82年生まれ、キム・ジヨン 〈82년생 김지영〉 | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

〈ヒューマン〉

  監督:キム・ドヨン

  出演:コン・ユ、チョン・ユミ

 


観始めて直ぐ、ドキュメンタリーかと思っちゃった。私の。

冒頭の義母とのシーンなんて全く同じでビックリだよ。私もずっとキッチンに立ってたし。こちらは花柄エプロンにフリフリピンクのパジャマまでついてたけど(笑。

 

旦那がお皿を洗おうとするやつ。ウチの旦那もやってた。

いやいやいや、お皿の一枚も洗ったことないのに実家でやったらダメでしょ。義母はもれなく「最近の男性は家事もやって偉いわねぇ(←私の可愛い息子をコキ使ってんじゃねぇぞ)」

となる。


優しい旦那が気を遣ってくれてるんだよ。知ってるよ。けど、そこじゃない感。

同じような義伯母もいたなぁ。私の顔を見るたび「子供産め」「男の子産め」。男の子を産んだら花火を上げてやるとか言われたなぁ。田舎の旧家って想像以上だよ。恐怖映画だよ。

 

都会だって同じ。職場も本当にあんな感じで。会議のシーンなんてめちゃデジャブ。あ〜、言い出したら止まらない。


誤解の無いように一応言っておくと。私はアメリカ生活が長いせいと元々の性格もあってジヨンちゃんとは全く違うタイプの人間です。昭和のオジサン達に嫌われる典型的なファイターでしたし。

それでも。

年代違うけど。国も違うけど。私がそうであるように。

職場、家庭、子育て。ジヨンちゃんと似たような経験のある女性は本当に多いはず。

 

なので。

(ホラーでも泣ける作品でも「面白い」と表現する事を踏まえても)これは決して「面白い」映画ではないわ。

観終わって重苦しく、やるせない気持ちになっただけだし。

 

この小説がベストセラーになった時、物凄い反発があったんだよね。なんだよ反発って。まさにその反発している奴らのせいでこの悪癖が治らない訳じゃん。

 

世の中は徐々に変わって来ている。職場も義親との関係も大体、私達世代が義親や決定権のある立場になり、昔の上司や義親のように振舞う人間はいないよね?少なくとも絶対に減っているはずだよね?

それでも。

無くなりはしないんだよ。


それぞれに理由があって。それぞれの立場があって。それが上手く噛み合わず。「昔から決まってるから」「悪気じゃない」「あなたの為」そんな言葉を盾にして相手を傷付け、追い詰めてしまう。

 

社会や家庭に置いて、立場の違う人間全員が上手に平和にやっていけるなんて夢のまた夢なのは分かってるけど。

こう言うことがありました。その事実を真っ向否定するのは愚の骨頂。

 

この先どのように自分が過ごして、どのように他人と関わっていくのかも人それぞれなんだけど。少なくても、変化を恐れる余り自分に都合の悪い事を全否定するとか。他人の言動を否定する事によって自分を正当化する人間だけは許せない。

 

私達はたくさん過ちを犯し、他人を傷付け、自分を傷付けて生きている。そして生きている限り、反省し、訂正し、未来を変えていくことが出来る。

それだけは忘れたくないねと、この作品を観て強く思いました。