はらり はらりと雪は落ちて
今年もまた 静かにこの季節が始まる

冬は嫌いだと君は言う
『寒いだけで 何もいいことはないもの』
真っ赤に冷えた手に息を吹きかける
頬もまた 寒そうに赤く色付いて


寒いのなら そうだね
暖めればいい


僕の右手にはめた 手袋のもう片方を
冷たくなった君の左手にはめる
その小さな手には 少し大きいのだけれど


二人の間の左手と右手は
そっと握ったなら ほら
手袋よりもじんわり暖かい


照れたように君が笑う
『寒いのも 少しはいいかもね』


冬も好きだと 幸せそうに微笑む
そんな君を見てるだけで
冬だって こんなにも暖かい