鎌津間ブログ -7ページ目

やたらと日本国頒布禁止表示してある邦楽CDについて

  趣味の問題2さんによると、ソウルのレコードショップにRIAJのリストに載っていない「日本国内頒布禁止」と印刷された邦楽CDがゾロゾロあるという。

 

 趣味の問題2さんが懸念するように、こんな表示のあるCDを日本に持ってきたら皆違法なものだと誤解するだろう。レンタル禁止期間表示みたいだし。きっと私は誤解する。

 そもそも現地でさえ「日本国内頒布禁止」表示を消費者に示す必要ないんじゃないのか。買ったCDをどこで売ろうが消費者の勝手で輸入権の及ぶ範囲ではないのだから。つか権利消尽してる。

 

 誤解を与える目的で表示しています、ということか。

 

 昔、並行輸入禁止条項を入れた原盤ライセンスを現地レコード会社と結んだら卸業者が並行輸入しやがった、という日本のレコード会社にとっては不愉快な、現地卸業者にとっては愉快な経験から輸入権は創設されたはずだ。消費者は関係ない。

 

 ついでに、例えば邦楽中古CDを日本に持ってくると毎度税関で止められる、なんて事態が多発して、商売の邪魔しやがって+心が深く傷ついたと中古業者から損害賠償請求される心配とかないですかレコード会社は。どうやって選別しますか税関職員。何より、そんなときの損害は誰が負担するのだろうか。

 

中国の商標をスライドショーで ~ その3 ~

さすが世界一、枚数が多いので今日も続きを。

 

中国商標公告第971期(公告日2005年4月14日)

301頁~350頁は、ここで

351頁~400頁は、ここで

401頁~450頁は、ここで

 

ご関心のある方はどうぞご覧下さいませ。ちなみに、異議申立ては2005年7月13日までだそうです。

 

尚、これは中国商標局が発行し公開したもので、ここで入手することができます。大変便利なサービスです。

 

中国の商標をスライドショーで ~ その2 ~

昨日に引き続き、最新の中国商標情報を。

 

中国商標公告第971期(公告日2005年4月14日)

151頁~200頁は、ここで

201頁~250頁は、ここで

251頁~300頁は、ここで

 

ご関心のある方はどうぞご覧下さいませ。ちなみに、異議申立ては2005年7月13日までだそうです。

 

尚、これは中国商標局が発行し公開したもので、ここで入手することができます。大変便利なサービスです。

 

中国の商標をスライドショーで

 中国の商標登録件数は米国を抜いて世界一なのは に書きましたが、ではどんな企業が進出しているのか、どんな商標が登録されるのか、また中国へ進出する際に自らが侵害者にならないようにチェックせねば、と思いスライドショーにしてみました。

 

 中国商標公告第971期(公告日2005年4月14日)

 1頁~50頁は、ここで

 51頁~101頁は、ここで

 102頁~150頁は、ここで

 

 ご関心のある方はどうぞご覧下さいませ。ちなみに、異議申立ては2005年7月13日までだそうです。

 

 尚、これは中国商標局が発行し公開したもので、ここで入手することができます。大変便利なサービスです。

 

Winny事件すっと解決のために

 「不特定の者に対する幇助」が従犯の一類型から除外できれば、Winny開発者事件なども、すっと解決しそうなのですが、いかがなものでしょうか。

 と、BENLIさんは述べられてました。が、文献ではそのことに触れられていないんですね。

 

 団藤重光著「刑法綱要総論 第3版」412頁(創文社・1990年)でも、不特定の者に対する幇助が従犯として成立するのかについての記述はなかったし。

 ただ、教唆が特定の者でなく「不特定の者に対するときはせん動の範疇に入るであろう」(同409頁)と述べられていることから考えると、幇助が不特定の者に対するときは...どの範疇にも入らなくなる気はします。なんとなく。

 

 むしろ、せん動と言った方が一般人としては分かり易いのですが。こっちだと立証が難しいとかあるのでしょうか。不特定(しかも多数)の者に対する幇助ってイメージしづらい。昔で言えば徴兵逃れの手助けみたいなイメージなのだろうか。

 

せっかくなので、産業の発達 vs. 文化の発展

 前の「商標権vs.著作権」に気の利いたコメントを頂きました。

 

曰く、産業の発達 vs. 文化の発展

 

 そうそう、おっしゃる通り。ついでにこれ著作権の中でも起きてる感じ。

 

 電話帳やプログラムが著作物ってどうなのか。タウンページで「文化の発展」ですか。オブジェクトコードが「文化の発展」へと繋がって見えますかと。そういう学者泣かせな問題が出てきて幾年月。「文化の発展」っぽくないけど著作権法で保護しましょ、と何となく過ごしてきたここ20年が近頃は駄目っぽい。

 

 それは著作権法制の中で「産業の発達」と「文化の発展」が同居している現状がありながら権利強化・拡大の根拠を全面的に文化で語ろうとする、その空々しさにあるのかも知れません。輸入権の目的なんて「文化の発展」つか「レコード産業の発達」って皆思っているし。
 「海賊版はけしからん」と言ったところで「だって正規版売ってねーじゃん」という事情もあったことだし。文化交流のために頑張ってきますとは映らない。

 

 改正が日常茶飯事な著作権法ですが1条の法目的を改正するのもアレなので悩ましい。そんな感じなのでしょうか。
 それにしても、もう少し上手な説明てできないんでしょうかねえ、レコード会社は。

 

商標権 vs. 著作権

 商標権と著作権どっちが強いのだろうか。巷ではこんなバトルやっていないのか。商標権vs.商号だったら聞いたことがあるが、著作権との戦いは身近では聞かない。権利の内容が全然違うと言われれば、それはそうなんですけど。

