一般住宅を考える場合、欧米ではレンガ・石・土などがありますが、
日本は高温多湿という気候風土であり、躯体構造は伝来の木造、土壁が理想です。
特に躯体については木造、中でも一般に言うところの「雑木」が理想です。
「雑木」とは不名誉な呼び名ですが、一般に建築に使われるヒノキやスギ以外の木は、まとめて雑木と呼ばれています。
全く生産者側の発想から生まれた言葉で、本来は適材適所に応じて木の種類が選別され家が建てられるべきなのです。
地球上には、様々な木の種類があります。
ですから、そこに建つ家も様々な木の特性を考慮して建てられるべきだということです。
自然は巧妙にその土地にふさわしい木を育てています。
例えば、
アカマツは、地表を覆う物があると発芽しない性質があるため尾根筋に育っています。
クヌギは、火山噴出物の土壌の上の緩やかな斜面や平地に育ちます。
さらに、「雑木林」という言葉もありますが、
「雑木林」でさえ、場・空間に適した、木が群生しているのです。
つまり、
地球上には、様々な波長・特性の違う木があり、その混在によって地表が覆われ
その恩恵を受けて生物が発生しています。
人間も同じ生物として、波長の違う木に囲まれて生活することで
「場が整い、バランス調整される」
結果として免役性が高まる、という現象がおきるのです。
さらに、1例ですが、
杉や松の巣材が発する芳香性炭化水素は
肝ミクロソーム酵素の生合成を引き起こし毒性として発生しますが
("Guide for the Care and use of Laboratory Animals"より)
他の樹木がこの成合性をうち消す働きがあります。
現在、時代を追うごとに
木造建築といえど
画一的な、建材・環境に囲まれた空間が出来上がりつつあり、
花粉症やアトピーなど、かつてなかった病、ついにはアズベスト問題まで生まれています。
全て、経済効率主導の社会システムがもたらした住環境破壊と言えます。
現在、トガ・杉・檜・クワ・クス・カキ・クリ・クヌギ・ナラ・シイ・ツゲ・イチョウ・キャラ・・・・・
など、それぞれの木材の、本体特性角度、月・太陽との季節に応じた傾斜関係、光源種別、水環境等を調査研究中ですが
日々の生活の中では、可能な限り、多種の木に囲まれた生活が理想であり
家具や置物など、
・こだわりの木材選び
・こだわりの自然素材選び
を偏らずに揃えることをお勧めします。