B面から語る松田聖子⑱『心の風景を歌うSeiko』 | 「松田聖子」という奇跡

B面から語る松田聖子⑱『心の風景を歌うSeiko』

いきなりですが、大谷翔平選手の二刀流、凄いですね~、まさしく漫画の世界じゃないですか!

あんな展開は「MAJOR」の茂野吾郎だってやってないから、漫画以上かもしれません(笑)

大谷さんが二刀流に挑戦すると表明した時には、批判的な論調もあったと思います。

つまり、常識外れな展開が実際に起きる事もある、って事ですね。

でも考えたらアイドルと歌手の二刀流っていうのも、実は凄い事なのかも。

もちろんアイドル歌手の方はたくさんいらっしゃいますが、どちらも超一流レベルって事になると話は別ですパー

 

 

「B面で語る松田聖子」妄想全米進出編、もちろん妄想話ではありますが、こうなる可能性だってあったかもしれませんよ~にひひ

いや、現代はYoutubeっていうものがありますから、今からでも遅くはありません。

「松田聖子」が世界を席巻する日が来るのを、楽しみにしておりますニコニコ

 

トモ夏樹(以下TM)

皆さんこんにちは、ザギンウエブです。デビュー41周年を迎えた「世界の歌姫」パラレル聖子さんの、育ての親であり生みの親でもあるしおきゅうPさん独占インタビュー、今日は第3回です。しおきゅうPさん、今回もよろしくお願いします。

しおきゅうP(以下SQ)

こちらこそ、よろしくお願いします。

 

TM

1984年秋、パラレル聖子さんが全米デビューして半年が経った頃には、ビルボードトップ10の中で聖子さんの曲が常に3~4曲はランクインしている状況となりました。この快進撃で、アメリカはもちろん日本国内でも一大聖子フィーバーとなりましたが、この辺りの状況についてお聞かせください。聖子さんが全米進出すると発表した時には逆風もかなりあったように記憶していますが。

SQ

確かに、色々と批判的な論調が多かったのが、掌を返したように持ち上げられて(笑)でも、素直に嬉しかったですよ。聖子自身は、逆風に打ちのめされる事も、快進撃に浮かれる事もなく、何も変わらなかったですね。心の中では秘めた思いもあったのでしょうけれど。そこが彼女の素晴らしい所です。

 

 

TM

そして10月1日、全米進出第5弾となる『風立ちぬ/一千一秒物語』が発売されます。ここで初めて、舞台が海辺の曲ではなくなりますし、曲調や雰囲気も変わってきますね。何か意識されていた所はあるのですか?

SQ

はい、海外で勝負するにあたり、やはり「日本」というものを意識していました。フジヤマ、ゲイシャ、サムライ、スシ、エコノミックアニマル、といった、当時思われていた絵に描いたようなニッポンではなく、日本の風景、気候、文化のようなものを、さりげなく伝えられたら、というのはありましたね。それから季節感も大事にしていました。聖子の歌は、春夏秋冬、それぞれの季節の風景をごく自然に描き出す事ができるので。もちろん言語の問題もあり、日本の季節感や風景を100%伝えるのは難しいですが、その雰囲気だけでも伝わればいいと思っていました。

 

*筆者注

この動画、英訳が付いているので、アメリカのTVで歌ったらこんな感じになるイメージで(笑)

*サマーさん、ありがとうございます。

 

 

TM

なるほど。どちらの曲も、同じタイトルの日本文学がモチーフになっていますしね。さて、アメリカでは若年層中心で支持されていたパラレル聖子さんが、このシングルから幅広い年代に支持されるようになりました。

SQ

これは大瀧詠一さんの「仕掛け」が大きかったように思います。大瀧さんは、曲の所々に1960年代のオールディーズのサウンドを織り交ぜていましたから。大瀧さんの彼らへのオマージュが、アメリカの視聴者に受け入れられるきっかけにもなった。聖子の歌声も、そこにピッタリとハマりました。

 

♪今日から私は~♪

Jimmy Clanton - Venus In Blue Jeans

*John1948SevenAさん、ありがとうございます。

 

イントロが・・・(笑)

Diane Renay - Kiss Me Sailor & Navy Blue

*N Gambleさん、ありがとうございます。

 

♪バーシュパ バーシュパ♪

Reparata and the Delrons - I Have A Boyfriend

*TheLimePopsicleさん、ありがとうございます。

 

TM

日本の風景を、アメリカ人の心の琴線にも触れるようなサウンドで彩っている、これは究極の和洋折衷ですね。それと音が分厚い。まさしく「ウォール・オブ・サウンド」です。

SQ

その辺りの大瀧さんのこだわりは強いですね。

 

TM

サウンドと言えば、『風立ちぬ』もまた、曲だけ聴いてる分には「別れ」をイメージしないサウンドですね。高原の爽やかな風が感じられる曲に仕上がっています。

SQ

はい、「別れは一つの旅立ちだから」という曲ですし、そこは聖子らしい「別れ」の捉え方、伝え方、でいいと思うんです。ジメジメしないで、むしろ前を向いて歩き出す。だからこそ「切なさ」が心に響く部分もあって。それが聖子流の「SAYONARA」なんでしょう。

