13日、日本フィルハーモニー交響楽団第141回さいたま定期演奏会が、大宮ソニックシティにて行われました。この演奏会は、筆者にとって2024年最初のオーケストラ鑑賞。また、筆者が1月のさいたま定期にお邪魔するのは2020年以来4年ぶりということもあり、かねてから楽しみにしていました。

 

1月のさいたま定期は、いつもですとドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を中心とする演奏会になることが多いという特徴があります。しかしながら今回は、「新世界より」を昨年11月に取り上げたばかりということもあり、コンサート前半はチャイコフスキー。後半はヨハン・シュトラウス2世の作品とブラームスの作品、更にレスピーギの作品をうまく組み合わせる趣向でした。

川瀬賢太郎さんの指揮で、プログラムは、

 

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より ポロネーズ

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:岡本誠司さん)

ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「ハンガリー万歳」

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「南国のバラ」

レスピーギ:「リュートのための古風な舞曲とアリア」より シチリアーナ

ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲

 

以上の内容です。

チャイコフスキーの2作品は、筆者が会場で聴くのが久々であったため、新鮮さを感じながら楽しみました。ヴァイオリン協奏曲は、ソリストを務めた岡本さんの素晴らしい技巧(特にカデンツァの表現)をじっくり堪能できた点が印象的でした。

後半のプログラムは、普段ですとコンサートオープニングを飾る曲として選ばれる「こうもり」序曲を、コンサートの最後に持ってきた点がユニークに感じられました。

 

プログラムを演奏し終えた後、川瀬さんから挨拶がありました。その中で、後半のプログラムをどういった意図で選んだかの種明かしも披露されました。指揮者自らが「こういった思いがあってこの曲順にしたのですよ」といった話を聞けて、興味深く感じた皆さんも多いことでしょう。最後にアンコールとしてヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」が演奏され、華々しくお開きとなりました。