最近、少子化が進んでいるというのは、しょっちゅう聞くことだ。
少子化の原因や、子供を持ちたがらない理由を、多くの人が、あれこれ、論じている。
たとえば、
「子供を持つと、経済的に苦しくなる」
「子供を持つと、自由が無くなる」
「今は、仕事も安定していないし、子供を持つ余裕が無い。まだ先でいい」
などなど。
結局、今よりも、子供を持つと不幸になるから、持たない。
総括すると、そういうことだと思う。
ところで。
私は、今、子供が思春期に突入している。
乳幼児期の頃は、何をやってもかわいらしかった。
食べてしまいたいくらい、目の中に入れても痛くないくらい、かわいかった。
キラキラしていた。
一挙手一投足が愛らしかった。
子供の安全を守り、着替えさせて、寝かせて、栄養のある食事を与えて。
世話は大変だったけれど、いつも、家の中にたくさんの照明を、つけたように、明るかった。
家の中が。小さい子供のいる家って、本当に雰囲気が輝いているのだ。
それが、思春期になって。
お笑い芸人のロバートの、秋山が、以前、Youtubeで、「思春期の目」
の物まねをしていた。それが、我が家の思春期の子供にそっくりで、滅茶苦茶受けた。
なんだろう。乳幼児期のような、天真爛漫さが無くなって、少し、内にこもったような、でも、どう自分を表現したらいいかわからない、悩みをたたえた瞳になる。
家の中も、扱いが腫物を触るような感じになる、思春期。
こっちも、思春期の子供と、どう向き合ったらいいか、考える。
そして、乳幼児期は可能性の塊だったのが、思春期になって、親の想定外の方向に、進んでいったりしてたり。
なんか、思い通りになる子育てが、もしあるとしたら。
それって、子供が、親の顔色を一生懸命伺って、合わせてくれてる、我慢の結果かもしれない。
子育てをすると、お金は、羽がついたように、飛ぶ。
自由時間が無くなる、心配事が増える。
親が、子供の成長のためと、投資した時間、労力、お金ほどには、それほど、子供の能力は、伸びなかったり。
思い通りにならないことばかりだ。
だが、思う。
人間は、手に入らなかったり、うまくいかなかったりしたときに、初めて、価値がわかる。失ってみて、初めてわかることが多すぎる。
よく、優しい人というのは、その倍くらい、つらい経験をした人だとも、聞く。
優しさをもつには、つらい経験をしていないと、優しくなれないのだ。
そうすると、子育ては、つらいことを、経験することで、幸せとは何かという、物の価値に気づくことの連続なんだなと思う。
だから、子育てはつらいことばかりで、いいのだ。
逆に、自由で、思い通りになって、お金もかからないなんて、子育てがあったら、それ、子供が相当無理しているよって。
子育ては、不幸になるために、するのだ。
そして、子育てで、不幸を経験することで、ものごとのありがたみが、わかる=幸せを感じ取れるという仕組みなんだと思う。
だから、子育てにまとわりつく、マイナスイメージ、子供を持つと不幸になる、は正解なんだと思う。
それでも、踏み出すか、踏み出さないか。子供を持つか、持たないか。
一度っきりの人生だから、その人自身が決めればいいと思う。