 

*Anya 787さん、ありがとうございます。

 

TM

その「SAYONARA」ですが、当時、別れの挨拶を「Good bye」ではなく「SAYONARA」を使うアメリカ人が結構現れました。ついに、アメリカで社会現象まで起こしてしまった(笑)

SQ

私も聖子も、「SAYONARA」ってどういう意味だ?ってよく聞かれました。さようなら、左様なら、それならば・・・。考えてみれば不思議な日本語です。「それならば」っていう「それ」が何なのか?(笑)グッバイ、ゴットバイ、神があなたの近くにいてあなたを守ってくれますように、というのはよくわかりますが。それにしても、アメリカで聖子の影響力がここまで大きくなっている事に驚きました。

 

*筆者注

完全な余談ですが、興味ある方はこの本をぜひ!!「さようなら」の意味がわかります。

キーワードは○○。私にとっての○○は、もちろん聖子さんですべーっだ!グッド!

 

TM

そして『一千一秒物語』。秋や冬の透き通った空気がよく似合う仕上がりになっていますね。

SQ

この曲については、むしろアメリカの風景を思い浮かべた方がしっくり来るのではないですか?それこそ1960年代ぐらいのアメリカの風景。

 

TM

「ペイパームーン」「パーティ」「クールミント」、こうやって並べると、確かに。あ、「キス」じゃなくて「キッス」という所がまた(笑)それにしても、まるで映画のワンシーンのような映像が浮かんでくる曲です。

SQ

先程私は、日本を意識した、と言いましたが、それは同時に、アメリカを強く意識している事の裏返しでもあります。そして聖子なら、アメリカの風景を歌う事もできると思いました。

 

TM

アメリカと言えば、『マイアミ午前5時』もうそうでした。

SQ

あの曲、最初は松本隆さんもマイアミをイメージしていたわけではありませんでした(笑)今考えると、『青い珊瑚礁』のような海辺を歌う曲も、国は関係ありません。

 

TM

確かに。でも例えば、ジョン・デンバーの「カントリーロード(Take Me Home, Country Roads)」なんかを聴くと、あれはアメリカの故郷をそのまま歌った曲です。後に日本ではアニメ主題歌として日本語訳で歌われたりしましたが、私が聴いていたのは英語歌詞でした。英語歌詞で、しかも日本にはああいう風景というのは存在しないと言っていいと思うんですが、それでもアメリカの田舎の風景が頭に浮かんで、妙に懐かしい気持ちになりました。やっぱりそういう雰囲気が伝わる、という事はあるような気がします。それぞれの心の中にある風景、と言いますか。

SQ

『風立ちぬ』では、「今日から私は 心の旅人」ですから。心の旅人が見る風景は、心の風景、という事です(笑)日本の高原の雰囲気が少しでも伝わっていたら、嬉しいですね。

 

自分はオリビアのカバーをよく聴いてました音譜

*RINMCU01Bさん、ありがとうございます。

 

TM

そして『一千一秒物語』を聴いていると、聖子さんの歌声、表現力が本当に凄いです。何がどう凄いのか、説明するのが難しいですが。わかりやすい所で言えば、最後の「離さないでね」の繰り返し、あの歌い方の違いですよ。そういうエッセンスが至る所に散りばめられています。歌声のかすれ具合、声の伸び、強弱、途切れ方、抜き方、瑞々しさ、揺れ具合・・・、全てが絶妙です。あ~、言葉にできないのがもどかしい(笑)

SQ

わかります、わかります(笑)聖子の歌声は、楽譜に載せる事ができないものなので。技術や訓練ではなく、本能的にやっている事なので、歌声が「生きて」いるんです。ちゃんと聴いている人には、理屈抜きに伝わると思います。

 

*Anya 787さん、ありがとうございます。

 

TM
そうそう、そうなんですよ!!・・・すみません、つい興奮してしまいました(笑)でも実はこの時期、まだ聖子さんは喉の調子が芳しくなくて、でもそれが『風立ちぬ』の「SAYONARA」とか「帰りたい 帰れない」にピッタリ合うんですよね~。

SQ

「帰りたい 帰れない」の所での聖子の感情移入は凄いですね。先程も言いましたが、あれだけ思いを込めているのに、ジメジメしたものは感じない。これははっきり聖子の特性だと思います。

 

*SnowDudeさん、ありがとうございます。

グッと来るなあ・・・えーん

 

*仁君さん、ありがとうございます。

こちらは喉の調子がいい時。凄い歌声です。『白いパラソル』同様、どちらもそれぞれに素晴らしい!!

