B面から語る松田聖子⑫『レンガの小径』
「B面で語る松田聖子」、今回の曲は『レンガの小径』です。
結局、今回も超大作です
*この記事は、「もし松田聖子のシングル曲のB面がA面として採用されていたら?」というパラレル世界を描いた妄想記事です。
でもその前に
私の聖友さんを紹介させてください。
いちごMILKさんです。
いちごMILKさん、言うまでもなく聖子ファンの方です。
以前はいちご畑というHNで活躍されていました。
結構長いお付き合いです。
このブログにも、よくコメントをいただいてましたね。
いちごMILKさん、とっても女性らしいお優しい方で、聖子愛はもちろん、聖子ファンの皆様にもとっても優しい方なんです。
最初のうちは、メガネおやじさんや私のブログにコメントされてたんですが、2014年ぐらいから?ご自身でブログを始められました。
それから7年、今ではもう完全にベテランブロガー、私なんて足元にも及ばない人気聖子ブロガーさんですね
以下、いちごMILKさんの最新記事をリブログ(リツイートみたいなもの?)させていただきました。
ぜひぜひ、いちごMILKさんの記事に、遊びに行ってくださいませ
記事の最後に、聖子さんクイズがあります。
これ、難しいですよ~
私はいつも半分できるかできないか、という感じで、全然ダメ生徒です(笑)
皆さんはいかがですか?
聖子さんクイズ、いかがでしたか?
難しかったでしょう。
回答は次回の記事に載せてくださると思います。
他の記事にもクイズありますので、ぜひチャレンジしてみてください
いちごMILKさんの記事はとても読みやすく、私のような「ひとりよがり」な内容と違い、聖子ファン初心者の方にも聖子さんの魅力がわかりやすく伝わるような、そんな素敵なブログです
特筆すべきはコメント数の多さ。
それだけ多くの熱心な読者の方に支持されているのでしょう。
そしていちごMILKさんのコメント返信の丁寧さ。
あのコメント量で、あれだけ丁寧な返信、真似できないですね~。
そして私を含めて他のブロガーさんの記事にも、実に丁寧にコメントされてます。
いちごMILKさんの優しさが溢れていると思います。
これはもう、人間として素晴らしいですね
ブログ書くのって、実際かなりのエネルギーを必要とします。
以前交流させていただいたブロガーさん、主戦場をツイッターの方に移した方も多いです。
私も暫くの間、このブログを休んでおりました。
そんな中、コツコツと記事を書き続けたいちごMILKさん、今のブログの賑わいは、その聖子愛が花開いた感じで、私も嬉しい限りです。
いちごMILKさん、これからもよろしくお願いしますね
さあ、充実の82年から、黄金の83年、奇跡の83年です。
でも、キツイ。
正直、キツイ。
この曲がA面というのは
今まで何回も書いてると思いますが、このシングルのA面B面の振り幅が凄すぎます。
『レンガの小径』、個人的に大好きな曲です。
後でたっぷり書きますが、何より聖子さんの歌声が凄い。
でも残念ながらどう考えてもA面曲ではない
財津さんも渋い曲書いたなあ(笑)
さらに言うと、『愛されたいの』と違って、この曲はTVで全く歌っていないのでこの記事もキツイ
リアル世界において、このシングルのA面はもちろん『秘密の花園』。
これはもうアイドル全開、どう考えてもこっちがA面曲ですよね(笑)
*rookさん、ありがとうございます。
まさに怒涛の連続波状攻撃
例えば今の若者にこの映像を見せても、理屈抜きにわかってもらえますよね?
松田聖子がいかに突出したアイドルだったか、という事が(笑)
で、どうしてもそっちの方に目が行きがちですが、♪誰も~っ♪のしゃくり上げ部分や♪は・な・ぞ・の♪の歌い方の艶っぽさ、これはほんの一例ですが、歌声や表現力でも突出してると思います
そしてもう有名になった、この曲のボツバージョン。
それこそ、もしこのバージョンが採用されていたらどうなっていただろう
っていう、これも所謂パラレル聖子の世界だと思います
他のボツバージョンは、歌詞が少し違うとか、アレンジが違うとか、もちろんそれも大きいと思いますが、この場合なんたってメロディが違いますから。
*musako37さん、ありがとうございます。
私なんか、このバージョン聴き過ぎて、もはや別バージョンとかじゃなく、普通に発売された松田聖子の曲として認知しちゃってます(笑)
ただ純粋に聴き比べたら、やっぱりユーミン作曲の方が好きです。
こちらはこちらで好きだけれども。
実際このバージョンで発売されてたら、どうだったんだろうなあ?
