日本フィルハーモニー交響楽団による第九演奏会2023が、きのう(15日)、大宮ソニックシティで行われました。埼玉第九合唱団(合唱指揮:田尻桂さん)第94回演奏会を兼ねての、ソニックシティ年の瀬おなじみの公演です。

最初にケルビーニの歌劇「アナクレオン」序曲が奏でられ、15分の休憩を挟み、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」が始まるといったプログラムでした。

指揮は広上淳一さん(フレンド・オブ・JPO(芸術顧問))。独唱者は、ソプラノが竹下みず穂さん、メゾソプラノが但馬由香さん、テノールが工藤和真さん、バリトンが池内響さんという顔ぶれでした。

 

フレーズの切り方や、子音の発音等、細かい点も丁寧に意識し、ベートーヴェンが最後の交響曲に込めた思いをホールいっぱいに伝えていたところが印象的でした。独唱者が最前列(指揮者のすぐ傍)で歌うといったステージ配置でしたので、ベートーヴェン自身の言葉によるバリトンのレチタティーヴォが、よりダイレクトに伝わってきました。筆者も4年ぶりの第九公演鑑賞ということもあって、このレチタティーヴォにゾクゾクッときました。

 

なお、きのうのソニックシティ第九では、合唱団は第1楽章からステージにいる。独唱者は第2楽章と第3楽章の間で入場。第4楽章しか出番のないピッコロ、トライアングル、シンバル、バスドラムを担当する日本フィル団員は、独唱者と一緒のタイミングで入場する形でした。

 

日本フィル今年の第九演奏会この後の予定は(日本フィル公式サイトで12/16確認)、きょう(16日)の横浜みなとみらいホール、あす(17日)のサントリーホール開催分は、ソニックシティ第九と同じプログラム。指揮者、独唱者も同じメンバー。合唱団は、きょうの公演が東京音楽大学。あすの公演が日本フィルハーモニー協会合唱団だそうです。

21日からは小林研一郎さん(日本フィル桂冠名誉指揮者)による第九公演が、横浜みなとみらいホールとサントリーホールで1公演ずつ。東京芸術劇場で3公演予定されています。こちらの演奏会は、石丸由佳さんによるオルガン独奏曲3曲と、ベートーヴェンの第九というユニークな構図のプログラムが組まれています。