精巣腫瘍の治療に関する情報のリンクを貼っておく。

精巣腫瘍はがんの中でも標準治療を行えば治癒に至る確率が極めて高い病気だ。

くれぐれも効果が十分証明されていない民間療法などの誤った情報に惑わされず、正しい情報を元に主治医や医療者の方などと十分にコミュニケーションをとりながら治療を進めていってほしい。


最近では、例えば「がんは放置するしかない」とか「抗がん剤はしない方がいい」と主張する人がメディアでセンセーショナルに取り上げられていたり、「これを食べれば治る」とか情報発信している人がいたりする(食べ物くらいはいいが高額な健康食品などには注意してほしい)。また、効果が十分に証明されていない免疫療法のクリニックなどが街中で堂々と営業していたりする。

こうしたことものに関しては勝俣範之先生が正しい指摘をされているのでそちらをご覧いただきたい。

正しく情報を判断する目を持ってほしい。

『「抗がん剤は効かない」の罪』を上梓-勝俣範之・日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授に聞く◆Vol.1

腫瘍内科医勝俣範之のブログ

勝俣医師、「インチキがん免疫療法クリニック」について怒り・嘆き・警鐘の連ツイ

では、私が見て役に立つと思ったリンクを以下に添付していく。何かの役に立てば幸いである。



◾︎精神面・心理面について
がんと心 がん情報サービス http://ganjoho.jp/public/support/mental_care/mc01.html

がん患者さんとご家族の心のサポートチーム 日本サイコオンコロジー学会 

がん相談・サポート 日本対がん協会 
http://www.jcancer.jp/consultion_and_support



◾︎セカンドオピニオンについて
知っておきたいセカンドオピニオンの取得方法と有効な活用方法 セカンドオピニオンガイド http://www.2og.jp/kiso.html

セカンドオピニオンを活用する がん情報サービス http://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-1/02-01-07.html

精巣腫瘍の日本最大・最先端の診療拠点は京都府立医大病院だ。精巣腫瘍のセカンドオピニオンではここに行けばまず間違いないだろう。
セカンドオピニオンでは標準治療を超えた部分(標準治療以降の治療や民間療法など)についてはアドバイスを受けれないことをご了承ください。費用は30分で1万円ほどかかる。



◾︎精巣腫瘍の診療ガイドライン
精巣腫瘍診療ガイドラインを手に取られることをお勧めする。


精巣腫瘍は10万人に1人がなる希少な癌ですがガイドラインが制定されている。2009年に最初発行され2015年に改定された。

医師も基本的にはこの精巣腫瘍診療ガイドラインに従って治療方法を決めている。

精巣腫瘍に関する主要な論文やそれから導き出された治療法が集約されている。

例えば私のように腫瘍マーカーであるAFPが100,000を超えていた人がどうなったかというようなレアなケースについての各論は載っていないのだが、治療方針を決める際の十分な指針にはなると思う。

(NCCN)National Comprehensive Cancer Network NCCNは世界主要25のがんセンターの同盟団体であり世界標準でのガイドラインを提供している。日本のガイドラインもこのNCCNのガイドラインを元に作られているようだ。

公益財団法人 先端医療振興財団が翻訳して日本語版を出しているようだ。精巣腫瘍のガイドラインも出ている。

精巣腫瘍以外の病気のガイドラインも出ているので身近に該当する病気の方がいる場合は是非このガイドラインも参考にしてもらいたい。
https://www.tri-kobe.org/nccn/index.html

NCCNの英語サイトはこちら。
一番左の”NCCN Guidelines”をクリックし、左欄二番目の”NCCN Guidelines for Treatment of Cancer by Site"をクリック、そして”Testicular Cancer"をクリックすると精巣腫瘍のガイドラインのページに飛ぶことができまる。
Emailなどを登録すればガイドラインをダウンロードできるようになる。ガイドラインを日本語への翻訳する機能もある。

日本癌治療学会もオンラインで見れるガイドラインを出しているが、これは2009年版のままだ。
http://jsco-cpg.jp/item/25/index.html

