俺のPCでのネットライフは、まず最初にYouTubeを見る事から始まる。
好きなアーティストの曲を爆音で流すのが定番だ。
今日もいつも通り、ネットサーフィンを楽しんでいた。
‥ああ、これは神の悪戯と言えようか。
俺の平穏も一瞬にして崩れさってしまう事件は、突如起こる。
これは、お気に入りのアーティストのライヴ映像を見ていた時の事。
俺は某有名ロックバンドのライヴ映像に夢中だった。
歪んだギターサウンドに酔いしれる俺を余所に、映像は疾走感を持って流れて行く。
映像も終盤。丁度ギタリストのギターソロを向かえた時、ギターの音とは別に不可解な音が聴こえ始めたんだ。
『ピーピーピーピー!!』
PCから聴こえた謎のピーピー。
凄く耳障りな音だ。
同時に画面操作の調子も悪くなり、どんなにマウスで上にカーソルを持って行こうと、画面が強制的にに1番下まで一気に下がるという、ドSなパソコンちゃんに変貌を遂げて魅せた。
俺はキーボードやらマウスやら、この非常事態の原因として思い当たる所を弄ってみたが全く反応ナシ。
これは俺への挑戦だと激しく勘違いする少年の、パソコン周りのコードの抜き差しはさらにヒートアップ。
それでも俺を嘲笑うかのように鳴り続ける"ピーピーピーピー"。
そして永久に画面右下のスクロールバーが1番下を表示している。
そんなPCに、流石の俺もキレた。
怒り任せのゴッドフィンガーで押したの最終最強スイッチ。
そう。強制終了ボタンである。
画面は鮮やかな色の照明で飾られたミュージシャンから、闇を塗りたくったような漆黒へとブラックアウト。
夜空に映し出されたのはニヤけ顔の少年。
少年の顔は、PCとの闘いに完全勝利を収めた満足げな表情であった。
…少年とPCの激闘から数分後、
そんな出来事があった事も知らない少年の"妹"が、PCの正面に腰を落ち着け、起動ボタンに手を掛けた。
隠れてそれを確認した少年は、PCのサーバー起動音を耳に入れながら、これから起こる出来事を予想して、溢れ出る笑みを抑える事は出来なかった。
『ピーピーピーピー!!』