B面から語る松田聖子⑲『世界に羽ばたくSeiko』
妄想全米進出シリーズ、パラレル世界の聖子さんが世界に羽ばたきます!
相変わらず何でもアリですが、妄想の世界なんでお許しを~(笑)
トモ夏樹(以下TM)
皆さんこんにちは、ザギンウエブです。デビュー41周年を迎えた「世界の歌姫」パラレル聖子さんの生みの親でもあり育ての親でもあるしおきゅうPさん独占インタビュー、今日は第4回です。しおきゅうPさん、今回もよろしくお願いします。
しおきゅうP(以下SQ)
こちらこそ、よろしくお願いします。
TM
明けて1985年、パラレル聖子さん、とあるレコーディングに参加されましたね。
SQ
ええ。これは大変光栄な出来事で、聖子も興奮していました。
TM
その点については後程。まずは1月30日に全米進出第7弾シングル『ガラスの林檎/林檎酒の日々』が発売されました。奇しくも両A面共に「林檎」が曲名に入っています。これは何かの意味があったのですか?
SQ
はい。世界を変える為です。
TM
え?聖子さん、ラジオで「りんごは寒い」って言ってたのは覚えてるんですが(笑)
SQ
林檎には、世界を変える魔法の力がある、という事ですよ。イヴが食べてしまった林檎(禁断の果実)、ニュートンが発見した林檎(万有引力の法則)、音楽で世界を席巻したビートルズの林檎(アップル・レコード)・・・。最近であれば、スティーブ・ジョブスが創った林檎(アップル)、も加わりますね。
TM
なるほど。それと同じように、松田聖子が世界を変える、と。
SQ
ええ。全米での音楽活動については、この時期すでに大成功を収めていたと言っていいと思うのですが、全米と言わず、世界中の皆さんに、Seikoを知ってもらいたかったので。
TM
まさしくここからの聖子さんの活躍は、オール・オーバー・ザ・ワールドになっていきますね。そして聖子さん自身も、この辺りからグッと大人になりました。「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という言葉がありますが、「聖子、三日会わざれば刮目して見よ」っていうぐらい、あっという間に大人の雰囲気の聖子さんになりました。
SQ
三日どころか、日に日に変わっていく感じでした。聖子自身にも、林檎の魔法の力が働いたのかもしれません。
TM
わかりますね~。そうとしか思えないぐらい違う雰囲気の聖子さんに、海外ファンの皆さんは戸惑いみたいなものを感じなかったのでしょうか?
SQ
本当にあのBrikko Seikoと同一人物なのか?とよく言われてましたね(笑)それは驚きであると同時に、称賛の声だったとも思います。聖子が元々持っていた純真無垢な部分、それが洗練されてくる事で、神聖な光を放ち始めた。『ガラスの林檎』は、数ある聖子の曲の中でも異彩を放っています。聖子の歌声も、クリスタル・ボイスとして称賛されました。
*冬の臨海公園さん、ありがとうございます。
*筆者注
公開放送の生歌でこの歌声、信じられな・・・、おっと『ガラスの林檎』に関しては、最近記事を書いたばかりなので今回は語るのは止めておきます
TM
そして『林檎酒の日々』に関しては、あの世界的音楽家でありプロデューサーでもあるデビッド・フォスターが作曲でした。これをきっかけに、パラレル聖子さんの世界進出に弾みが付きましたね。
SQ
これもまた、素晴らしい出会いでした。
デビッド・フォスターと言えば、やっぱりコレ。
シカゴ「Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)」
*MrMoonligttさん、ありがとうございます。
TM
デビッド・フォスターから聖子さんに、何かアドバイスみたいなものはあったのですか?
