何度も書いているが、当家の男子たちは電車好きである。

先日、フランス文学者の育児エッセイのような本を読んだのだが

幼児の成長に「電車段階」があるとの一文には

思わずうなずいてしまったのだ。(ちなみにその方の子供も男子。ああやっぱり。)


そんな我が家では、寝る前が「絵本タイム」となっているのだが

なぜか電車の図鑑みたいなものを読みたがり

それ絵本じゃないし!

写真下の解説が詳しすぎて全部音読するのめっちゃしんどいし!

みたいなことになりがちなのだ・・・。


そんな中。親子揃ってお気に入り、

もう何度読んだかわからないほどヘビロテとなっている名作がある。


西村繁男 著「やこうれっしゃ」。


この絵本、文字は一切なし。

しかし、東京から金沢への、夜行列車の旅が

こんなにもワクワク実感できる本は、他にない。

いや実のところ描かれている時代は30年前なのだけど、それもよい。

今は見られない風俗なども含めほのぼのとしていて、昭和日本の味がある。


主人公と思しき家族は、うちの家族ということにして。

他にも、小さな女の子の一家や、夜中に弁当を食べる若者グループ、

子供におみやげを持って帰るおじさんなど

旅行く乗客たちそれぞれの姿が、細部まで凝っていて楽しく面白く

読むたびに新たな物語が発見できて、飽きることがない。

うちでは真夜中に一人起きている男の人がひそかな人気で

そのページが来ると

「雪の降る暗い窓を、ひとりでじっと見つめているのでした・・・。」と語るのがお約束。


現実には、夜行列車は廃止・縮小の方向なのだけど

(「銀河」は、この美しい名前を何か他に生かしてほしい・・・)

北海道行きなど人気の路線もまだまだあるし、

新婚旅行にも最高だし(当家実績。マジでお勧め。)

何とか、未来の旅人にも「よるたび」を継いでいきたいものだ。


ともあれこの本を読んで、電気を消して

やこうれっしゃに乗るおはなしをしながら眠るのは

子供たちにとっても、自分にとっても、なかなかに至福の時なのである。

いつか、本当に乗りに行こうね。


やこうれっしゃ (こどものとも傑作集 (65))/西村 繁男
¥840
Amazon.co.jp