ある日彼が体調を崩した。
ベッドから起きてこないし、起きているけど返事がない。よっぽど具合が悪いんだろう。
朝ごはん食べれなさそうだよな‥
そう思って私はとりあえずポカリとウィダーインゼリーなど消化の良さそうな物を買いに行った。
「飲めそうだったら、水分とってね」
返事は返ってこなかったけど夫の枕元にそっとポカリを置いた。
辛いんだろうかため息と定期的に熱を測っている音が聞こえてくる。
「大丈夫??お熱?」
朝から話せてないから状態が全くわからない。
結局リビングで大人しくしているしかなかったけれど、15時16時くらいになって心配になって
様子を見に行った。
「大丈夫?なんか持ってこようか?」
携帯をいじりながら横になっていた彼は物凄く不機嫌そうな顔でこっちを見た。
「あのさ、話しかけないで貰える?それが一番の優しさだから。」
「あと俺ポカリよりアクエリアス派」
心がひゅんっとした。
私の家庭ではこうやって具合の悪い人に飲み物を運び定期的に様子を見に行き看病する習慣があって、今回も当たり前のようにそうしていた。
でも彼にとっては迷惑でしかなかったのだ。
夕方になってご機嫌な彼がリビングに入ってきたけれど、私は凄く疲れていた。
思いやりってなんだっけ?
優しさってどういうものだっけ?
色々とわからなくなってきていた。