敏腕編集長のアイデアの出し方
【「小寺裕樹のネクストクリエイティブ」レポートvol.3】
このブログ記事は、2018年7月16日に放送された
「小寺裕樹のネクストクリエイティブ-超・編集力のヒント-」
のレポートです。
第3回目となる今回のテーマはこちら。
<小寺編集長流、アイデアの出し方>
・小寺裕樹/番組キャスター
大学卒業後、大手IT商社を経て出版業界へ。フォレスト出版にて4年半、販促の最前線で活躍後、きずな出版へ移籍。著者の才能を言語化し、売り方までデザインする編集テクニックで、手掛けた作品は業界平均(※)を大幅に上回る約7割が重版となる。新人著者から大御所まで数多くのベストセラーを送り出す。2017年6月、当時31歳の若さで編集長に就任。その後は、書籍編集者としての枠を拡張し、毎月500名を超えるリアルイベントの主催をはじめる。2018年4月にオンラインサロンを主宰し、″最強のメディア編集集団″を率いる若きリーダー。
(※業界平均2~3割と言われている)
・吉田奈央/番組ナビゲーター
世界No.1と言われるスピーカーたち(ジェイ・エイブラハム氏、ブライアントレーシー氏、アンソニー・ロビンズ氏、スチュアート・ダイアモンド氏など)のコンセプトを広めるべく、経営者を対象としたセミナーを全国で行う。クライアントからは、営業成果に対する意欲の高さと、本質を分かりやすく伝える講師として定評がある。特に起業家からは「固定概念を取り払うアドバイスが助かる」という感謝の声を多数もらう。小寺メディア戦略室ではこれまでの経験を活かし、himalayaチャンネルのナビゲーターを務める。
◆超・量産型の編集長のアイデアの出し方とは?
吉田)
皆さんこんにちは。番組ナビゲーターの吉田奈央です。
小寺さん、今回もよろしくお願いします。
小寺)
よろしくお願いします。
吉田)
本日の本題に入る前に、ひとつお伺いしたいのですが、
小寺さんは手掛ける本を凄いスピードで次から次へと出していらっしゃいますよね。
これは普通なんですか?
小寺)
いや、僕は相当出しているほうですね。超・量産型。
吉田)
やっぱりそうですよね。
一つ一つがタイトルからデザインから、見出しを見ただけで買いたくなる本ばかりです。それらの本に対して小寺さんがどうアイデアを出していらっしゃるのかがとても気になります。
本日はそのことについてお伺いしたいと思います。
小寺)
なるほど。テーマは「アイデア」ってことですね?
吉田)
はい。
なにかコツがあるのですか?
◆組み合わせを考える
小寺)
コツは結構あります。
アイデアってゼロからまったく新しいものって出ないんですよね。超天才じゃない限り。
だから、結局は既存の要素の組み合わせです。
たとえば、僕は書籍の企画を考えるとき、売れている他社の本があったら、そのテーマを「この人が書いたらどうなるか?」と組み合わせて考える。
すると同じテーマで語っても、最終的にはまったく違うものに仕上がるんですよ。
あとは、意外なものを組み合わせてみる。
たとえば、ダイエットの本を作ろうとしたら、ダイエットのほかになにか組み合わせる意外な要素がないかな?とか。
例をあげれば、夜中に高カロリーな物を食べてはいけないという常識があるじゃないですか。
だから「ダイエット×真夜中」というテーマでなにか出来ないかな、とか。
意外なもの同士を組み合わせると、結構新しい面白い企画が出てきたりするんですよ。
◆言葉を見る?-松本清張のエピソードから-
吉田)
すごい!面白い!!
そういうのって、小寺さんはいつ考えていらっしゃるんですか?
小寺)
常に考えています。
基本的に、いろいろなものをよく見て考えています。
書店もよく見るし、行くし、言葉をよく見る。
吉田)
言葉を見る?
小寺)
辞書を見るとか。
広辞苑とかを見て、なにか面白い言葉はないかな?ということを考えたりしますね。
僕の所属するきずな出版の代表の櫻井秀勲は、今87歳で、若い時に松本清張先生を担当していたんです。
その松本清張先生の話ですごく共感した話がありました。
どういう話かというと、松本清張先生のデビュー作で「西郷札」というタイトルの大ベストセラーの本があるんです。
それは、確か松本清張先生が辞書かなにかを見ていて、西郷札って載っていて。
その言葉を見て「えっ、なにこの言葉。面白い!」って調べていって、それで一冊の本にしちゃった。それがベストセラーになっちゃった。
その話から「言葉をよく見る」っていうのは、意識しますね。
言葉をよく見るっていうのと、あとはさっき言った組合せ。
そんなところで結構アイデアが出てきているかな。
◆アイデアをストックする
吉田)
それは言葉を見たときになにかビビっとくるものがあるんですか?
