虐待を受けた子どもは発育が遅れることが多くみられます。
十分な食事や栄養が与えられないため発育不良には当然なるのですが、保護されて栄養が十分に与えられるようになっても、発育が十分になされないことも少なくないといわれています。
これは、幼いころから虐待を受け続け、養育者から愛情を注がれなかった心理的影響が発育面にも影響を及ぼすからだともいわれています。
頭を殴打される、強く揺さぶられるといった頭部への外傷を加えられることにより、脳や神経系に障害が加えられた結果、知的障害になることは多くあります。
そのような傷害を加えられなかった場合でも、親から虐待を受け続けたことによる心理的な影響や、発達に不可欠な幼少期の好奇心を満たす「遊び」が暴力的に抑圧されるため、知的な発達が遅れると言われています。
虐待を生き延びた場合にも、適切な治療を受けない場合、生涯にわたり心に大きな問題が残ります。
虐待に限りませんが、非常に強いショックを受けた場合には、その後も心に傷が生じることが多くあります。幼少期に虐待を長期間受け続けた場合には、それが非常に大きな問題となり、様々な症状として現れます。
・虐待されたことを繰り返し突然に思いだし、苦痛を感じる(侵入性症状群)
・虐待に関連する事項、人、活動などを回避し、記憶が抜け落ちる(解離性健忘)やまるで別人になってしまったかのようにふるまうという(解離性同一性障害)など(回避・麻痺性症状群)
・ささいな刺激で非常に激しい怒りを持ち、その怒りを暴力的衝動や破壊的行動で表現したり、あるいは自分自身の体を傷つける自傷行に走ったりするなど(過覚醒症状群)
人は生まれてから数年間で、親から愛され慈しみを受けて育てられることにより、人や社会一般に対して基本的な信頼関係を持ち、自分に自信を持つことができると言われています。
幼少期に虐待を受け続けた場合には、人や社会に対して信頼関係を持てず、自分に自信を持つこともできず、繰り返し親から「お前は悪い子だ、だめな子だ」といわれ続けた影響も受け、劣等感や無力感を持ち、自分に対する評価が低くなってしまう。
俗に言う自己肯定感の低いと言われる子どもたちがでてきてしまうのです。
[良好な人間関係を作ることが困難に]
最も愛されるべき親から愛されず、逆に虐待を受け続けた結果、人を信用することができず、うまく周囲の人と人間関係を作っていくことが困難になることが多いといわれています。
特に、「虐待関係の反復傾向」が生じることがあると言われています。これは、虐待を受けた子どもが虐待した親以外の大人に対しても挑発的態度や反抗的態度をとり神経を逆なでさせ自ら「虐待的関係」を引き起こしてしまう傾向をいいます。
その理由として、虐待を受けた子どもは虐待的関係以外の大人とのかかわりあいを知らないという事情やそのような行動を繰り返すことによって虐待というショックを和らげるようとしているのではないかと考えられます。
[強い攻撃性をもつことがある]
虐待を受け続けた子どもはそうでない子どもに比べ強い攻撃性を持つことがあります。これは心理的に2つの理由があると言われています。
・親との同一化
虐待された子どもは親からの暴力に対して無力感や絶望感を強くもつようになってしまいます。それを克服するために、自分を虐待した親と同一化し、暴力をふるうようになってしまうということが考えられます。
・解決方法の学習
親が子どもに対して殴るなどの虐待行為を行うのは、トラブルの解決方法として暴力をふるうという面があります。虐待を受けた子どもは親からトラブルの解決方法として暴力をふるうということを学習しており、それを自分も利用するようになってしまうということが考えられます。
ザッとあげてこれらのような影響が子どもに及ぶことがわかっています。
子どもは脳が未発達な段階にあります。
その子どもの脳に悪影響を及ぼすことは、その子の一生にかかわる傷をつけることにあたります。
未熟な子ども、なにもわからない子ども、甘えたくて仕方がない子ども、障害をもつ子ども、いろんな子どもがいます。
育てにくい子どもも中にはいるでしょう。そんな子どもだとしても、虐待されていい子どもなんて1人もいません。
常に、子育ては親自身を成長させてくれる素晴らしい機会だということを理解しておきたいですね(*^^*)