鎌津間ブログ -4ページ目
2005-06-01 23:46:40

ダウンロード規制をめぐる不思議な議論

テーマ:コラム

ダウンロード行為に対して、なんらかの抑止力をもった条文を作るべきではないだろうか。今のままでは、ユーザーが自分の行為の違法性を分からないまま、著作権侵害を犯してしまう事態も想像される


 報道による と、昨日、文化庁の文化審議会著作権分科会国際小委員会ではこんな議論がされていたようです。きっと委員はみんな真面目に議論していたに違いない。でも、何か可笑しい。


 ファイルのダウンロード行為が「今のままでは」違法ではないので立法して違法としよう、という話のようだが、その理由として「違法性を分からないまま、著作権侵害を犯してしまう」今の現状を挙げている。誰の発言かは知りませんが、この愛嬌あるボケにツッコミ入れる委員は居なかったのだろうか。つか同調でしたか委員一同。また、こんなのも載っていました。


音楽配信サイトの中には著作権者の許諾なしで配信を行っているサイトが複数存在しており、ユーザーが知らずのうちに著作権侵害の一助を担ってしまう可能性も否定できない。


 「ユーザーが知らずのうちに著作権侵害の一助を担ってしまう可能性」って何だろう。著作権者の許諾ありで配信を行っている場合とどこか違うのか。いずれの場合でもユーザーがその後ファイルを送信可能状態すれば違法だと思うのだが。違法サイトからダウンロードした場合はユーザーだって違法だと言いたいのだろうか。


 しかし、今の法律では上りは違法だが下りは違法ではない筈。そもそもダウンロードが著作権侵害だと言うならわざわざ立法してダウンロード規制する必要がない訳でツッコミ。ユーザーが送信可能状態にすれば、それ現行法でも違法な訳でツッコミ。アップロード規制が分からない人でもダウンロード規制なら分かるのですか、でツッコミ。残るは、ユーザーが気付かずに自らダウンロードしてしまう場合か。そんなのあるか。ま、本人の意思でなく勝手にダウンロードさせられる場合とかあるかも知れませんが、それを違法にされても困ってしまうし。


 委員の方々も色々と大変でしょうが、こんな立法されても大変です。

2005-05-27 21:56:38

知財保護に配慮しろ、とは言うものの

テーマ:コラム

 昨年、知財保護に対する国民意識の向上(資料PDF )を目指して、消費者基本法 が改正されました。そして、その7条2項で「消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。」と規定する。そうですか。


 まあ、有名ブランドに関しては配慮することはできるでしょう。しかし、登録された商標は2003年だけでも108,568件(資料PDF )ある。これら全てに配慮しろなんて酷、というか無理な話だ。これが著作権になると公報も無いし国境跨ぐし、更に無理そうだ。有名なものだけ配慮してね、と言うことなのか。それにしたって、文化庁がやっちまう くらいだから。反対に、著名な作曲家服部克久氏の「記念樹」に著作権がなかったり。もし服部氏から許諾を受けて使用していたなら小林亜星氏に対して侵害してたって事になるのじゃないか、配慮してたのに。人間関係まで配慮しろ、とでも言いますか。


 はてさて、 一般消費者に課せられてる配慮って何なのだろうか。と、今回の文化庁並びに著作権情報センターのしくじりを読んでいたら思い出した。そして、文化庁はアイコンが著作物にあたるか否かについて「判定するのは裁判所であり、文化庁には権限がない」と言うのだから。だから一般消費者のする配慮って何さ。

2005-05-25 00:56:37

斜陽産業の順番

テーマ:コラム

 今回のレッシグ教授のコラム が面白い。例えば、このくだり。


これは断言できる:クリエイティブ・コモンズが可能にする露出よりも、獲得したレコーディング契約に怒りを感じているアーティストのほうが遙かに多くいるのだ。


 そういやプリンス も苦労してましたし。 でも今後はどうだろう。例えば、日本ではテレビ局が放送で音楽レコードを使用する場合、各権利者団体へ使用料を払っているため好き放題に使っている。しかし、著作権法が定義する商業用レコードではない音源になったら使えなくなるかも。そして、使用する際にはレコード協会芸団協 を通さずに直接使用料を徴収できるかも。とか、色々と面白いことが考えられそうだ。


