鮫の目のあなた | Manga●製作所

鮫の目のあなた

ショックだったフラれ方 ブログネタ:ショックだったフラれ方 参加中

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若い頃の思ひ出…

彼の名はパパちゃん。某有名お笑い事務所所属の若手芸人だった。

私は彼をパパちゃんと呼び、まだ漫画家を目指す身だったから
起承転結や話の表現など芸人さんから学んだとも言えるかな?
今でも雛壇で見かけるいろんな人。本当にありがとう!^^

そしてその中で彼はそれはそれは自由な女達者なヒトで…

新宿でデートしてた時、「少し待っててな」とデパートに入って行って
戻って来たらお金を握ってた。

「なにしてきたの!?」
「お金くれるお姉ちゃんがおんねん♪」

…彼にとって浮き世を生きる事はカンタンに見えました。

時には血だらけでやってくるから何事だと思ったら、

「 好きな奴おんねんてお前の写真見せたらガラス戸にダイブしよったん!
こんなことしたらあかん言うて帰ってきたゎー」

それは “ 荷物置き場 ” って名前がついた女の子だった。
…それだけ!??
…と、思ったけど彼はなんか欠落してる所が好きだった。

“ 鮫の目をしてる ”

私が彼に初めてあった時に言った言葉。なんの躊躇もなしに血が出るほど噛みつきそうな人のまなざし。
ヒトの心を読む事を拒否した瞳。そのくせ、寂しそうな瞳。ガラス玉の瞳。

彼はそれを痛く気に入って何度も何度も私に聞いてた。
「 なぁ、今、パパちゃん鮫の目か?」って。

石神井のお好み焼き屋に行った時、関西人のパパちゃんは水を得た魚の様に私にお好み焼きを焼いてくれた。
そして、「なぁ、今パパちゃん鮫の目やないやろ?お前とおるからやで?」って言ってくれた。
そのお好み焼きはものすごくおいしく感じたのはダメ男が出す麻薬のせいだと今はわかる。

ほんの小さな彼の思いやりと私のダメ男好きで二人の愛は成り立ってた。

ある日、私は知人からBMWを借り、彼とドライブに出た。

晴れてて機嫌よし!下町の大きな赤い提灯をみせてあげようって。

しかし、二人で歌ってる時にボンネットから煙が上がった

…ほどなくして路肩で車は停止。壊れてしまったんだ。

どうしよっか・・・途方に暮れる私とパパちゃん。

私は仕方ないからBMの持ち主に電話して正直に話した。すると駆けつけてくれる事になった。
私はパパちゃんに、「 パパちゃん、何とかなるかもね?よかったね?」って言った。

その思いやった私の言葉へのパパちゃんの返事はこうだった。

「・・・なぁ、じゃ、帰ってえぇか?・・・・・オレ、タツヨシ観たいねん。」

…タツヨシとは、当時一斉を風靡したプロボクサーだ。
この大惨事に彼はタツヨシを選ぶのだ。

私はもう怒りを通り越して笑ってしまって 「 面白いから許す!行け。 」っと行かした。
その後、何時間もの間私は一人壊れた車で過ごしてた。持ち主が来るまで。

…それから。

彼から電話がある度にあの “タツヨシ事件” を自慢げに何度も話してるらしい彼の話を聞いた。
そしてこう言うのだ。「 今までの生涯でヒトを愛したのはお前だけやねん。そんなオレを忘れんとってな?」と。

もちろん、忘れもしないし。私にとっては今の仕事に付く為にあなたが必要だった。
そして、鮫の目がヒトに教える本当の意味を私は彼から悟った。

それを言うと誤解が生まれるからここでは言わないけど。^^

実際は今もTVで彼を観てるって言いたい。けど、現実は彼はいない。
大した事なかった人かもしれない。

だけど、ある夏の日、久しぶりに彼から電話が来て
「 オレ、また恋したかもしれへん! 」っていう高揚した声で連絡があり、それから連絡が途絶えてからという日々

たまに鮫の目は治ったのかしら?なんて考えてる。