山鹿市付近、鹿央町とあります。

今すんでいる荒尾市のアパートメントからほぼ直線的に東に向かうと、車で40分程度で着いてしまいます。車も混んでないし、非常に走りやすいルートです。


あの有名な建築家の安藤忠雄氏の作品です。

確か1991年から1994年頃に熊本アートポリスというイベントがあって、熊本に建築家デザイナーが集結したんですね。当時ぼくは東京で著名な建築家のもとをはなれて独立してやっていたんですが、アートポリスの設計競技に出品した覚えがあります。

なんか懐かしいな、もがいていたあの頃、回りの同世代の若者が輝いてみえたな、ぼくは1997年くらいまでは頑張ったが、突然息子が出来たために、夢を諦めて家族のために生きるために家内とお腹に息子とペットのネコをつれて実家に帰ったんですね。


さて、それは良いとして、この熊本県立装飾古墳館はその頃の建物でもう25年くらいは建っているが、それほど劣化している印象はない。安藤さんのコンクリート打ち放しの仕上がりは当時のままではないか?という錯覚も覚えるくらいだ。これは管理者使用者のメンテナンスの意識が高いのだろう。



ロケーションとしては、古墳に囲まれてというよりは古墳と一体化したような印象を受ける。

この建物は安藤忠雄の渾身の作品と言っても良いだろう。安藤さんは古墳というか古墳の玄室を作ろうとしたのではないか?と私は思う。

そのコンセプト、形、そういったものが中庭を歩いている私に襲いかかってくる。圧倒的な壁の厚さとガラスの解放感。





これはとんでもない建物だ❗私は感動してしばらくしゃがみこんでしまった。


ここは紅葉の季節と冬にまた来たいと思う。
そして、ここに収蔵されているものは日本でも特筆すべき完成度であろうと思う。






台風が控えていたけれど、結構観覧客がいました。明らかに建築を学んでいるなという若者もいたな。

ぼくが安藤さんの建築を見にきたと言ったら、スタッフのスラリと美しいかたが追いかけてきてこんな資料を頂いた。とても嬉しかったです。
こう言うさりげない気遣いができるかたが建物を管理しているから、建物も今も美しいのだなって納得しました。



日常に埋もれてしまった思い出、若い頃建築家になろうともがいていたあの頃、一握りに入ろうとして、家内と貧乏したな。そんなぼくらの大切な時代を思い出させてくれた。とても良い時間だったのです。