絵画教室の、一番の問題点。

 

それは、いい先生がいないこと。

 

とにかく、ちょっとでも自分が扱いにくそうな子供だと、入塾を断る若い、アルバイト先生が多い。

 

年配の先生も、とても気難しい。

 

総じて、絵の教室は、お行儀がすごく良くて、まるで置物のように静かで、はいはいと、先生の言いなりになるような、超おとなしい子が多い。

 

中には、幼稚園児、小学校低学年の絵画教室でうるさいクラスもある。

 

しかし、総じて、先生は社会性が無く、少しでも、自分の想定外の言動をする子供には、退塾をさせる。先生本人だって、子供時代、そんなに親や先生のことをよく聞くいい子だったか、考えてもらいたい。そんなに優秀だったら、この絵画教室の先生なんてやってませんよね、と言う感じ。もっと、お金になる仕事、人から求められるような高度な仕事に、ついてますよねって。自分のことを棚にあげて、子供のお行儀に、とにかくうるさいのが、絵画教室の先生。絵画というより、置物のように、自分の個性を押し殺した、お行儀教室が、絵画教室の実態だ。自由な個性の放出、創造力を表現する場所ではない。とにかく、生き残るのは、絵画教室の先生が、お気に召さないような言動をしない、非常に個性の無い、言いなりになる子供ばかりだ。

 

なんでか、考えた。

 

絵というのは、本当に、自分の世界に没頭して、描く傾向が大。

 

だから、自分の世界に入りすぎてしまって、絵画教室で、絵画教室の先生が、自分の思い通りにならない子供がくると、拒絶する。音楽の方が、自分の思ったとおりにならない。楽器を自分の思いのままに、弾けるのは、かなり先。そして、自分の理想とは別に、制約がある。テクニック不足から、思い通りにできない演奏。上達がなかなかしない。ちょっと練習をさぼると、すぐに腕が落ちる。

 

しかし、絵画は、デッサンの上手下手があっても、小さい頃から楽器のように訓練しなくても、それなりには描ける。はっきりいって、誰でも、絵って描ける。だから、小学校の時に、皆、図工で絵を描かされる。本職でなくとも、特に、美大を出ていなくても、写真そっくりの絵を描いている人が、ネットをググるとたくさん見れる。だって、見たとおりに、かけばいいから。ただ、普通の人は、そこまで、1枚の絵に、時間をかけて描くのが、面倒くさいから、しないだけ。

 

しかし、楽器演奏は、特別に長期、長時間、訓練しなければ、上手には演奏できない。

 

絵は、最初から自分の思い通りに、ある程度、描けるし、楽器のように、ミスタッチとか、音量が大きく弾けないとか、失敗が無い。それに、ヘタウマというか、それほどテクが無くても、デザインや、絵の醸し出す雰囲気がよかったり。別に写真そっくりに、描くテクニックが絵の最高の到達点ではない。そうすると、絵は、常に、だめだったと、挫折や、失敗した気持ちとは、無縁だ。

 

楽器演奏は、今日の演奏は良かった、悪かったが、はっきりしている。それなりの満足感とか毎回得られるわけではない。常に、自分の演奏は、よくなかったのではないかという、自分に対するダメ出しをし続けている。

 

同じ、芸術でも、絵の方が音楽ほど、強烈なミスタッチとか、早弾きができないとか。音符を間違えて読んだとか、ミスが無いのだ。

 

だから、自分の思ったように、ただ、自分の世界に入りきって、筆を動かすだけ。そうすると、自分は間違っているんじゃないかっていう、検討を、音楽ほどは、していない。

 

芸術ではないが、スポーツも、常にミスと、となりあわせだ。そして、その一つのミスで、試合に勝ったり、負けたりする。だから、一本のミスに、すごく厳しい。プレー以外でも、控えの選手でさえ、ベンチや、応援席から、味方の士気をあげるために、必死で声を枯らして応援する。私も、高校時代、バレーボール部で、1年生の時に、応援席から、応援していた。声が小さいと、怒られた。

皆で、一緒に、手を叩いて、太鼓をたたいて、懸命に応援した。そこには、声が小さいと、雰囲気が元気が無いだけで、注意される。チームワークを乱すと、変な目で見られる。すなわち、常に、自分の行動や、言動が、人から見てどう見えるかを、意識している。そして、間違った行動、プレーをしていないか、激しく検証する。そこには、他者からみて、どう見られているか、自分は、間違っているかもしれないという、視点が常にある。

