まちがいさがし「仙人、川を渡る」
こんばんは~
イラストレーターのmiryonです★
朝鮮新報社が発行している
月刊이어(イオ)という雑誌の
7月号まちがいさがしイラストを
描かせて頂きました
テーマは『朝鮮の民話』で
7月号のお話は「仙人、川を渡る」
昔むかし、隋(朝鮮語でス)の大軍が
高句麗(コグリョ)の都を目指して
攻めてきた時のことです。
国境を流れる鴨緑江(アムロクカン)を渡り
軍勢は一気に南へと下りましたが、
思いがけず清川江(チョンチョンガン)に
ぶつかり進行がとまりました。
その川が深いのか浅いのか
誰も知らなかったからです。
将軍が言いました。
「誰か川の深さをはかってみよ!
深ければ橋をかける!
浅ければ直ちに川を渡る!」
しかし進軍で疲れていた兵士達は
なかなか動こうとしません。
その時、どこからともなく
ふらふらと老人が現れました。
驚く兵士達をよそに
見る間に増えて七人になった
乞食とも坊さまともつかぬ老人達は
何やら話合っていましたが、
やがて川を渡り始めました。
ざっぷざっぷ、ざっぷざっぷ。
川の中ほどまで行っても
水はまだ老人達のひざのあたり…
夕闇せまる山を目指し、
七人の老人は川を渡りきると
姿を消しました。
「はっはっは!!見たか、皆の者!
よぼよぼのジジイがあの通りだ!
よしっ!続けっ!!
まずは川岸の村を制圧する!
全軍、川を渡れー!!」
将軍の号令で数十万の軍勢が
どっと川に突進しました。
刀や槍はきらめき、
軍馬はいななき、
軍旗が川風にはためきました。
しかし、川の中ほどまで来たところで
事態が急変しました。
急に深くなった川底へ吸い込まれる者、
恐ろしい渦に巻き込まれる者、
異変に気づいた兵士達が
必死に叫びます。
「だめだ!急に深くなったぞ!」
「戻れ!流れがはやい!」
「来るな!止まれ-!!」
ですがもう手遅れでした。
「いけー!!進め-!!」
「遅れるなー!!進め-!!」
魔法にかかったように前進は止まらず、
兵士達は前に前にと押し出され、
次々に川の深みへと
消えてゆくのでした。
翌朝、十万の大軍を滅ぼした川は
何ごともなかったように
ゆったりと流れていました。
生き長らえた村人達は川岸に立ち、
あのふしぎな老人達の話をしていました。
「あれはきっと妙香山(ミョヒャンサン)に
住む仙人さまだったにちがいない」
「仙人さま達が私達を
守ってくださったのね」
「ありがたや、ありがたや」
後に村人たちは
七人の老人たちを奉り
川辺の丘に寺を建て、
七仙寺(しちせんじ)と
名付けたそうな。
…というお話です。
前回「お話」を掲載するのを
やめようかと書きましたが、
「楽しみにしている」
「いつも読んでいる」という
ありがたいエールを頂き
今後も続けていこうと思い直しました
miryonの活動は
応援してくれる皆さまのおかげで
続いております
いつも本当にありがとうございますっ!!

イラストレーターのmiryonです★
朝鮮新報社が発行している
月刊이어(イオ)という雑誌の
7月号まちがいさがしイラストを
描かせて頂きました

テーマは『朝鮮の民話』で
7月号のお話は「仙人、川を渡る」

昔むかし、隋(朝鮮語でス)の大軍が
高句麗(コグリョ)の都を目指して
攻めてきた時のことです。
国境を流れる鴨緑江(アムロクカン)を渡り
軍勢は一気に南へと下りましたが、
思いがけず清川江(チョンチョンガン)に
ぶつかり進行がとまりました。
その川が深いのか浅いのか
誰も知らなかったからです。
将軍が言いました。
「誰か川の深さをはかってみよ!
深ければ橋をかける!
浅ければ直ちに川を渡る!」
しかし進軍で疲れていた兵士達は
なかなか動こうとしません。
その時、どこからともなく
ふらふらと老人が現れました。
驚く兵士達をよそに
見る間に増えて七人になった
乞食とも坊さまともつかぬ老人達は
何やら話合っていましたが、
やがて川を渡り始めました。
ざっぷざっぷ、ざっぷざっぷ。
川の中ほどまで行っても
水はまだ老人達のひざのあたり…
夕闇せまる山を目指し、
七人の老人は川を渡りきると
姿を消しました。
「はっはっは!!見たか、皆の者!
よぼよぼのジジイがあの通りだ!
よしっ!続けっ!!
まずは川岸の村を制圧する!
全軍、川を渡れー!!」
将軍の号令で数十万の軍勢が
どっと川に突進しました。
刀や槍はきらめき、
軍馬はいななき、
軍旗が川風にはためきました。
しかし、川の中ほどまで来たところで
事態が急変しました。
急に深くなった川底へ吸い込まれる者、
恐ろしい渦に巻き込まれる者、
異変に気づいた兵士達が
必死に叫びます。
「だめだ!急に深くなったぞ!」
「戻れ!流れがはやい!」
「来るな!止まれ-!!」
ですがもう手遅れでした。
「いけー!!進め-!!」
「遅れるなー!!進め-!!」
魔法にかかったように前進は止まらず、
兵士達は前に前にと押し出され、
次々に川の深みへと
消えてゆくのでした。
翌朝、十万の大軍を滅ぼした川は
何ごともなかったように
ゆったりと流れていました。
生き長らえた村人達は川岸に立ち、
あのふしぎな老人達の話をしていました。
「あれはきっと妙香山(ミョヒャンサン)に
住む仙人さまだったにちがいない」
「仙人さま達が私達を
守ってくださったのね」
「ありがたや、ありがたや」
後に村人たちは
七人の老人たちを奉り
川辺の丘に寺を建て、
七仙寺(しちせんじ)と
名付けたそうな。
…というお話です。

前回「お話」を掲載するのを
やめようかと書きましたが、
「楽しみにしている」
「いつも読んでいる」という
ありがたいエールを頂き
今後も続けていこうと思い直しました

miryonの活動は
応援してくれる皆さまのおかげで
続いております

いつも本当にありがとうございますっ!!