 池田信夫さん が指摘するように、テレビの登場により日本映画が斜陽産業となった歴史は繰り返されるのかもしれない。さてさて斜陽産業、お次は誰の番だろうか。

2005-05-23 22:25:07

知財ブームな割を食う

テーマ:コラム

 特許庁が佐賀県の商標登録申請「ファミリーツーリズム」を却下、てな報道 がありました。読むと、拒絶理由通知書が届いた、というだけの話。県は、「ネイチャーツーリズム」や「ウェルカムツーリズム」が登録されてんのに「納得しがたい」と言う。まあ気持ちは分かりますけど。


 ただ、あっちがイイならこっちもイイでしょ、は通りづらいんじゃないのかな。こっちがダメならあっちもダメでしょ、は通りやすいだろうけど。


 それより、ちょっと気になったのは「拒否の具体的な理由が明確でないため、特許に詳しい弁理士に相談した上で今後の対応を決める」と言うが、佐賀県にいる弁理士は3人だけ。3択ですか。東京の3774人と比べると大きな差だ。知財ブームな割には地方は割を食っている、かも。そんな厳しい環境だったんですねえ。

2005-05-21 23:47:48

著作権の繰越残高

テーマ:コラム

 前回、著作権法で保護され得る人の多さにビックリしたので、今回は時間的な長さでも考えてみよかと思います。さて、日本では著作権の保護期間は創作の時から死後50年まで って事になってます。今のところ。


 前回に倣って、今日、日記を書いたとして、その人が現在15歳で寿命が85歳と仮定すると、その著作権は自動的に2125年まで休むことなく保護される。120年後の社会なんぞ想像もできませんが、そういう事になっている。22世紀て、ドラえもん誕生しますし。とにかく、そんな先の時代の人にまで今日の日記の著作権が主張できるなんて、ロマンだ。今から120年前を振り返ってみると、伊藤博文が総理大臣になった年だ(1885年・明治18年)。伊藤博文だって現在の社会は想像もできなかったろう。120年という年月はやっぱり長い。


 22世紀の裁判所で今日書かれた日記の著作権侵害事件が提起され得る、なんて嘘みたいな話ですが。しかも、その日記は人生85年(およそ3万日)の中のたった1日分の著作物。前回も触れましたが、著作物を公表し保存するのが容易になったのだから、保護期間を短縮するなら合点する。収拾つかなくなりそうだから。しかし反対に延長の方向に進もうだなんて、勇敢っぽいけど無謀っぽい。いや、勇敢に著作権法制を崩壊させる心積もりなのか。


 さっきは15歳を仮定しましたが、現在5歳児が絵とか描いたなら2135年まで保護される(寿命85歳で)。ついでに、著作権保護期間を死後70年に延長したとしたら2155年になる計算だ。2155年て、ドラえもん43歳。やれるものなら、やってもらおう。そんな哄笑を禁じ得ません。

2005-05-19 19:18:37

著作権制度の壮大な野望

テーマ:コラム

 前の文化庁著作権課長の岡本薫さんは、よく「一億総クリエーター、一億総ユーザー」という事を仰っていました。確かに多くの人が(私のような人間でさえ)著作物を生み出し、公表することも保存することも容易になったのだから、著作権を考えると大変な時代だな、て思います。しかもベクトルは過度に保護する方を向いてるし。


 さて、日本のブロガー人口は200万人を超えた とか言われます。仮に今日みんなが日記なりを書いたとすると、それだけで200万もの著作権誕生ですか。1年間毎日書き続けたら7億3000万。乱暴な計算ですけど。そして、著作権法で保護されるのはなにも日本国内に限らない。条約で結ばれた国同士みんな仲良く保護、建前上はそういう事になっている。