リアル聖子の世界では、この曲でオリコン連続10曲1位の記録作りました。
こっちだったら、1位取れたかな?
どうなんでしょう
でもなんせあのビジュアル、あの表現力、あの歌声ですから(笑)
凄いのは、メロディが違っても、しっかりと♪Moonlight majic♪な雰囲気が出ていること。
さすがです
さあ、そしていよいよ、ここで奥の手使います。
パラレル妄想聖子、ここから暴走しますよ~
*以下、完全な妄想です。
しおきゅうPが密かに画策していたもの、それは松田聖子と河合奈保子という、80年デビュー歌姫二人のデュエットによるレコード発売であった。
河合奈保子の持つ音楽性、聖子との声の相性を鑑みて、この企画は間違いなく成功する確信があったのだ。
二人の所属している芸能事務所(サンミュージック、芸映プロダクション)、レコード会社(CBSソニー、日本コロムビア)、そしてCMスポンサー(グリコ、ハウス)まで巻き込んだ、まさに一大プロジェクトである。
コンビ名は「ハウスグリコ」。
グリコ・ポッキーのCMに出演していた松田聖子と、ハウス・バーモンドカレーのCMに出演していた河合奈保子の競演ということで、2社共同による、それぞれのノウハウを生かした商品が共同開発された(グリコ・ポッキーカレー味、ハウス・アーモンドカレー)。
シングル2曲同時発売という事で、CBSソニーから、「ふりむかないで」(ザ・ピーナッツ、1962年)が、日本コロムビアから「ウエディングドレス」(九重佑三子、1963年)が、どちらも60年代作品のリメイクとして発売される事が決定した。
グリコ・ポッキーカレー味のCMには「ふりむかないで」が、ハウス・アーモンドカレーのCMには「ウエディングドレス」が、それぞれ採用されることになった。
皆さん、ここは笑ってくださって結構でーす
コンビ名、いくら考えても思いつかなくて、結局スポンサー名そのままの「ハウスグリコ」で(笑)
こんな名前じゃ出演できない歌番組多そうです
でもただでさえ忙しいのに、このコンビでさらにTV出演増えたら倒れちゃうので、そのぐらいでいいと思われます
実際の所は、ポッキーのカレー味は無かったのかな?
プリッツではあったと思います。
アーモンドカレーはもう語呂で(笑)
グリコならアーモンドに対する造詣も深いだろう、ということで
スポンサーがそれ程力入れるんだったら、当然シングルはオリジナル曲として制作されるはずですが、要するに松田聖子と河合奈保子という二人の歌姫が共演したミュージックフェアでのデュエット、この素晴らしいパフォーマンスを見るにつけ、これをこの時限りにものにするのは勿体ないな、と思った次第でして。
この妄想記事においては、82年デビューの中森明菜さんの存在の大きさというのは当然ありますし、私も明菜さん好きですが、聖子さんのライバルという意味合いにおいては、やっぱり明菜さんじゃなく奈保子さん。
同期デビューというのはもちろんですが、系統が同じなんですよね~。
明菜さんはやっぱり百恵さん系統というか、少し影がある部分に魅力があったりしますが、聖子さんと奈保子さんには、太陽のような眩しさを感じます。
そして二人とも、何しろ歌が上手くて声が魅力的。
ビジュアルには、対照的な部分もあったりますが(お察しくださいw)。
この二人が一緒に歌ったら、そりゃ相性バッチリです
河合奈保子さんのアイドル曲として思い浮かぶのは、これかな~。
「スマイル・フォー・ミー」
*musictvnaoさん、ありがとうございます。
はじけてますね~、まさしく正統派アイドル、って感じです
そして『レンガの小径』のA面であった『秘密の花園』の時期の奈保子さんといえば、この曲。
