賛否両論あるかもしれないけど、後悔してない話。







その日、私は出張仕事が早く終わり、いつもより早い時間に子供たちをお迎えに行くことが出来た。




ちょうど他の子たちも下校していた。




マンションに着いて、郵便物を取りに行く間、エントランスの待合スペースで待っているように子供たちに伝えた。




ほんの2分ほど待たせて戻ると、いつもの場所で子供たちが待ち構えているのが見えた。



小2の長女と2歳の長男。

私が郵便物を取りに行っている間、いつも子供たちは物陰に隠れて、私が来たら「バア!」って驚かせてくるのだほっこり



陰からはみ出している2歳長男の小さい足、私はニマニマしながら近づいて行った。



するとそこへ、小学4〜5年生くらいの男児たちが別方向からやって来た。

3人組だった。




隠れている長女たちに気付いたのか、スーッと近づいて物陰を覗いた。




男児たちが物陰に隠れている長女たちに向かって声を上げた。

誰が何を喋ったのか覚えてないけど、内容は覚えてる。

目の前で聞いたから。



「何してんだコイツら」

「誰!?こいつ!」

「誰々?!」

「知らねーーー!!!」

「何だこいつ」

「隠れてんだろ」

「ばかじゃね」

「やば」



ここで男児の1人と目が合い、私が隠れてる子たちの保護者と察したのか、急にピャーっと逃げて行った。




男児たちは終始バカにしたような、大声で強い口調だった。


「誰こいつ!」と、「知らねー!」っていう馬鹿にしたような見下したような言葉は絶対に聞き逃さなかった。




慌てて物陰を覗くと、長男は訳も分からず笑顔で「ママー」と笑って来た。



その長男をギュッと守るように抱きしめて、長女は涙ぐんでいた。




胸がギューっと苦しくなって、同時に怒りが込み上げてきた。




長女に「怖かったね」と声をかけたけど、最近大人びて来た長女は首を振って強がった。



何事もなかった振りをしていた。

でも長男を固く抱きしめて、涙が溢れて止まらなかった。


小2の女子からしたら、小4〜5の集団の男子なんて恐怖でしかないだろう。



それでも、何も言い返せなくても、小さい長男だけはしっかり守っていたのかと思ったら泣けて来て、私はあの男児3人が絶対に許せなかった。



男児3人組は、まだエントランスにいた。

友達と待ち合わせをしているのか、少し離れた場所でウンコ座りして3人固まっていた。




3人のうち1人は習い事が時々一緒になる小4の子で、親の顔もなんとなくわかる。

残り2人は初めて見るが、恐らく同じマンションの子たち。



いつもの私なら、ムカついても我慢して何も言わなかった。

同じマンションだし親がもしかしたら知り合いかもしれないし、うまくやらなきゃって考えていた。

子供のためにも調和を重んじて...とか。



でもその時は無理だった。

ここで我慢したら一生後悔すると思った。






「あのさー」



私は男児3人組に話しかけた。


3人とも思い当たる節があるのか、ギクッとした顔をしていた。




「あの子たちに、嫌なこと言ったよね?」



物陰に隠れたまま泣いている長女たちを指して、聞いた。




3人組の1人が座ったまま、両手を挙げて首を振った。



「僕は何も言ってませーん!」




嘘つけ、全員が全員何か言ってたのは見たんだよ。


おどけた風に言ったであろう男児に、冷たい声で言い返した。



「◯◯の習い事してる子だよね、□小の4年生でしょ」



身バレしてると分かったら、おどけていた男児は急に大人しくなった。

気まずそうに俯いた。





別の男児が、急にキリッとした顔になって立ち上がった。




「あの、隠れているのが見えて、もしかして僕たちの知り合いかなと思って、確認したんです。ひどいことは何も言ってません。そんなつもりはありませんでした」




コイツは弁が立ちそうなズル賢いタイプだろう。



そんなつもりがなくても、馬鹿にしてからかっているようにしか見えなかったけどね。





「知り合いじゃないって分かったら、何も言わずに立ち去ればいいよね?誰コイツって言ったよね?バカって言ったよね?それってひどい言葉じゃないの?」





私はそう言い返した。



子供に話す優しい言い方なんか出来なかった。


淡々と冷たく伝えた。




「はい...」




弁が立ちそうな男児が、認めた。



最初におどけてた男児も立ち上がって、ペコリと頭を下げて気まずそうにしていた。

もう1人の子は終始無言でビクビクして立ち尽くしていた。





「次やったら学校に言うからね」



最後にそれだけ言って。

長女たちを連れて立ち去った。

謝罪は得られなかったけど、別にいい。




長女は必死にいつも通り振る舞おうとしていた。

何事もなかったかのように、傷ついているのを隠していた。




私は余計なお世話をしちゃったのか?

何が正しかったか今も分からない。




でも、あのまま野放しにしたら、あの男児たちはまた同じことをやるだろう。



その被害者に長女がなってほしくない。




殴る蹴るだけがイジメじゃない。

言葉や態度でも人って簡単に傷つく。




男児3人組は、1人1人だと多分みんな良い子だ。

おどけてた男児も、習い事で一緒になる時は全然普通だし何も嫌なことをしてこない。




なのに、ああやって集団になると急に害悪になって、1人の7歳の女の子を傷つける。




子供には子供の世界があるし、親が介入しすぎると良くないかもしれないけど、




私は今回声を上げてしまったことに対して、後悔はしてない。




私が3人組を詰めているところをマンション内の住人に見られているので、噂好きの暇人軍団にヒソヒソされているかもしれない。

でも別にいい。


どうせ軍団とは仲良くしている層が違うし。





あれからあの男児3人組に出会してない。

そもそもあの日、出張帰りでいつもより早く帰宅したので、彼らとは生活リズムが違う。


長女は特に何事もなく日々過ごしている。




これまで調和を重視して、長女のためと我慢して来たことも多かったけど、最近どうでも良くなってきた。




小学校はマンモスだし、意外と個人主義で、PTAの強制もない。

周囲の人に媚びたところで知り合いが増えるだけで、だからなんだといった感じ。



本当に仲良くしたい人たちとだけ深く付き合っていけばそれで十分だし、全方位に良い顔するのにつかれた。




道を歩けば知り合いがいて、笑顔で手を振っている自分に酔っていただけ。

知り合い程度の関係なんて、1年話さなきゃ道ですれ違ってもお互い気付かないフリして無視。




子供たちに害を及ぼす奴らにまで、良い顔する必要なんかない。


もしあの男児たちの親が何か言って来ても言い返せるし、自分より年下の子たちを集団でからかって「コイツ」って言って馬鹿にする行為をした我が子を庇うような阿呆親なんか、媚びる必要ない!





てイキがりつつも、事後1週間はちょっと身構えていたビビりな私でしたニコニコあせる