<サスペンス>
監督:ソン・ドンヨプ
出演:ヤン・ドングン、チュ・サンウク
なんだか。全く救いのない虚しいお話なんですけども。
個人的には悪役のヤン・ドングンさんと、だらしない顔のチュ・サンウクさんを見られてだけで大満足!って感じです。
先ずね。
チュ・サンウクさんが素晴らしいよ。
ハンサムさんはそのお顔のせいで役が限られちゃうという定説が私の中であったんですけど、これで見事にぶち破りましたね。
特殊メイクしている訳でもないのに、だらしなくて気弱で、本当にダメな感じをよく出してましたわ。びっくり。
ま、それでもハンサムだから。コンビニバイトの若い女の子が好きになっちゃうのも説得力が出るし。そこもポイントかも。
けど。ほんと。
今まで似たような役ばっかりだったサンウクさんの新境地だわ。
そして。ヤン・ドングンさん。
ギドク監督の『受取人不明 』とか大好きなので。以前から注目はしていますが。ほんと、こんな役やったら天下一品だね。
最悪のカス人間だから、転げ落ちるところを見たら気持ちいいけど、私はなんだか憎みきれなかったのだわ。ドングンさんがやっているからさ。どこか可愛い。
本当にこんな人間がいたら心から大嫌いですけどね。
実際、似たような奴が職場にいた事がありまして。
私は人生で初めてイジメの被害者になりました。ま、私だけじゃなくて、ある特定範囲の人間を全てイジメていたので。変な話、「イジメられ仲間」がたくさんいたので。この作品の主人公とは違って救いはあったけども。
それでも。
なぜか辞めさせられる事もなく。イジメられた方が辞めていくという不条理の中、ついに奴が左遷&辞職。
本当に気持ち良かった!
みなが訴え、上司も困っていた中、なぜあのカスがずっと会社に残っていられたのかは未だに疑問で。ま、日本の会社っていうのは簡単に社員を解雇出来ないというのが良いところらしいけど。絶対に有力なコネでもあったんだろうな。
とにかく。あの時の気持ち良さは一生忘れないわ。
でも今思うのは。一生に一度、「イジメの被害者」という立場を経験したことに意義はあったのかなと。
性格的には(知らない間に)イジメの加害者になっていた可能性はあるにしても、イジメられるなんて先ず有り得ない事だったので。
イジメられる事の不条理とやるせなさ。相手や傍観者への侮蔑。色々と勉強になりました。
そんな事もあり、作品中の彼の復讐心は良く分かって。恐ろしい事に、ちっとも「やり過ぎ」なんて思わないんだわ。
加害者が未だにカスだってのを描いているので、見ている方も楽だっていうのもあるけどね。
個人的には、加害者が今はすっかり改心をして真人間になっています、なんて言われても、全く同情なんてしませんけど。
えぇ、私は恐ろしい人間ですよ。
作品的には、そんなことをしても誰も救われませんよ、って言ってるようですけど。
あ。あと。
これは私がいっつも言ってる事なんだけど。女優の顔が似てるんだってば!
ガールフレンドの女子高生も、バイトの女の子も、婚約者の女医も、みんな似たようなお顔で。個性ゼロで。どれがどれだか出てくる度に混乱する。
ほんと、カンベンして下さい。