・僕が少年だった頃。 両親は 離婚。
父は お料理が 出来ない人だったので
通販であるものを大量にまとめ買い
していました。
それが 『 お茶漬けの素 』 でした。
それからは 毎日、毎日、
来る日も、来る日も、
しゃけ、めんたい、うめ、
わさび、ノーマル
と 毎日、お茶漬けでした。
父は 仕事をしながら
慣れない炊事や家事をしてくれていたため、
言い出しづらかったのですが、
実は 僕は かなりの『 猫舌 』であり
熱いお茶漬けが 大の苦手でした。
また、 少年の頃 は兄が
『力』という名の
絶対的な 権力を持っていたため、
父の知らないところで
しゃけ 、 めんたい、 うめ、は
いつの間にか 兄 専用のアイテムとなり、
僕が 食べていい権利があるのは
わさび か ノーマル だけでした。
わさびの刺激は 子供にはちとキツく
ノーマルはあられの食感が嫌でした。
当然、食べるのが遅れ
結局、残してしまうため
仕事に急ぐ父から よく叱られていました。
そんなある日、
僕はある事を思いつきました。
それは わさび、ノーマル が 無くなれば
しゃけ、めんたい、うめ、が
僕 にも回って来るのでないかと。
僕は 大量にある わさび、
ノーマルのお茶漬けの素を
ビニール袋に入れ
ゴミ箱に捨ててしまいました。
しかし、
それは すぐに 帰宅した父にバレてしまい
理由を話せと言われましたが
僕には それを言うことが出来ず
父に 叩かれてしまいました。。
その日から、僕は友達の 富田くんの家に
入り浸るようになりました。
富田くんのお父さんは中学校の先生で
富田くんのお母さんも確か、元は音楽の先生
だったと記憶しております。
富田くん家は とにかくすごかった。
いつも カルピス や ミロ が
無造作に置いてあって飲み放題。
いつもお母さんの手作りの
クッキーやバターロールやクロワッサンや
ケーキやらが用意してあって。
おまけに
恐竜図鑑や動物図鑑 お魚の図鑑、
車の図鑑など興味のある本が大量に
置いてあって お父さんからも
色んな話を聞かせてもらいました。
僕は いつの間にか富田くん家で
夕食を済ませてから 自分の家に帰ると
いうふうになっていました。
そんな日が続き
ついに父の逆鱗に触れてしまいました。
ある日、僕が
いつものように富田くん家にいたら
突然、父が 迎えにやって来て
お説教ののち
理由を聞かれ やはり言えず
再び、ひっ叩かれてしまいました。
しかし、その翌日、富田君伝に
そのことを知った富田くんのご両親から
父に連絡がいったらしく。
学校帰りに 父は迎えに来ていて。
無言のまま 一緒に帰宅。
家の食卓には 相変わらず
ご飯と お茶漬けの素が置いてある。
でも、今日は しゃけ めんたい
などの お茶漬けの素が置いてあって
父は 僕がゴミ箱に捨てたはずの
わさびのお茶漬けを食べながら
『お前は 好きなのを食べろ』
と言いました。
僕は 悪いなと思い
しゃけや めんたいではなく
わさびのお茶漬けの素を選びました。
父は一言『ごめんな、』と言いました。
僕は 必死に 聞こえないふりをして
わさびのお茶漬けを食べ続けました。
この時、僕は
何があっても
明るく生きて行こうと誓いました。
しかし、後日から連チャンで
飲み屋の姉ちゃんから電話があったり
女と歩いているところを目撃したりして
あの『ごめんな、』の意味が
別のものであったことを知り、
父に対して
さつい すら おぼえました☆
そんな 悲しい お茶漬けの素の
お話でした。
お茶漬けって美味しいですよね！！
みんなも お茶漬け食べてテンションを
アゲ、アゲ いきましょうね！！