和歌山県立博物館に刀を見にいきました。

先日行った日光東照宮では奉納刀がほとんど火災で焼けてしまったということであまり刀がありませんだしたが、この紀州東照宮の奉納刀は素晴らしかったです。合計27振ありました。

特徴としては、ほとんどの刀に太刀拵が付属しています。拵は当時のもののはずなのですが、どれも新品のような綺麗さでした。極上の状態です。

刀身はほとんどが差し込み研ぎだったと思います（二振を除いて）　江戸時代から研ぎ直していないのかもしれません。刀身に若干の鯖びやキズのある刀もありましたので。

残念ながら写真撮影不可でした。

今回の展示で気になった点。

打ち刀の刀身に太刀拵をつけた奉納刀が3振り存在しました。銘が打ち刀の差し表側にありますし、時代的にも形状的にも打ち刀。

太刀銘の刀身を打ち刀拵に入れて差し料にしたり、打ち刀の刀身を太刀拵に入れて太刀にする事はさほど珍しい事ではなかったとは思います。

ただ、紀伊徳川家の当主が東照宮に奉納する太刀に打ち刀銘の刀身を用いていたというのは少し意外でした。江戸時代にはそういう事は全く気にしなかったのかもしれません。「太刀か打ち刀かは外装の違いだけ」という認識が当時の武家の上層部でも一般的な認識だったのでしょうか。

現代の愛刀家の中にはこういう事や刀身の裏表にやかましい人もいるような気がしますが、あまり神経質というか狭隘な考えにはならないほうが良いのでしょう。

図録から　打刀銘の太刀↓

刀身だけ見ると、やはり打ち刀銘のものよりも太刀として作られた刀身の方が格調高く見えるような気がしていまいます。姿が。

私の先入観というかバイアスのせいかもしれませんが。

ちなみに、徳川吉宗以降は吉宗の刀剣政策の影響で奉納刀が新刀ばかりになったそうです。

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和歌山は難波から1時間以上かかります。近畿なのに随分遠く感じます。実際遠いのですが。

太刀と打ち刀