捲りたい親
南4局オーラス
自分北家だ。
親はラス目でここで和了って
順位を上げたい。
親の動向・所作を観察する。
息遣いが段々と高くなる。
『形が決まってきたかな・・』
顔の表情に歪みが見える。
『シャンテンだろうな。なかなか来ないみたいね。』
鼻息荒くなってきたのだが、
消沈気味に肩を落として、
「リーチ」
ときた。
親の河、
中筋ってこともあり、
一発目にドラを手配から抜いた。
「うっ」
と親は、
山椒は小粒でもピリッと辛く
+
良薬口に苦し
といったなかなかの表情を醸し出した。
『うんうん、そういう表情がみたいねん』
と
自分の中の小悪魔が
北叟笑む。
流局となった。
親の手牌
親の手牌は、
456三色を想い描いてたんだけど
打点をみたってことか。
待ちきれずリーチ決行てことだね。
ちなみに、
見てたことになる。
誰も出してこなかった。
(注:親連荘なしの八局麻雀なので、
親はこの回で打点を決めなきゃならない。
自摸って1300オール又は
裏一の2600オール
から続行なので、
文句なしでリーチに踏み切っているだろう。)
対局後
その親の方はラス半だった。
サークルで何回か顔合わせしている人だ。
20代後半かな、
ガッチリした体格で
体育会系に見える。
対戦後、
「オーラスのリーチの時、
なんかガッカリ😞した感じだったでしょ。」
「もしあの時、自信満々の鼻息荒いリーチだったら、
と彼に伝えたら、
「えっ」
と驚いていた。
リーチの声も、
もうちょっとテンション高かったでしょ」
と言うと、
「確かに・・・」
と笑っていた。
なかなかの好青年である。
麻雀って面白いね。