ひとり芝居を観るのは初めてだった。
三谷幸喜作品は、いつもチケットが取れなくて泣かされ続けていたのだが、何故かこれはすんなりと取れた。
2004年に初演され、今回はニューバージョンの、「なにわバタフライ」
何の前知識もないままに、ショムニのおばちゃんが、どんな芝居を見せてくれるのかが楽しみだった。
バタフライといえば蝶々婦人。
だから、プッチーニの関西版かとマヌケな想像をしていたのだが、関西でバタフライなら、ミヤコ蝶々に決まってるやないか、とバシッとつっこまれても仕方がないな。
三谷版「ミヤコ蝶々伝」だ。
前から5列目のほぼ中央。最高の席だ。
舞台上には背の高さほどの布に包まれた小道具が置いてある。
舞台袖からひょいと顔を出しニッコリ。着物姿で登場した戸田さん。
いきなり舞台挨拶だ。
そして、今から何が始まるのかをユーモアたっぷりに説明しながら、大きな布をほどき、中から数々の小道具を取り出し、目の前で芝居の準備を始めた。
そして呼びかけた。
「舞台一面に広げる布を固定したいから、誰か手伝ってくださーい」
たまげたね。
しかし、こういうときに恥ずかしがるのが名古屋人気質だ。
誰も立とうとしなかったので、戸田さん、もう一度声をかけた。
僕は気持ちの盛り上がりに任せて、膝に乗せていた荷物を隣の連れに渡し、思い切って立ち上がろうとしたその瞬間、若者が一人、勢いよく飛び出してきた。
さらにもう一人。
先越されちゃった。
そうこうする間に、僕の肩の力は抜けていた。
一人芝居を観るんだ、という意気込みが抜けていた。
観客はすでに、リラックスしたまま三谷・戸田ワールドに引き込まれていた。
一人で複数の役を演じるのではない。
また、相手の発した言葉を反芻する芝居でもない。
相手の言葉はまったく聞こえない。
それなのに、あたかもそこに人がいるかのようなリアリティで、物語は次々と展開し、僕たちに迫ってきた。
ミヤコ蝶々の芸人人生は、女の人生そのものだったと。
幼少から晩年まで、彼女に大きな影響を及ぼし転機をもたらした男たちに、彼女は時に怒り、時に傷つき、時に笑い飛ばし、そして深い愛を捧げ、話しかける。
2時間ちょうどの芝居は、最後まで僕たちを釘づけにしていた。
はぁ、お腹すいたヽ(´ー`)ノ
また何か、書き足りないなと思ったら、加筆します。


