おはようございます!
今日は鈴木秀子さんの『自分の花を精いっぱい咲かせる生き方』より引用させてもらいます。
これを読むと、中学生の2人のお子さんから勇気がもらえます。
ちょっと長くなりますが、お時間ある方は読んでみてください。
みっちゃんは中学に入って間もなく白血病を発症し、入院と退院を繰り返しながら、厳しい放射線治療に耐えていました。
家族で励まし合って治療を続けていましたが、間もなくするとみっちゃんの頭髪は薬の副作用ですべて抜け落ちてしまうのです。
それでもみっちゃんは少し体調がよくなると、
「学校に行きたい」
と言いました。
不憫に思った医師は家族にカツラの購入を勧め、みっちゃんはそれを着用して通学するようになりました。
ところが、こういうことにすぐに敏感に気づく子供たちがいます。
皆の面前で後ろからカツラを引っ張ったり、取り囲んで
「カツラ、カツラ」
「つるつる頭」
と囃し立てたり、ばい菌がうつると靴を隠したり、悲しいいじめが始まりました。
担任の先生が注意すればするほど、いじめはますますエスカレートしていきました。
見かねた両親は
「辛かったら、行かなくてもいいんだよ」
と言うのですが、みっちゃんは挫けることなく毎日学校に足を運びました。
死後の世界がいかに素晴らしいかを聞いていたみっちゃんにとっては、死は少しも怖くありませんでした。
反対に亡くなったお祖父さんと再会できるのが楽しみだとさえ思っていました。
しかし、何より辛いことがありました。
それは、かけがえのない友だちを失うことだったのです。
辛いいじめの中でも頑張って学校に通ったのは
「友だちを失いたくない」
という一心からでした。
2学期になると、クラスに一人の男の子が転校してきました。
その男の子は義足で、歩こうとすると体が不自然に曲がってしまうのです。
この子もまた、いじめっ子たちの絶好のターゲットでした。
ある昼休み、いじめっ子のボスが、その歩き方を真似ながら、ニタニタと笑って男の子に近づいていきました。
またいじめられる。誰もがそう思ったはずです。
ところが、男の子はいじめっ子の右腕をグッと掴み、自分の左腕と組んで並んで立ったのです。
そして
「お弁当は食べないで一時間、 一緒に校庭を歩こう」。
毅然とした態度でそのように言うと、いじめっ子を校庭に連れ出し、腕を組んで歩き始めました。
クラスの仲間は何事が起きたのかとしばらくは呆然としていましたが、やがて一人、二人と外に出て、ゾロゾロと後について歩くようになったのです。
男の子は不自由な足を一歩踏み出すごとに「ありがとうございます」と感謝の言葉を口にしていました。
その声が、仲間から仲間へと伝わり、まるで大合唱のようになりました。
みっちゃんは黙って教室の窓からこの感動的な様子を見ていました。
次の日、みっちゃんはいつも学校まで車で送ってくれる両親と校門の前で別れた直後、なぜかすぐに車に駆け寄ってきました。
そして着けていたカツラを車内に投げ入れると、そのまま学校に向かったのです。
教室に入ると、皆の視線が一斉にみっちゃんに集まりました。
しかし、ありのままの自分をさらす堂々とした姿勢に圧倒されたのでしょうか、いじめっ子たちは後ずさりするばかりで、囃し立てる者は誰もいませんでした。
「ありがとう。あなたの勇気のおかげで、自分を隠したり、カムフラージュして生きることの惨めさが分かったよ」。
みっちゃんは晴れやかな笑顔で何度も義足の男の子に御礼を言いました。
しばらくすると、クラスに変化が見られ始めました。
みっちゃんと足の不自由な男の子を中心として、静かで穏やかな人間関係が築かれていったのです。
みっちゃんに死が訪れたのはその年のクリスマス前でした。
息を引き取る直前、みっちゃんは静かに話しました。
「私は二学期になってから、とても幸せだった。あんなにたくさんの友だちに恵まれ、あんなに楽しい時間を過ごせたことは本当の宝でした」と。
「○○ができない…」、「□□が足りない…」
そんなことを言わずに素のままで生きている2人の中学生。
僕自身、とても勇気をもらいました。
常に前を向いて堂々と進んでいきたいと思います。
今日も最幸の一日をお過ごしください!