SQ
実は彼から、聖子の発声方法や微妙な音程について歌唱指導したい、っていう話がまずあって。
TM
え?そうなんですか?聖子さん、歌唱力抜群なのに。
SQ
いや、彼がそう言うのも私はわかるんです。聖子の歌の上手さというのは、機械のような正確性に根拠があるわけではないので。聖子独特の感性で、微妙に音程をずらしたり、裏声と地声の間を揺れ動くような発声をしたり、そうした天性の勘や閃きのまま自由自在に表現できる天才、それが聖子なんです。でもそうした部分がデビッドには、「完璧ではない」と感じられたのでしょう。
TM
それで実際に歌唱指導を受けたのですか?
SQ
いえ、それは丁重にお断りしました。今の私は、松田聖子という素材を加工調理する気はない、いかに「素材そのままの美味しさ」を引き出していくかが重要だと考えているから、と。ただし、聖子も年齢を重ねれば、いずれそうした事も必要になってくるだろうから、その時にお願いします、とお伝えし、納得していただきました。そうしたら、「曲だけでも提供したい」という事で、出来上がってきたのが『林檎酒の日々』でした。
*筆者注
リアルでは、聖子さんは『Citron』のレコーディング時に彼の歌唱指導を受けました。この点についての思いを書き出したら止まらなくなるので、以下の記事、例によって長文ですがよろしかったらどうぞ。それにしても、なんだこのタイトルは?
TM
『林檎酒の日々』は壮大な曲ですね。オーケストラのアレンジも凄い。
SQ
これはもうね、スケールの大きさが北米大陸の自然そのものですよ。時に激しく、時に穏やかな大地が、どこまでも広がっている。
TM
聖子さん、北米大陸の情景を見事に描き出したわけですね。最後のロングトーンも圧巻です。
SQ
地平線の果てまで広がっていくような感じですね。
*Dat Ashさん、ありがとうございます。
TM
そして2月26日には、第27回グラミー賞が開催されています。新人賞にノミネートされていたパラレル聖子さん、同じく前年に旋風を巻き起こしたシンディ・ローパーとどちらが受賞するのか、世界中が注目していました。
SQ
シンディも個性的で素晴らしかったね。
「Girls Just Want To Have Fun」
当時、「ハイスクールはダンステリア」っていう邦題が付いていました(笑)
「Time After Time」
*Cyndi Lauperさん、ありがとうございます。
この曲は聖子さんもカバーしてますね。
TM
結果は見事にBest New Artist(最優秀新人賞)を受賞、これは日本人歌手としての歴史的快挙でした。聖子さんも泣いて喜んでいましたね。
SQ
そりゃ嬉しかったでしょう。1年前、同じグラミー賞を見て圧倒されていた聖子だから。
TM
日本ではレコード大賞の最優秀新人賞を取れなかった聖子さん、それがグラミー賞の新人賞なんて、凄すぎますよ。
*筆者注
これはグラミー賞のステージです!!(笑)
でも実際のグラミー賞は、生歌無いんでしたっけ?
とにかく、ここでもレコード大賞の無念を晴らしました
*pinkdiamondさん、ありがとうございます。
TM
さらに快進撃は続きます。「U.S.A For Africa」と銘打って、世界的に著名なミュージシャンが結集して歌った「We Are The World」が3月8日に発売されたのですが、何とそこにも聖子さんの姿が・・・。
SQ
名実共に、世界の松田聖子として認められた瞬間ですね。今でも誇りに思います。
*USAforAfricaVEVOさん、ありがとうございます。
*筆者注
それにしても凄いメンバー。当たり前ですが、皆さん歌がメッチャ上手くて、かつ個性的。こんなハイレベルなエンタテイメントの世界の中、聖子さんがどこで歌っているか、妄想してみてください
TM
そして聖子さんの誕生日、3月10日には『瞳はダイアモンド/真夜中のドア~Stay With Me』が発売されました。まず『真夜中のドア~Stay With Me』についてお伺いします。この曲は1977年に発売され、松原みきさんが歌ってヒットしました。何故この曲のカバーを世界に発信しようと考えたのですか?