 

TM

そして全米進出第6弾、次のシングルは12月1日発売『恋人がサンタクロース/星のファンタジー』です。これはもう、季節感どころの話じゃないです、クリスマスですからアメリカ人には何の説明もいりません(笑)それにしても、ここでユーミンのカバー曲を入れてきましたね。これは当時、意外に思いました。

SQ

そうですね。仰る通り、アメリカの冬と言えばクリスマスという事で、クリスマス企画のアルバムを全米発売したんです。そこにこの曲が収録されていたのですが、これなら行ける、という事で即シングルカットしました。

 

TM

『Golden ribbon』(日本では『金色のリボン』として発売)ですね。1984年の冬と言えば、イギリスではワム!の「Last Christmas」が、アメリカではパラレル聖子さんの『恋人がサンタクロース』が、街では流れていました。

SQ

そういう意味では、聖子自身がアメリカの風景の一つになった。そしてもう、日本も、アメリカも、意識する必要がなくなったと思いました。先程も言いましたが、聖子の歌声は、日本に限らず海外の風景にもよく合います。それこそ「心の風景」を歌っているから。元々彼女には、ワールドワイドな資質があったんです。少し大袈裟な言い方になりますが、国、民族、文化、そういったものを飛び越える、普遍的なものを持っている。

TM

「世界の歌姫・松田聖子」は必然だったわけですね。

 

*Wham!さん、ありがとうございます。

 

この曲は、聖子さんも91年にカバーしています。

*Seiko1701DXUltraさん、ありがとうございます。

 

*アイドルの80's年代.さん、ありがとうございます。

 

TM

『恋人がサンタクロース』は、理屈抜きで楽しい気分になる曲ですね。

SQ

一番素晴らしいのは、聖子が伸び伸びと歌っている事。それが聴き手にも伝わるんだと思います。

 

TM

そして『星のファンタジー』では、一転してバラードを歌い上げています。この曲の歌唱で、聖子さんの歌唱力が全米でも認知された印象があります。

SQ

こういう曲だとわかりやすいですね。それにしても今聴いても素晴らしい。いや、今聴いた方がその素晴らしさを実感します。星空を眺めている時の静かな、それでいて溢れるような感動が、歌声そのものから伝わってきます。

 

*アイドルの80's年代.さん、ありがとうございます。

 

TM

当時一番近くにいたしおきゅうPさんでさえそう感じるのですね。このシングルのヒットがきっかけで、全米3大ネットワークの一つ、ABCで聖子さんのクリスマス特番も放送されました。

 

ここで映っているのはアメリカのディズニーランドです(笑)

*LULLABY 80'sさん、ありがとうございます。

ラストの「When You Wish upon a Star(星に願いを)」が素晴らしすぎる~ラブラブ!!!

 

*HEART BEAT707さん、ありがとうございます。

高音が綺麗に出ていますね~グッド!

 

*dora nekoさん、ありがとうございます。

何て素晴らしい!!

♪空から来た天使♪・・・、まさしく笑い泣き

 

TM

さすが松田「聖」子、まさに聖しこの夜、っていう感じです。

SQ

聖子にはクリスマスが良く似合う。松田聖子という芸名にして良かったと心から思います。

 

TM

そしてさらには、マディソン・スクエアー・ガーデン、通称MSGでのクリスマス・コンサートも。この「クリスマス・クイーン・コンサート」は、全米の聖子ファンの間で、今も語り継がれる伝説のコンサートとなりました。

 

日本武道館ではありません。MSGです(笑)

*531SENGOKUさん、ありがとうございます。

 

TM

聖子さん、これだけ動き回りながらもの凄い声の伸び、これは客席のアメリカ人もノリノリでしょうね。きっとTVの前の視聴者も。まさしく「全米が揺れた!」っていう感じです(笑)

SQ

聖子も若かった。それにしても、大きな会場でこれだけの一体感が生まれる、っていうのもなかなか無いんじゃないかな。

 

TM

そして『星のファンタジー』。ほとんどアカペラのような状態でのストレートな歌唱が心に響きます。まるでMSG全体がプラネタリウム、いや、もう小宇宙になったかのような雰囲気で、歌い終わった後、聖子さんが会場を見渡している姿が印象的です。

SQ

うん。きっと満点の星空が見えているんだろうね。この曲だけ帽子を取って歌うのも、最後の深々としたお辞儀も、実に聖子らしい。

 

*natsukashino 80sさん、ありがとうございます。

 

TM

さて、3回に渡って、パラレル聖子さんが全米に旋風を巻き起こした1984年を振り返りました。さあ、次はさらなる飛躍が待っている、1985年の聖子さんを振り返りたいと思います。しおきゅうPさん、次回もよろしくお願いします。

SQ

はい。私の気持ちも盛り上がってきました(笑)こちらこそ、よろしくお願いします。

 

 

パラレル聖子の軌跡

 

1984年

4/1 裸足の季節/青い珊瑚礁

5/15  夏の扉/ SQUALL

7/1 渚のバルコニー/ マイアミ午前5時

8/15 天国のキッス/白いパラソル

10/1 風立ちぬ/ 一千一秒物語

12/1 恋人がサンタクロース /星のファンタジー