2012年9月17日月曜日になり、異常発覚後始めて会社へ出勤しました。

既に巨大腫瘍が発見されていたので、休んでもよかったのかもしれませんが、1人でいるとネガティブな気持ちが勝ってしまいそうだったことと、突然休むのは迷惑をかけると思い、腰痛以外体調不良は特になかったので、普段通り出勤することにしたのです。

土曜日に課長代理と課長の2人には巨大腫瘍が発見されたことを伝えていましたが、トップの部長や、他の同僚たちにはまだ伝えておらず、どのようにして伝えようか考えながら通勤しました。

8時ちょうどくらいに会社に着き、職場へ入りました。まず課長に挨拶し、電話で話した通りの内容を報告しました。「土曜日お電話させていただいた件ですが、腹部に巨大腫瘍が発見されました。写真で見る限りでは握り拳ひとつ分くらいで、縦には腎臓の上から肋骨の下くらいまで伸びているようです。大病院で検査が必要ということで、今日整形外科から◯◯大学病院へ電話してもらって、検査に行ける日程を確認してもらいます。可能な中で1番早い日程で検査へ行かせていただきます。今日整形外科から私の携帯に電話があると思いますので、業務中でも着信があったら、すぐにかけ直して話をさせていただこうと思います。」

そう言うと課長は私を見て、とても心配そうな表情で小さく頷き、私が「今からこのことを副部長と部長に伝えます。」というと、すぐ後ろの副部長と部長の席まで一緒に来てくれ、私が説明するのを一緒に聞いていてくれました。私は副部長と部長に対して、先の説明と同じ説明を繰り返しました。私の話を聞いた上司は一様に驚いた様子で、「わかった。可能な限り早く病院へ行けるようにしなさい。検査の日程が決まれば報告してくれ。」と声をかけてくれました。


そうして、上司への報告が人まず終わって、私は自分の係の席へ行き、キャビネットを出したり、パソコンの電源を入れたりと、始業の準備を始めました。次にあった私の義務は、同じことをこれから出勤してくる係の先輩たちへ伝えることでした。暗くなりすぎないように淡々と伝えようと意識していました。

そして、8時20分ほどになり私が1番お世話になっていた先輩の姿が見えました。「伝えなければ」。私は「おはようございます。ちょっとお伝えしないといけないことがあるんですけれども」と声をかけ「実は、先週の土曜日に体の中に大きな腫瘍があることが発見されまして、、」と努めて不安は表情に出さないようにして伝えました。しかし、その言葉を私が発した途端、先輩の表情は不安と心配が入り混じったものになりました。私が感じていた恐怖そのものを感じ取ってくれたのです。私は、今はとりあえず普通に出勤して仕事をすることや、依然から腰痛があって、おそらくその腫瘍が原因であること、それから今日整形外科から大学病院へ電話してもらいその結果の電話がかかって来るので、業務中であっても電話をとらせてもらうことを話しました。

その後すぐに他の2人の同僚も出勤してき、私はその2人にも同じことを伝えました。

みな驚き不安な様子でした。どう反応したら良いのかわからないといった感じでした。

当然です。私もどう振舞ったらいいのかわからずにいました。

「本当に仕事して大丈夫か」と声をかけていただき、窓口での接客などはやるから大輔さんは後方の事務に集中して安静にしといて、と配慮してくれました。私も疲労感やだるさなどは特になかったのですが、あまりにも腰が痛かった為、窓口の接客応対にはあまり出ずに、後ろで出来ることを中心に仕事をするようにしました。

そうして不安な中開店時間が来て、いつも通り仕事が始まりました。