来年10月には5年に1度のショパンコンクールがあります。このコンクールは開催の頻度からして、ピアニストの道を志している人が一生に1度か、あっても2度までしか受けられない、オール・ショパン・プログラムの国際ピアノコンクールです。


前回(2010年)はショパン生誕200年を祝うコンクールでもあったこと。またユリアンナ・アブデーエワが優勝したことでマルタ・アルゲリッチ以来の女性ピアニストが1位を獲得したコンクールでもあり、音楽ファンや関係者にとっても記憶に新しいものです。


来年のコンクールは1985年(昭和60年)から1999年(平成11年)生まれのピアニストが参加資格を有しています(公式サイト)。昭和生まれの人(20代後半世代)は年齢制限の上限により、来年がおそらく最後のチャンスになるかもしれないので、ぜひ自分のショパン解釈(あるいは演奏)を本場で評価してもらいたいというピアニストも多いことでしょうね。申し込みは今月1日(消印有効)で締め切られたので、今後予備審査を経て発表される本番への参加者の顔ぶれが楽しみです。


演奏される曲目は、


〈1次予選〉

エチュード2曲、ノクターン類(☆1)1曲、バラード類(☆2)1曲。


〈2次予選〉

バラード類(☆3)1曲、ワルツ1曲、ポロネーズ1曲+任意のショパン作品1曲以上。


〈3次予選〉

マズルカ1曲集(☆4)、ソナタ類1曲(☆5)+任意のショパン作品1曲以上。


〈本選〉

ピアノ協奏曲第1番、同第2番のいずれか。


という内容で、大きく変わっている点は3次予選でソナタを弾かなくてもよくなることくらいです。



☆1 ノクターンのほか、エチュード作品10-3、10-6、25-7も選択できる。ちなみに10-3は「別れの曲」のこと。


☆2 4曲のバラード、4曲のスケルツォ、バルカロール(舟歌)、ファンタジー(幻想曲)から選択。


☆3 ☆2に、幻想ポロネーズを加えた11曲から1曲選択。1次予選との重複不可。1次でスケルツォを弾いた場合、2次で別のスケルツォは選べない。


☆4 マズルカはほかと違い指定の曲集から1曲集選び、その全体を弾くというもの。よって選んだ曲集が「4つのマズルカ」だったら4曲、「3つのマズルカ」だったら3曲弾くことになる。


☆5 ソナタ第2番(第3楽章が「葬送行進曲」)、同第3番(これまでも当ブログで触れた「ソファレシファ」で始まる曲)、プレリュード作品28全曲が選択肢。