登り窯焼成の合間に、薪の端きれで作った2種類のヘラ。 | 国立けんぼう窯のブログ

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東京都国立市中1-9-4


 登り窯では燃料に大量の巻を使いますが、その中には切り損ねてペラペラになったものや、曲がった薪なども混じっています。
 今回の登り窯焼成がとても順調だったので、半端な薪を探して5本のヘラを作りました。
 特に今回特に作りたかったのは牛ベラというヘラ、このヘラは牛の舌のように、少し反った形の形なので、やや曲がった松の木を探して作りました。
 登り窯では、鉈で全体を大まかに削り、あとは国立に戻ってから全体を滑らかに整えて完成させたものです。
 牛ベラという特殊な形状のヘラは、どんな時に使うものかといいますと、このヘラをよく見ると大きな指のようにも見えませんか。
 つまり電動ろくろで、器の内側を滑らかなカーブに整えるときに使います。まさに大きな指なのです。
 陶芸では、用途によってさまざまな形の道具を使い分けますが、その中でも指の形に近い、牛ベラは特に親しみやすくて使いやすい道具の一つといえます。
 燃やせば一瞬にしてなくなってしまう薪ですが、道具に加工すると何十年も使えるから不思議ですね。