 人口時計による と今日現在の世界の人口は、およそ64億4240万人。そして著作権に関連する条約のいずれにも加盟していない国の人口は、外務省にあった数字 から大雑把に計算すると、アフガニスタン(2510万人)、シリア・アラブ共和国(1800万人)、コモロ連合(60万人)、キリバス共和国(9.5万人)、ツバル(1.09万人)、ナウル共和国(1.6万人)、バヌアツ共和国(20万人)、マーシャル諸島共和国(5.25万人)、で合計4407万400人。


 つまり、著作権法の保護を受け得る人口はざっくり64億人。まあ、実際みんなが日記を書くわけも無いだろうが、詩やエッセーや論文、絵とか写真、作曲やら演劇やら、種類はまだまだあるわけで。岡本前著作権課長が言っていた一億は控え目で、実際はケタが一つ違うのだろう。理屈では。

 

 (現実的にはそれ程ではないにせよ)これほど莫大な数の著作者が、数多ある著作物ごとに、各々著作権という排他的権利を持ち、無断の複製は許さないとか同一性を保持しろとか言うのだから、著作権制度が抱く野望は壮大だ。もし、著作権保護強化路線に則って一々争うようにでもなったら裁判所は大忙しだ。つか収拾つかんでしょ、普通に考えて。

2005-05-17 23:29:49

どん詰まりな知的財産戦略

テーマ:コラム

 相澤英孝教授は、コラム「知的財産戦略の行方」 の中で、


知的財産法の検討に当たって、社会全体、法体系全体とのバランスなどを考慮することが疎かになった。

 

 と述べて、政府の知的財産戦略会議の混乱ぶりを指摘し、その象徴である知的財産高等裁判所を糾弾する。なんとも清々しいコラムだ。確かにあの混乱ぶりは殆ど冗談に近かったとさえ思う。そんな渦中にあって東京大学の中山信弘教授が孤軍奮闘している印象が強かったが、結果的にはスルーされっぱなしだったし。いやはや残念。


 また、相澤教授はこうも述べる。


問題は、ブームが技術革新によって知的財産法が直面している課題を解決しないうちにブームが終わってしまったというところにある。


 総括すると、知的財産戦略会議って何が目的だったんだという徒労感と、今後も続くであろう副作用だけを残していった。と言ったら言い過ぎだろうか。


 かつて内外人平等の原則と方法の発明を打ち立てた英国や微生物の発明などを創設した米国のような戦略を私は想像し期待していたのだが、期待する方が間違いだった、とは言えそうだ。

2005-05-15 02:03:08

著作者不在で著作物大量生産

テーマ:コラム

 巨匠ピカソも所有していたとされるチンパンジー(名前はコンゴ)が描いた絵画が英国でオークションに、というニュース がありました。落札予想価格は日本円でおよそ12万円~16万円。このように立派に値がつく作品であっても、これ著作権がありません、よね。それも最初から。だからどうした、という話ではありますがちょっと膨らませて考えてみたい。


 著作権法上、チンパンジーは著作者になれない。そう、人間を前提にしているからだ。では、コンピュータがつくり出した作品ではどうなるのか。かつて翻訳ソフトで問題になったと思うのですが・・・ちょっと資料が見付からず、記憶もちょっと曖昧。仕方ないので、とりあえず著作権が発生しないと仮定して考えてみる。


 もしコンピュータが作詞や作曲する作品に著作権が発生しないのであれば、それらは皆が自由に使える訳で、ちょっと面白いかも、て思う。既にやってる人達いるのかも知れませんが。確か作詞家の山口洋子さんがヒット曲でよく使われる言葉を集めて作詞したらやっぱりヒットした、なんて話もあったし。作曲の方ならもっと容易に膨大な量のパターンがつくれそう。言語を選ばないですし。


 例えば、ブルースとか定型のコード進行がある場合。(まあジャズでビバップの人達とかだと相当ややこしいでしょうが)12小節を12なり24なり縦に分割して、♪(8分音符)だけを使った7thコードのフレーズと、それらを12小節に合体させたあらゆるパターンをつくる。なんてね。コンピュータ得意っぽいし。すると、ブルースのテーマを作曲する人は、どうやってもコンピュータ作曲のどれかと同じになってしまう。なってしまったらゴメンナサイJASRAC。ま、この場合♪(8分音符)限定ですから。でも、案外演歌では現実味あったりして。いや、他も結構いけるかも。まずはコード進行のあらゆるパターンから、なんて。


