まちがいさがし【ちょうになった娘】 | ルーツ探して今日もゆく~(日本語版)

まちがいさがし【ちょうになった娘】

あんにょんはせよ~
miryonです★


朝鮮新報社が発行している
月刊이어(イオ)という雑誌の
11月号まちがいさがしイラストを
描かせて頂きました


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テーマは『朝鮮の民話』で
11月号のお話は「ちょうになった娘」



昔むかしあるところに
とても美しい娘がおりました。

娘には親同士が決めた
いいなずけがいて、
もうじきお嫁にいくことに
なっていました。

お互いに顔も知らない間柄でしたが
娘は嫁ぐ日をそれはそれは
楽しみにしておりました。


「ねえ、ばあや。
あの方はどんなお顔かしら。
色は白いかしら。」

「おやおや、少し黒い方が
男らしいというものですよ。」

「そうかしら、うふふ。
あぁ…はやくお目にかかりたいわ。」


まだ見ぬいいなずけを思い
娘は嫁ぐ日を
指おり数えておりました。


しかし、悪い知らせは
突然やってきました。
結婚を目前に控えたある日、
いいなずけが
死んでしまったのです。


その話を聞いた村の人達は
こうささやくのでした。

「かわいそうに…
嫁入りの輿でなく
白い輿に乗っていくなんて…」

「ひどい話だよ。
あの娘はもう二度と
お嫁に行けないんだから…」

「両班(リャンバン)の娘は
いいなずけが死んでしまったら
一生ひとりで暮らすしかないのに…」


やがていいなずけは
墓に葬られました。
娘は毎日毎日、
墓へ行って泣くのでした。

「愛しい人…どうして…
どうして私を置き去りにして
死んでしまったのですか?」


さめざめと泣き続ける
娘のうしろで
乳母はただそっと
見守ることしかできませんでした。

「お嬢様…もうじき陽が暮れます。
屋敷へお戻りください……」


その時、ふと顔をあげた娘が
とんでもないことを
口にしたのです。

「おねがいです!
私もあの世へ呼んでくださいませ!
もしもあなたに
私を哀れむ気持ちがあるのなら、
この墓石を二つに割ってみせて!」


乳母は驚き慌てふためきました。

「な、なんということを!
お嬢様!そんなことを
おっしゃってはなりません!」

「私、あなたの元へゆきますわ。
だからどうか…どうか……!」


その時…

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


なんと、墓石が真っ二つに割れ
まばゆい光の向こうに
婚礼の衣装を身にまとった
いいなずけが現れたのでした。

娘は泣いて喜び、差し出された
いいなずけの手を取りました。
そしてそのまま墓石の向こう側へ
行ってしまいました。


「お嬢様ーーー!!!」

乳母は行かせまいと必死で
娘の白いチマ(スカート)を掴みましたが、
墓はもうぴったりと閉じられていて
あとにはもうチマの裾だけが
残されていました。

それはみるみる姿を変え、
美しい白い蝶となって
空高く舞い上がってゆきました。



…というお話です
うぅせつない。。。