これから書くことは実際にあったことです。
そして、ある女性のためのレクイエムにもなっている。
「その水龍なるものとはどこで知り合ったのですか?」
私は電話越しに聞いた
彼女は「海に釣りに行っていて、そこからついてきたのですよ」と言って笑った。
彼女に霊能力が発現したのは中学生の頃だと言っていたから、その水龍なるものも見えただろうし会話もできたわけだ。
彼女と私が出会ったのはあるライブチャットだった、会話がとてもおもしろく、お酒を飲みながら毎晩のようにどんちゃん騒ぎをしていた。
そういうなかで彼女には霊能力があることがわかって、私のこともかなり的確に見えていたようだった。それからというもの私は彼女にかなりのめり込みスピリチュアルな話をかなり聞くなかで、私はかなり、おいなりさんの守護があることとそれと同時に私という存在が龍に向かっていることを解き明かした。彼女の親族に戦艦長門の艦長がいたこともあって、戦争に異様に関心を持ち各地の戦争博物館などを訪れていたようだった。
彼女には私と彼女がある程度深い関係になることがわかっていたようで、それは性的な意味ではけしてないが、しかし会話の端々に私がいなくなってもきちんとやっていけるようにそれは2月頃までにははっきりずるはずだ。というような謎めいた言葉を吐いていた。
「えっ いなくなっちゃうんですか」ぼくが驚いて聞くと、そんなことはないって笑うんですね。
そういう話の中で、彼女には水龍と呼ばれる存在がついていることがわかったんですね。そうして、彼女は海に行っては、水龍を使って迷える魂を天に上げる作業をしていたのです。
そうして彼女が印象的だったのは、彼女には私の家族のことも見えていて、家内を大事にするように毎日のように話していたのです。もうその頃にはラインと電話で毎日のように話していたんですね。
回天というのをご存じですか?
戦争末期の海軍の特攻兵器です。人間魚雷です。
私の実家がその人間魚雷回天の発射基地があることを伝えると、彼女はとても行きたがり、ご主人とこちらまでくる話しもありましたが、実現には至りませんでした。
代わりに、リモートヴューイングのようなことをしようと言うことになりました。つまり、彼女が私の意識にダイブして私が彼女の目になろうと言うものでした。
そこで、ちょっと水龍に聞いてみる、ということになって、実際に水龍が私のところに来たわけなんです。
水龍は私を調べて、よかろうということになったようです。つまり、一時的に水龍は私と行動していたのです。しかし、今から思えば私の中には入れなかったようですね。
私はフェリーにのって回天の記念館と発射基地まで行きました。知覧の特攻隊と同じで、彼ら英霊の遺書は涙を誘います。
彼女としては成仏できない英霊がいると思い、天に上げる手助けをしようとしていたようですが、未だに聖地を守る霊はいたようですが、あっけらかんとして、いなかったようです。
ついて一時間くらいしかたってないのに、私は突然家に帰りたくなったんですね、なぜかわかりませんが。その旨を彼女に伝えて急いでフェリーに飛び乗りました。
家には家内もおばあちゃんも出掛けていて息子が留守番してましたが、家についてピンポンを押すとドアのガラス越しにピンク色の服を着た人がきたんで息子かと思いドアがあくのを待っていると、いつまでたっても空かない、あれっと思って息子に電話してようやくドアが空いたんですね。
では、あのピンク色の服の人は?
その事を彼女に話すと
「だからいろいろあるかもしれないって言いましたよね」
と言って次のようなことを話し出したんです。
「あなたが帰るときに、英霊のうちの一人が一緒についてきたのですよ。その人も家族を守るために戦争に行ったのですが、そのご家族も空襲で亡くなられていたのですね、それでご家族の方がですね、あなたが回天の記念館に行くことを知って数日前からあなたの家に待機していたのですよ。
あなたの家を借りて、戦場に散ったご主人と家族が一家団欒を経験しに来たのです。」
ぼくはその話を聞いて思わず涙してしまいました。そんな些細な望みなんて❗
私は家族に霊能者の目になって霊場に行くと話してありましたが、あらためて一部始終を話しました。普段はスピリチュアルを毛嫌いする家族が、快く、では、ささやかな宴を催そう
ということになったんです。
普段はお酒を飲まない息子も飲んだりして楽しいひとときを過ごしました。
その日は晴れて雨の予定もないのに、宴のあとサーッと雨が降りました。
私は彼女に電話して宴の様子を話したんですね。
「あのご家族は成仏されましたよ、あの雨はそのご家族と水龍が降らせた雨です。よほど感謝して行かれたのですね、今後私たち家族に幸あれと願った、天が流す涙、慈雨の雨です。」彼女もそう言って感動しているようでした。
「今晩ひょっとしたら夢に出てくるかもですよ」
翌朝、家内が夢に出てきた?って聞かれても、私は覚えていませんでした。
果たして、こういう仲立ちをする水龍が魔物か?と思うんですが、正直よくわかりませんが、魔物だろうと思うのです。なぜかと言うと、その水龍の仲間が私につこうとしたらしいのですが、それができなかったらしいのです。
そんな感じで毎日のように彼女と話していたのですが、突然連絡が取れなくなったのです。なにをどうしても連絡が取れません。
毎日のようにラインしてましたが、なんの連絡もない。すると数日してご主人から連絡があったのです。彼女が亡くなったと。
ご主人によると、致死性不整脈といって本人も死んだことすらわからないだろう、という突然死でした。もう荼毘に付されてました。私はかなり取り乱しました。
そういえば、彼女が亡くなったと思われる日に私と一緒に仕事をするパートナーの語り口が彼女のそれになったりして、あれっ と思ったものです。その日の夜中に彼女が会いに来てくれました。確かに彼女の声で名前を呼ばれたんですね。
なぜ彼女は亡くなったのか?
あらかじめ察していた節もあるから寿命だろうか?
ひょっとして水龍が私につけなかったのが原因か?とかいろいろ悩んだ。
あるいは私の代わりだったとか?
その命日が12月4日にくる、一周忌だ、私がなにもしないというわけにはいかない。出張中ではあるが、私と同じ名字の貫主が歴代勤めるとても大きな寺院を近くに発見した。
12月4日が日曜日というのも縁を感じる。私は彼女に写経と護摩をプレゼントしようと申し込んだ。
水龍について少し書いておくと、
外見はアザラシのようであり、空に現れるときは人間のようでもある。私は霊能力はないが、写真には写ることがある。
私を守護するものと水龍が会っている写真をのせておく。
