ナレーション:パク・ユチョン
音楽の才能を持って生まれた、盲目の少女のドキュメンタリー。ナレーションはパク・ユチョンさんと言う事で。
ユチョンさんの応援も兼ねまして。観て参りました。
大泣きするだろうと。ハンカチを握りしめての鑑賞でしたが。。。正直、ほとんど泣かなかったわ。
なぜか?
多分、日本と韓国のドキュメンタリーの違い、だと思うんだわ。
私、ドキュメンタリーが昔から大好きで。色々見ているのですが。日本のドキュメンタリーって結構、良くも悪くも、盛り上げる演出がなされているんだよね。
短い時間に出来る限りの情報を入れたいが為、結構な量のナレーションが入るのが普通だし。
そのナレーションも、必要以上に劇的なセリフや言い回しになっている。
勿論、それぞれの「本当に生きている姿」に共感や同情や、その他色々な感情を持って見守るのがドキュメンタリーなんだけど。
少なからず、「演出」と言うものによって、ひとつの「作品」として作り上げられている側面もある。
だって。ドキュメント、ったって。
ただただ、ひたすら一日とか、一年をスクリーンに映し出す訳にもいかないもんね。
「編集」とか、「ナレーションによる補足」が必要になってくるのは仕方がない。
でね。何が言いたいのかと言うと。
韓国のドキュメンタリーを何本も観た訳ではないけれど。少なくてもこの作品で感じたのは、とにかく演出が少ない。
例えば、少女が歩く練習をしている時も、もし日本なら彼女の恐怖とか、その時の気持ちをナレーションで代弁してるはず。昔と今の違いを交差させて見せてくれたりね。
母親の歴史も。彼女にどう影響を与えているのか、と。色々憶測を交えて語ってしまうと思うのよ。
けど。
この作品ではただただ、前に進めない少女を長い時間をかけて映している。
母親に関しても、若い頃の写真を数枚、特に補足もなく見せるだけ。
そういう、極力「事実」のみを映し出す。まさにドキュメントなんだね。
けど悲しいかな。
そこが、少々物足りない感、を持ってしまう要因かなと。思いましたのよ。
結局。
日本のドラマチックなドキュメンタリーに慣れ過ぎちゃってるって事なんだろうな。
そ。そんな訳で。
ユチョンさんのお声。予想外の少なさでした。
必要最低限、って感じ。
でもまぁ。相変わらず。落ち着いた、とっても優しいお声でしたよ。
あ。あと。
ピアニストの先生が。とってもステキで。
ミーハー心、すっかり満足させて頂きましたわ。ありがと~、ソンセンニ~ム!