2009年版と2015年版の何が違うかというと、推奨グレードやエビデンスレベルの精密化があるが、やはり1番大きなのは進行した状態の精巣腫瘍患者の5年生存率についての記述である。
2009年版ではPoor Prognosis(予後不良群)の非セミノーマ群、要はステージⅢの患者の5年生存率48%と記載されている。これは1997年時点のデータに基づくものであり、近年は大幅に改善されてきていることからここの記載が変わるのではないかという期待がされていた。

今回の改定では48%の数値は変わらなかったが注意書きとしてて"非再発率および全生存率に関して、1997年に報告された当時のものであり、近年の報告では、成績は向上している。特に非セミノーマのPoor Prognosis群の向上は目覚ましく、約70ー80%の全生存率を得られる”と記載された。

つまり、精巣腫瘍のステージ3の患者の5年生存率に関して、48%というデータの更新こそできなかったものの、最近の現場の医師の経験では70ー80%へ改善されていると感じられるということなのだろう。
3年後を目処に改定を目指されているそうなので次版にも期待したい。


◾︎論文などその他情報サイト
また、国立情報学研究所のCiNiiというサイトで論文を検索することができる。
ここで例えば”精巣腫瘍”や”BEP療法”など検索したい言葉を入力するとそれに関する論文が上がってくる。年会費がかかるが論文の数は1番充実していると思う。

メディカルノートというサイトhttps://medicalnote.jpでは様々な病気について専門家がわかりやすく解説している。

あと一般的な情報はがん情報サービスhttp://ganjoho.jp/public/index.htmlで集めることができる。

精巣腫瘍についてはがん情報サイトも良かった。http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese-s.jsp?Pdq_ID=CDR0000062899#scrollTop



◾︎高位精巣摘除術、化学療法について
高位精巣摘除術と化学療法については以下の四国がんセンターのサイトが端的でわかりやすいと思う。
http://www.shikoku-cc.go.jp/hospital/medical/class/urology/cancer/testicular/treatment/

化学療法の副作用対策については「命を守る知識と技術の情報館」のサイトがわかりやすかった。
http://www.coe-cnas.jp/group_cncr/manual/manual01/04/03.html


◾︎精巣腫瘍の治療に関する動画
精巣腫瘍治療の全般について、キャンサーチャンネルの動画がわかりやすかった。
是非参考にしてみてほしい。


その他YouTubeでも「精巣腫瘍」などで検索すれば様々な動画が出てくる。


◾︎治験・臨床試験について
治験・臨床試験については臨床研究情報ポータルサイトが参考になると思う。

英語ができる方はアメリカ国立がん研究所のサイトも参照してみてほしい。
http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/clinical-trials


◾︎患者会
精巣腫瘍の患者会として「精巣腫瘍患者友の会 JーTAG」がある。こちらにも様々な情報があるので参考にしてみてほしい。
http://j-tag.jp

リアルな場所としては同患者会の副代表である鈴木信行氏が経営されているみのりカフェhttp://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13054759/や、同氏が運営されている患医ねっと株式会社http://kan-i.netNPO法人患者スピーカーバンクhttp://npoksb.orgがある。

いずれも活動は東京が中心で精巣腫瘍の治療情報があるわけではないが、他のがん種の患者さんたちが集まる場所になっているので機会があればアクセスしてみてほしい。
みのりカフェには私も東京を訪れた際行ってみたが料理も美味しくいい場所だった。


◾︎社会復帰について
がんにからの社会復帰について書かれた書物はあまりなく、どうしていいかわからず戸惑ったが桜井なおみさんの「がんと一緒に働こうー必携CSRハンドブックは良かったと思う。参考にしてみてほしい。


その他、やはり1番役に立つのはリアルの情報なので身の回りにいる医療者やがん相談室の方などにも質問、相談することを忘れなでほしい。


他にも何か有効な情報サイトなどあれば追加更新していくのでコメントなどで知らせてほしい。