 いくら苦悩して作曲しても常にコンピュータ作曲が先取りしてる。しかも機械的に組み合わせたパターン。なんて事態になったらJASRACはおろか作曲家の皆さんは怒るだろう。死活問題だ。ただ、例えば7thコードばかりを使うブルースというスタイルを作った人達には著作権法上の排他的権利はなく、皆は自由に無料で使っているわけで。使うスケールにしたって誰かが始めたものを真似ている。でも、それを始めた人に著作権法上の排他的権利はない。当り前の話だが、こうして過去の遺産に乗っかって自分の作品は出来上がる。それでもその作品には著作権法上の排他的権利が与えられる訳だ。この辺のバランスが今後どのような崩れ方をするのかが大変に興味深い。総てが崩れそうに見えるから。そうしたら作曲家はやってられないだろうし、音楽産業としても辛そうだ。近年の権利強化・拡大路線が悪あがきと化すやも知れん。いや、むしろ権利強化・拡大路線こそが寝ている虎の目覚まし役なのかも知れない。なんて考え膨らみ過ぎですか。


 ところで、翻訳ソフトの著作権って何だったっけ。

2005-05-11 22:19:56

創作インセンティブと創作料理

テーマ:コラム

 以前に、

文化っぽくないけど著作権法で保護される 話題を取り上げたので、

 今回は、

文化だけど著作権法で保護されないっぽい話でも。


 そこで食文化。食が文化であることに恐らく異論はないと思う。はて、著作権法は文化の発展に寄与することを目的に掲げていますが、その中に食文化は列挙されていない。で、もしも食文化が著作権法で保護されていたら。なんて昔あったドリフのシリーズみたいな空想をしていました昨日。


 ・ レシピ本を買ってきても無断で真似て料理したら複製権侵害。

 ・ 許諾を得ても写真とそっくりに完成できなければ人格権侵害。

 ・ 勿論、中華風とかインド風とかアレンジしたら翻案権侵害。


 特に外食産業の皆様、Gメンが伺いますので使用料の支払い宜しく。模倣が蔓延ると料理人の創作インセンティブが削がれますので。創作料理はその料理人の排他的権利です。著作権の切れてる伝統料理ならパブリックドメインですから勝手にどうぞ。これで食文化が発展すること間違いなし。

 なんてね。真似られることのない創作料理。それってどうなのか、皆にとって。という空想もしもシリーズ。


 著作権法が文化の発展を妨げる、とまでは思わないけれど、著作権法がなければ文化は発展しない、とは言えない事は確認できたかなと思う。こんないい加減な空想で。しかし、現実はこれに負けないいい加減さで新たな権利が立法されてやしないだろうか。


 とりあえず、食文化が著作権法で保護されてなくて何よりです。料理人も料理店も絶滅しそうにないですし。

2005-05-10 23:56:04

レシピをメモして著作権侵害て番組

テーマ:コラム

 食文化と著作権法について少し考えていたら、なんか前に見たフジテレビのザ・ジャッジ という番組を思い出してしまった。


 2002年3月15日放送のなかで、ある主婦が本屋に立ち寄り我が家の献立の参考にと雑誌に載っていたレシピを暗記して本屋を出てからメモをとった。さて、著作権侵害になるか、ならないのか。(という架空の設定)

 で、結果は侵害。て事になっていた。なんか出演の弁護士大上段に諭してるし。馬鹿ですか。なんて抗議が番組HPに多く投稿されていたのを思い出す。コピー機を使ったのでもなく、デジカメで撮ったのでもなく、単にメモしただけなのに。それも我が家の晩飯用。

 料理番組で紹介するレシピ、あれ全部著作物でしたか。するってえと、温泉にある効能とか書いてある板、あれも著作物だったりしますか。許諾を得ないとメモ禁止ですか。なんて番組見ながら笑わせてもらいました。が、私の知る限り番組は何の訂正もしてないの。もしかして・・・。


 ということで、本題の食文化と著作権法はまた明日にでも。

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