この前の「けんかをやめて」から続いて、竹内まりやさんが書いた曲です。
「Invitation」
*時代に愛された彼女たちさん、ありがとうございます。
しっとりな曲も素晴らしい
先程「太陽のような」と表現しましたが、実力派の奈保子さん、こういう「しっとり路線」が一番フィットしてたのかもしれませんね。
本当に綺麗な歌声です
そういえばこの2曲、どちらも大村雅朗さんのアレンジです。
当時、聖子さんも忙しかったけど、大村さんもどれだけ仕事してたんだろ?って思います(笑)
それから、こんなのもありました。
*なおろんさん、ありがとうございます。
*松田聖子コンサートYouTubeラジオマイケルJJさん、ありがとうございます。
どちらも素晴らしい
そうとしか言いようがありません。
ただ一つ言えるのは、やっぱりこの二人の歌声は互換性が高い、ということ。
親和性が高い、と言ってもいいかもしれない。
つまりは相性がいいんですよ。
この二人が一緒に歌えば、そりゃハマリます。
『レンガの小径』のような曲を歌いつつ、ハウスグリコでアイドル全開ですから、そりゃ人気・実力共に認められるでしょう。
それではハウスグリコとしての競演、改めて観てみましょう。
皆様よくご存知のあの動画です
まずはオープニングから。
*立待月物語さん、ありがとうございます。
この段々とベテランに引き継いでいく、というか貫禄が増してくる感じ、というか(笑)、凄いですね~。
当然のように皆さん歌が上手い。
それにしてもハウスグリコのお二人、眩しすぎます
そして『ウエディングドレス』。
その前の花嫁衣裳でのお二人も、まあ麗しいこと
*GERRN TEAさん、ありがとうございます。
素晴らしい歌声
何度も言いますが、この二人、歌声の相性が抜群ですね。
声質が似ているので、二人でハモると、どっちが上でどっちが下を歌っているのか、よくわからなくなってきます
あえて言えば、この時の聖子さん、若干ハスキーな感じですが。
おそらく、「ウエディングドレス」は聖子さんが上、奈保子さんが下、「ふりむかないで」は奈保子さんが上、聖子さんが下、かな?
(違ってたらすみません)
二人とも、曲によってどちらのパートも歌えるって素晴らしい。
てか、
どっちでもいいや、どっちの歌声も美しいから
みたいな
さあ、そして「ふりむかないで」です。
余談ですが、この時期の聖子さん、振り向いたり振り向かなかったり、忙しい
「振り向く」という言葉が、何故かキーワードになっています(笑)
さて、ザ・ピーナッツといえば、正真正銘、一卵性双生児、そっくりの双子ですから、当然息はピッタリのお二人でした。
年齢的に、自分はモスラの印象が強いです(笑)
*garageoyajiさん、ありがとうございます。
いや~、ホントにクリソツ(笑)
そして、あのキャンディーズもカバーしてたのですね
*Miki Qazpoi9さん、ありがとうございます。
おお、ランちゃん、こういう声色も使ってたんですね~。
ちょっと小悪魔的な感じです。
さすがキャンディーズ、ハモリも美しい
これはレコード音源だと思いますが、できればこの映像通りの生歌を聴いてみたかったな~。
さあ、そしてハウスグリコ、二卵性双生児のお二人
上記2組と比較して、ハーモニーに遜色ないのはもちろん、弾けっぷりが凄い(笑)
心から楽しんでいるのが伝わってきます。
それではどうぞ~。
*Aizen Sousukeさん、ありがとうございます。
ああ、楽しそう~
二人とも忙し過ぎて、おそらく振付等も慌てて覚えたんでしょうね。
だから、多少間違えたりしてるのかな?