SQ
私の場合、一言で言えば直感でしかないのですが、この曲は聖子に合うな、と感じたので。作詞が三浦徳子さん、作曲・編曲が林哲司さんという事で、聖子に曲を提供してくださった方が制作していましたし。
TM
所謂シティポップの定番として、今また世界でブレイクしていますね。
*isastar130さん、ありがとうございます。
話がそれますが、興味ある方はコチラの動画を。感慨深いものがあります。
*OPELISTおぺしまさん、ありがとうございます。
*筆者注
松原みきさん、本当に素敵な方でした。ご冥福をお祈りいたします。
そしてこの件に関して、本当にたまたまなんですが、本家ギンザウェブの方で話題になっていました。なるほど、アルバム『Canary』の収録曲もシティポップっていう事になるわけですね。
自分がツボだったのはこのお言葉。
W いやいや。聖子も直感人間だからそんなに考えたり分析しながら歌ってはいないんですよ。もちろん歌詞カードに自分だけにわかるメモはしていましたが、あれは計算じゃなく、もっと本能的。ポップスは計算や分析してちゃダメ。娯楽だから感覚が何より大事だから。
さすが本家ギンザウェブ、そして若松さん。仰る通りです
そしてこのカバーは100%妄想なので残念ながら音源はありませんが、やっぱりコレですね!本当に貴重なコラボだと思います
*Y TAKAHIROさん、ありがとうございます。
81年前半の聖子さんの歌声、豊潤にしてパワフル、本当に凄いです。ボイストレーナーの方もメロメロです
*HOV Channelさん、ありがとうございます。
ノリがおおらか、なるほど~。個人的には、83年、それこそアルバム『Canary』の頃の聖子さんが歌っても、それはそれでハマるような気もします
TM
そして『瞳はダイアモンド』。聖子さんの洗練された美しい歌声が、素晴らしいですね。
SQ
ええ。当時、海外のファンの間でダイアモンド・ボイスと称賛されました。
*GREEN TEAさん、ありがとうございます。
TM
クリスタルの次はダイアモンドですか(笑)この曲は、ヨーロッパ諸国でも大ヒットしました。
SQ
曲の雰囲気がヨーロッパの街並みに合っていたのかもしれません。
TM
東洋のダイア、ジャパニーズ・ビューティー、ダイアモンド・プリンセス(船ではありませんw)等々、聖子さんの美しさを称賛する海外メディアも多かったと記憶しています。ヨーロッパのとある小国の王子からプロポーズされた、なんていう噂も(笑)
SQ
私は聖子のプライベートには一切関わらなかったので、わかりません(笑)
*九頭知蔵さん、ありがとうございます。
美しくて品があって可憐で、まさしくPrincess Seiko
TM
そしてこの後全世界に衝撃が走ります。聖子さん、ここで婚約発表をしました。6月24日に結婚、歌手活動も休養する、と。世界中の聖子ファンがSeikoロスになったという(笑)
SQ
私は元々占い師の方から宣告されていたので、覚悟はできていました。それよりも、もっと衝撃的な話がありましたので。
TM
そうですね。聖子さんの全米進出シングルも残す所あと1枚となりました。このインタビューも次回が最終回となります。お楽しみに!!
パラレル聖子の軌跡
1984年
4/1 裸足の季節/青い珊瑚礁
5/15 夏の扉/ SQUALL
7/1 渚のバルコニー/ マイアミ午前5時
8/15 天国のキッス/白いパラソル
10/1 風立ちぬ/ 一千一秒物語
12/1 恋人がサンタクロース /星のファンタジー
1985年
1/28 「We Are The World」レコーディング
1/30 ガラスの林檎/林檎酒の日々
2/26 第27回グラミー賞 Best New Artist(最優秀新人賞)受賞
3/8 「We Are The World」発売
3/10 瞳はダイアモンド/真夜中のドア~Stay With Me