 

 日本の商標法は29条で他人の著作権と抵触するときは商標使っちゃダメと書いてある。つまり、絵画などの著作物を含んだマークは商標登録しててもその著作権者に無断では使えない。そういう事だろう。

 中国の商標法も見てみたけれど、似たような規定はちょっと見付からなかった。あるのかも知れないけど。

 

 さて、このBlogでも再三登場する中国駐在のクレヨンしんちゃん、あれ「蝋筆小新」で商標登録って報道でしたが、思いっきりイラスト入ってまっせ商品に。双葉社は商標権侵害で売り場から撤去させられた。だったら相手側だって著作権侵害で撤去ってなりそうですが。ならないんですかね。どんな事情があるんでしょうねえ。

 

 未来形でもう一つ。このところ自虐的な日本のレコード会社が更なるバッシングを受けつつ創設した輸入権。心置きなくアジア進出、と行ってみたら既に他人がタイトル全部を商標登録済み。って事態も机上で考えられるんじゃないすか。日本の音楽CD、商標権侵害でレコード店から撤去。って空論ですけど。

 

商標の隠れ技

 中国公安部が商標権侵害の検挙例を発表。そこにトヨタと日産が入っていたという。特に驚くことはない。それなら、YAMAHAとHONDAが遭った商標権侵害はスクーターの他にキーボードがあったそうだ。そう、HONDAのキーボード。これは新鮮だ。楽器で競合させる気か模倣品業者は。本家のHONDA自身も驚きだろう。というか笑える。

 

 しかし、HONDA並みの知名度がない場合笑ってばかりもいられない。誰かの登録商標とマークが似てて商品も似ていたら商標権侵害。もちろん同じでも商標権侵害。でもマークが同じで商品が似ていなかったら侵害でないし商標登録できる可能性もある。つまり、HONDAに知名度がないと仮定するとロゴ付きキーボードは侵害品でもなんでもないのだ。堂々と売ってよし。その上、商標登録すれば本家はキーボードにロゴ付け禁止&文句も言えない。多分。「HONGDA」とかしてる場合じゃない。商品が違うとはいえ他人に同じロゴを登録され使用されるおそれがある。あるんじゃないかな。

 

 これは中国に限らない。たまたま記事が中国であっただけで、どこの国でも想定できるはずだ。では予防できるのか。余計に料金払って作りもしない商品まで全部登録すればよいのか。いや、下手すると料金が45倍だ。高過ぎる。それに使用主義を採る国ではこの手も使えない。はて、どう対処したらよいのだろうか。

 

与野党問わずJASRAC問題

 民主党の川内博史議員によると、JASRACに問題があると思っている議員が与野党問わず大半という。議員さんの立場だとNHKや民放各社との包括契約あたりも問題になってるのでしょうか。

 JASRAC問題といえば古賀財団への77億円無利子融資事件を思い出す。事件はその後どうなったんでしたっけ知事。そうそう、リクルー...まあいいか。


 最近では、著作権使用料の不正な受取りをなくす為にJASRACが作者不詳曲のCDを管理・監視を強化するという報道がありました。さて、コンサートや音楽発表会で日本以外の楽曲を使用してもJASRACは使用料徴収しているはずですが、では、そこで演奏された楽曲名や作曲家、そしてその国籍や管理団体委託の有無、委託の場合はその団体とJASRACとは契約関係があるのか、きちんと把握して徴収しているんでしょうな。でないと権限ないのに著作権使用料不正受取疑惑でJASRACインフォメーションデスクに行かねばならない。JASRAC怪しいみたいて。そんな突っ込みを受けそうです。

 

 と、いちいち問題があるもののJASRACの集金能力で作曲家や作詞家が潤っているのもまた事実でしょう。徴収と分配に問題があるにせよ。もし彼らが集金しなくなったら長者番付から音楽家が消えていくかも知れないし。ちなみに、私が知るJASRAC職員はよく勉強しているし問題の在処も分かっているみたい。それでもなかなか減りませんね山積してる問題は。

 

 プラーゲ対策として設立されたJASRACの行政や政治との関わり方が今後変わっていくのかどうなのか、その辺が見ものですかね。

これは中国の知財戦略か

 実用新案・意匠・商標の申請件数、中国が世界一になったそうである。まあ中国では実用新案と意匠は無審査で権利が取得できるしな、と思って調べてみたら商標の登録件数は1996年に既に米国を抜いて世界一だった。また中国国家知的産権局の陳玉娥さんによると就任当時7名だった特許審査官が現在は1,000名に上るというし、なんともすごい勢いである。

 

 そこで少し気になることがある。中国では偽ブランド品などの侵害品対策として税関が輸入にくわえ輸出も取り締まっているが、世界一を誇る莫大な数の権利を根拠として中国で生産される製品の多くが税関で止めらてしまう、なんてね。無審査で取得できる権利もあるわけだし。なんと言うか合法的な軟禁状態。このような事態が起こったら中国へ進出した外国企業は大変である。否、むしろ外国企業に対し積極的に中国からの輸出を止めてしまおう、なんて考える人はいないのだろうか。妄想だけど。

 

 もし、中国政府が推進する知的財産権保護政策の意がそこにあったとしたら日・米・欧の三極に対する巧い戦略だと思うのだがどんなもんでしょうか。周りの国々は「中国はもっと知的財産を保護しろ」なんて急かしてくるし、国益に適っているし。

 

 中国に駐在するクレヨンしんちゃんも日本へ帰ってこれないのだろうか。