいました。
「なに!?日本が一番最初に太陽が昇るだって?
太陽はどこでも昇るし、一日はどこでも24時間だろ!?」

私は内心(ありゃま、この人、時差のしくみわかってるの?)
と驚きましたが、日本が8時間先だと説明しました。

それでも彼は
「なんでなんだ、なんで日本が先なんだ!」
と憤慨の模様。

(あの~、まさか地球が丸いってこと知らないわけじゃないよねぇ~。
ガリレオはあんたの祖先でしょ~?)
と思いつつも、地球の回る方向とかも説明しましたが、
その仕組みを知らぬのもさることながら、
憤慨の本当の理由は、単に
日本がヨーロッパよりも先にに日付けが変る という事実
らしいのです。

(なにかい?西欧諸国の後なら満足なのかい?
あんたそんな屁理屈な差別主義者だったのかい?)
と情けなくなりました。


あまりにしつこく憤慨しているので
さすがの私も堪忍袋の緒が切れて、確固とした論証もありませんでしたが
西洋人達の自意識の持ち方を考えると、
当時、地球の裏側にある太平洋に浮かぶ島々の事を考えて作ったシステムとは思いがたく、
「自己中心主義な西欧人種が、ヨーロッパのご都合のために、
日付変更線を、自分達から反対側の太平洋にひいたんでしょう?!
自分達の勝手で決めた規定に、
差別意識丸出しで不機嫌になることもないでしょう?!」
と言うと、やっと黙りましたが、
それでもなにやらブツブツ言っていました。


やってられん・・・・・・。