☆せっかくお星さまを見に来たのに
空は御覧の有り様…

星どころか 遠くにお月さまが見えるだけ…
どこか晴れない ヨモギダの心と同じだ。
☆『時』がたつのは本当に早いものだ。
あの子 が お星さまになってから
ずいぶんと 月日が流れたものだ。
もし、いまも生きてくれていたのなら
16才になっていた。
今日はあの子の命日。
毎年のことながら、思い出のこの場所に来ると
いろいろと複雑な思いが心を撫でる。
見えもしない夜空を見上げて
あの子お星さまを探している自分がいる。
今日は 会うつもりなど無かったが 、運悪く
あの子のお墓で前の嫁さんと出会ってしまった。
気まずかった。。
あの子のお墓に手を合わせたら、
たくさん思い出が溢れて来た。
私がまだ尻の青かった頃だ、
前の嫁さんと出会った、前の嫁の連れ子だった。
はじめて あの子を見た時だ、私は
まだ小さかったあの子をこの手に抱いて
こう言った。
『この子は誰にも負けない立派な子に育つ』
『オレはこの子の父親になる』
それから親の反対を押し切って
一緒に暮らしはじめた
生活は貧しく 仕事も掛け持ちしたが ツラいとは思わなかった。
なんせ家に帰れば キャッキャッと無邪気に笑う
あの子のが出迎えてくれる。
ドライブが好きな子で暇さえあれば
一緒にいろんな場所に行った。
一年、また一年と
日々、成長してゆく あの子の姿を見るのが
このうえなく しあわせだった。
この幸せがずっと続くものだと思っていた。
だが、別れはある日、突然にやって来た。
人は生きていれば少なからず何らかの
十字架を背負うものだ。
そんなことはわかってはいたが
どうにも割りきれず。
それから我々は別々の道を歩み 別々の人といる。
だが、前の嫁が少し困った顔をして
こう言ってくれたんだ。
『あなたと過ごせた7年間、
あの子は本当に幸せだったと思う。あなたは
あの子の立派なお父さんだったよ。』と
それから私は車に乗ってサングラスをかけた。
『私は君の本当のお父さんに
なれていたのかな…?』
思えば、いつも私のあとをついてくる子だった。
わん、わん、って
そう
ワン!! ワン!! って
今日は 愛犬 クロ の命日だ♪☆☆