 

だが、絵画は、自分の納得する世界観を、キャンバスに出すことだけを考えている。自分は間違っているかもしれない、ミスをするかもしれないという、視点が、無い。逆にミスって描いても、もう一回、上から、塗り直したり、消せばいい。また、ミスをすると、チームが負けるスポーツは、自分がミスすることで、人に、迷惑をかけるから、緊張する。しかし、絵でミスタッチをしたって、修正できるし、ミスしても、いい作品ができなくても、別に、誰にも、迷惑をかけない。

 

そう考えると、絵を描いてばかりいると、性格が悪くなる。人のことなんて、どうでもいい、となってしまう。

 

私も絵を自分で描いていて、思うのは、絵を描いていると、没入感がすごい。

 

のめりこんで、一心不乱に取り組む度合いが、楽器よりも、激しい。

 

だから、絵の先生は、対人関係でちょっとでも、元気が良すぎたり、自分の思い通りにならなさそうな、自分の苦手なタイプの生徒は、速攻で退塾させる。

 

こんなことを、していて、この人達は年をとって、仕事を得るのが、若い時よりも、圧倒的に難しくなる50代、60代過ぎに己の、幼さ、楽をして生きてきたことを、悔いるだろう。そんなふうに、生徒を切り捨てて、思い通りになる生徒だけ、アルバイト絵画講師として、時間給をもらっていても、なんの対人関係スキルも無い。年をとればそれだけ、雇い主からも、生徒からも支持されなくなる。その時に、講師としてのスキルが何も無い。

 

思うに、町の素人向け絵画教室で、大事なのは、楽しく通えるような雰囲気作りだ。

 

先生自体も、好きになってもらわなければ、生徒は他に、学校や仕事があるから、続けるのは、難しい。

 

それなのに、自分は、才能があるのに、こんな小さな町の教室で、1000円ちょいの、時間給をもらって、やる気の無い、子供の相手をしているみたいな、ひがみも感じる。そして、ちょっと才能のありそうな子供は、嫉妬して、つぶしにかかる。

 

絵画教室の先生は、精神的にすごく幼い。

 

社会に出れば、いろんな人がいる。その中で、だんだんと、自分と合わない人とも、頑張って合わせたりする鍛錬をしていく。そうしないと、生きていけないから。

 

それが、絵画教室のまだ20代くらいの若い先生は、ささくれている思春期の中学生並みに、扱いにくい。すぐに、自分の思い通りにならない生徒は、切って退塾させる。

 

これ、経営者が知ったら、怒るかも。

 

経営者になったら、毎月の家賃、人件費、社保の支払いで、絵画教室を、何店舗か持っても、たいして、儲かってないだろう。おまけに、不景気になれば、真っ先に支出を削られるのが、外食費や、習い事だ。

子どもの絵画教室だって、小学生の習い事で、絵画教室は、3番手、4番手だ。真っ先に、学習塾、水泳、サッカー、野球、英会話、ピアノなどの楽器ときて、絵画教室に通わせるのは、選択肢として、最後だ。

 

子どもも、学習塾以外にも、何か習い事をしようと言う時に、スポーツいやだ、楽器やだ、でも暇だから、なんか習おうというときに、まあ絵画だったら、いいよという感じで、絵画教室絶対行きたいとか、言う、子供っていない。

 

だから、中学生になると、勉強や、部活もあるし、絵画教室に通う中学生はほとんどいなくなる。

 

絵画教室の先生は、自分が制作活動をするときは、孤高のアーティストということで、自分の世界に入り込んで好きなようにやればいい。だが、町の絵画教室は、レストランの接客と変わらない。

だから、いろんな客が来て、いやな思いをするのが、いやだったら、そういった不特定多数のお客がくる、絵画教室の先生などという、難しい接客業なんて、職種を選ばなければいい。

 

だが、対人関係にもまれていなくて、自分の世界にずっと入り込んで生きてきた人達だから、社会経験が不足していて、絵画教室の先生という、コミュニケーション力が強く要求される、しんどい接客業を、間違って選んでいる。

 

むしろ、家で、在宅でネットを利用したチャットオペレーターみたいな方が、向いていると思う。