小寺)
くるものはありますね。
「面白い言葉だなぁ」と思ったときに「この言葉をタイトルにできないかな」と思いつくことは結構あるんですよね。
吉田)
思いついたら小寺さんの頭の中にいらっしゃる著者の先生に繋げていくんですか?
小寺)
繋げていきます。「この言葉であの人が書いてくれたら面白いかな?」と。
吉田)
なるほど。それもまた組み合わせだったりしますよね。
面白いです!それって「編集者のネタ帳!!」みたいなものがあるんですか?
小寺)
あ、ネタ帳ありますよ。スマホのメモ帳。
言葉のメモが多いです。あとは「タイトル案」みたいなの。
スマホにめちゃくちゃメモしますね。
あと、面白い看板とかがあったら、パシャパシャっと写真を撮りまくっていますね。
◆アイデアは油断したときに降りてくる
吉田)
私はよく「どういうセミナーをやろうかな」っていうのを、料理を作りながら考えるんですよね。
そうやって全然仕事じゃないときのほうが、頭の回転が異常に良かったりとか、アイデアが浮かんだりとかするんですけれども、小寺さんはそういうのはありますか?
小寺)
それはあります。
髭剃りしているときとか、歯を磨いているときとか、風呂に入っているときとか。
「アイデアは油断したタイミングで降りてくる」みたいな。
僕は髭剃り中がめちゃくちゃ多いですね。
でも、吉田さんは料理の時なんですね?
吉田)
はい。小寺さんは髭剃り(笑)。
小寺)
僕はなんか髭剃り(笑)。別に好きじゃないのですけれどもね。
なぜか出てくるのですよね(笑)。
吉田)
面白い(笑)でもやっぱり日頃から言葉を見るとか、何気ない看板を見るとか、いろいろな情報を「面白いことないかな」って常に探すことが重要なのですね。
小寺)
そうですね。収集するってことですね。
まとめ
・アイデアを出すためには、既存の要素の組合せを考えてみる。そして言葉をよく見る。
・アンテナを張って言葉を見たり気になったものを写真に撮ったりメモに取ったりして、インスピレーションが湧いているものを組み合わせる。
・そのアイデアは、リラックス(油断)しているときに降りてくる。
・ただしそれは常にアンテナを張り巡らせて探し続けているからこそ出てくるもの。
執筆者メモ
今回の放送では、アイデアの出し方について、そのやり方(スキル)についてだけではなく、常日頃から意識しアンテナを張り巡らせているからこそ、何気ない日常の中でアイデアが自然に出てくる…という大切なことも盛り込まれた、非常に内容の濃い、ためになる放送でした。
執筆者:長沼俊
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3坪の行商からミリオンセラー作家に登りつめた異色の著者が贈る、パーソナルブランディングのバイブル。
吉田)
小寺さん、おすすめポイントを教えていただけますか?
小寺)
これは本当に時代にあっている。タイトルの通り「個人として影響力をつけていきましょう」っていう本です。
この本のオビに書いてあるんですけど、「自分の名前で生きていく」っていうメインのコピーがあって、「3坪の行商からミリオンセラー作家に登りつめた著者が贈る~」って書いてあるんですよ。
要は著者の永松さん自身が、最初は3坪の行商という小さな商売からスタートして、今はもうミリオンセラー作家になっている。それってやっぱり、個人として影響力を究極までつきつめてきたから。
今は「個人の時代」と言われて久しく、誰もがやり方さえ知っていれば個人の影響力を強めていくことが出来るっていう本なんですよね。その方法を体系立てて教えてくれる1冊です。
ターゲットを誰に向けて影響力を発揮するのかとか、最終章は出版する方法とか、かなり具体的なところまで語ってもらっています。
吉田)
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<番組紹介>
「小寺裕樹のネクストクリエイティブ―超・編集力のヒント」
この番組は「圧倒的なスピードで自分を編集し続け価値を生み出す力の源泉」=「超・編集力」にフォーカスし、現役の敏腕編集長であり、最強のメディア編集集団を率いる若きリーダー小寺裕樹が、リスナーの皆さまからのご質問や著名なゲストとのトークを交えアナタに「超・編集力」の身につけ方とその磨き方のヒントをお伝えしていく番組です。個人のブランド力が求められる新しい時代を生きる経営者、起業家、クリエイターが知っておくべき知恵が満載となっています。
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