先日、明治のスカッチキャンディ菓子「チェルシー」が、今月末の出荷分を以て製造・販売を終了するとの報道がありました。

 

これにより、1971年発売から53年の歴史に幕を閉じることとなりました。

 

「チェルシー」は、明治製菓時代の1971年に発売開始。

 

発売の2年前に、「これまでにない、特徴と美味しさ」を追求した新しいキャンディを作ると言うコンセプトから、大型プロジェクトを立ち上げた中で、スコットランドで伝統的に食されてる「スカッチキャンディ」に着目。

 

「スカッチキャンディ」のレシピを忠実に再現し、イギリス趣味の品格と格調高い黒ベースに、スコットランドの高原の牧歌的な雰囲気をイメージした花のイラストが特徴的なパッケージデザインで登場しました。

ちなみに「スカッチキャンディ」は、製造工程において、水飴などの材料を高温で煮詰める「スコーチング」の工程から由来しているとのこと。

 

「スコットランド生まれの優しい味わい」のキャッチコピーと、安井かずみさん作詞、小林亜星さん作曲の「チェルシーの唄」に乗せて、スコットランドで一大ロケーションされたCMが話題を呼び、モデルのスコットランドの女の子が「アナタニモチェルシー、アゲタイ。」と言う台詞のインパクトもあり、瞬く間に明治の看板商品となり、最盛期は年間25億まで売り上げる人気商品になりました。

 

ちなみに「チェルシーの唄」はシモンズ、南沙織さん、サーカス、アグネスチャンさん、近年は、PUFFYやケミストリーも歌うなど、世代と時代を超えて歌い継がれました。

 

しかし、ここ数年は、少子高齢化による人口減少社会への移行や、昨今のロシアのウクライナ侵攻以降の世界的な原材料費高騰もあって、売り上げが下がり、直近のデータでは、全盛期の5分の1にまで売り上げが下がったとのこと。

 

国内では、ミント系タブレット菓子やグミキャンディなどの台頭もあって「チェルシー」の存在感が年々薄まった感もあり、気になっていましたが、これらの複合的要因があって、今回の製造・販売終了という判断になりました。

 

昔、父親の車のダッシュボードに「チェルシー」のバタースカッチがあって、その優しい甘さが好きで、よく食べてましたが、自分の生まれる前からあった「チェルシー」がなくなることになろうとは思ってもみなかったし、寂しくなりますね。

 

「昭和は遠くなりにけり」を肌で感じることが多い、今日この頃ですが、「チェルシー」の件は何気にショックだったりします。

 

明治では「明治ミルクチョコレート」や「明治アポロチョコレート」などと並ぶロングセラー商品でしたが、絶盤を前にもう一度「チェルシー」を食べたいと思います。