時期的にはちょっと遅くなってしまったが、まだ十分に暑いのでこんな話題を。

 

 夏河を越すうれしさよ手に草履   与謝蕪村

 

 炎天下、夏の川を渡っている。着物は尻端折りにして、草履は手に提げ裸足になって、対岸を目指す。素足に当たる水のなんと冷たくうれしいことか。さっきまでの暑くて辛い道のりを忘れてしまうほどだ。(解釈:偏屈着物親父)

 

こんなイメージですかね。本当は俳画でも、といきたいのですが、私は絵がとんと苦手なので、写真でご勘弁を。

 

 私には俳句に関する教養がほとんどない。読むのも作るのもほとんど経験がない。俳句に関して知っているのは、「有季定型」という約束、「季重なり」は禁じ手ということ、あとは「字余り」、「切れ字」くらいである。

 冒頭の句は、たまたま目にしたものであるが、俳句が分からない私の心にも、すうっと入ってきた。

 蕪村は画家でもあったので、彼の詠む句は絵画的であるとよく言われるようだが、この句も絵が浮かんでくるようだ。この猛暑の中に、一滴の清涼感を与えてくれる。

 

 この句に触発されて、自分も数句詠んでみた。(写真と一緒にお楽しみください)

 

  もろ肌の素肌なでゆく夏の風

 

 

  夏の川下帯一つの心地よさ

 

  川岸の青葉に涼し白ふんどし