でも、それがまた良い。
このパフォーマンスの場合、練習してきっちりやるより、この方が躍動感があって、こちらも思わず笑顔になります。
見ている人、聴いている人を幸せにする、これぞアイドルの中のアイドルです
これは売れる。
絶対売れる(笑)
もう理屈抜きに、
最高だ~
『レンガの小径』は、2月3日に発売され、これまでと違う大人っぽい曲を歌う松田聖子の歌唱力に対する評価は、さらに高まったと言えよう。
しかし売り上げという意味では、オリコンチャート3位まで上昇したものの、その後は徐々に順位を落としていった。
一方、ハウスグリコのCMはそれぞれ2月中旬からオンエアされ、松田聖子と河合奈保子という同期アイドル競演は、大きな話題となった。
3月1日、「ふりむかないで」がCBSソニーから、「ウエディングドレス」が日本コロムビアから発売され、チャートを急上昇、それにつられるように、『レンガの小径』も再び順位を上げる、という相乗効果まで発生、結果的に松田聖子のスケジュールは目一杯となり、予定されていたコンサートツアー「‘83 Spring Concert」は縮小せざるを得なくなった。
不本意ながら、3月28日に予定されていた初の沖縄コンサートも中止が決定、という異例の事態であった。
一方2月23日に「1/2の神話」が発売された中森明菜の勢いも留まるところを知らず、中森明菜、ハウスグリコ、そして松田聖子が週ごとに1位を獲り合うような状況となった。
(実際には、「1/2の神話」はオリコンで3月7日から4月11日まで6週連続1位、3月24日から5月5日までザ.ベストテンで7週連続1位を記録)
また、河合奈保子の新曲「ストロー・タッチの恋」も順調に売り上げを伸ばしていた。
という事でハウスグリコについては、次回の記事まで引っ張ります
さて、やっと『レンガの小径』の話を。
記事の前半と後半でガラッと話が変わりますが、それこそ聖子さんのシングルA・B面が対照的なのを見習いました(笑)
先日、「羊と鋼の森」(宮下奈都著)という小説を読みました。
本屋大賞を受賞したり、映画化もされましたので、ご存知の方も多いと思います。
ピアノ調律師のお話ということで、「読みづらそうだな」とか、「そもそも音楽の良さを文字で表現するのって難しいんじゃないか」、なんて思ったりもしていましたが、話がスーッと入ってきて良い小説でした。
何か大きい事件が起きてドラマティックな展開になる、とかは全く無いんですが、何か雰囲気が好き(笑)
言葉とか文章が美しいんですよね~。
そうそう、それとピアノの原型がチェンバロであることも、しっかり書いてありました
そしてこの小説の中で引用されていた原民喜さん(詩人・小説家1905-1951)のこんな文章が、心に強くのこりました。
明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えてゐるようでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体・・・・・・私はこんな文体に憧れてゐる。
読んでいただいたらわかるように、これは文体の話なのですが、この小説の登場人物がこんな風に話します。
「原民喜が、こんな文体に憧れている、と書いているのですが、しびれました。私の理想とする音をそのまま表してくれていると感じました」
そしてこのセリフを読んで、私(しおれたきゅうり)はこう思ったのです。
「宮下奈都さんの小説の登場人物が、こんな音に憧れている、と書いているのですが、しびれました。私の理想とする歌声をそのまま表してくれていると感じました」
そうなんです、この小説に出てくる様々な音に対する表現を読んだ時、私はそれを聖子さんの歌声と結びつけていました(笑)
なんか通ずるものがある。
もう一回行きますよ。
明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えてゐるようでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体・・・・・・私はこんな文体に憧れてゐる。
もちろん、この表現が全て当てはまるというわけではないと思います。
聖子さんの場合、時期によっては「元気」とか「力強さ」とか「伸びやかさ」を感じられる歌声ですし、「きびしく深いもの」「現実のようにたしかな」という部分を感じるか、というのは個人差もあると思います。
ただ、若松さんが仰る「娯楽性」、「文学性」、といった聖子さんの歌声に関するキーワード、そして聖子さんの「芯の強さ」のようなものまで、この文章に盛り込まれているような気がしたのです(もちろん聖子マニアの妄言ですw)。
そして、この言葉を紡いだ原民喜さんも素晴らしいけれど、この小説の著者である宮下奈都さんの、音に対しての表現も素晴らしくて。
それは基準音となるラのはずだったのだけど、音の伸びる方向にすうっと景色が開けるのが見えた。銀色に澄んだ森に、道が伸びていくような音。
いい表現だなあ。
これも聖子さんの歌声のイメージに通じます。
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これもたまらん。
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ああ、銀色の澄んだ森に、道が伸びていく・・・
さらにこんな文章も。
和音(かずね:登場人物)の奏でる音楽が、目の前に風景を連れてくる。朝露に濡れた木々の間から光が差す。葉っぱの先で水の玉が光って零れる。何度も繰り返す、朝。生まれたての瑞々しさと、凛々しさ。
うわっ、これはやっぱり『水色の朝』だ。
まあ、単純に朝を歌った歌詞が共通している、て事もあるんでしょうけど、でもそれだけじゃないと思います。
その曲の音に、歌詞に、最も相応しい情景を連れてきてくれるのが松田聖子の歌声なので。
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この曲なんかもピッタです。
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ああ、何て綺麗な歌声なんでしょう(私の語彙の貧弱さw)
何度も繰り返す、朝。生まれたての瑞々しさと、凛々しさ。
たまらないです。
壮大な前フリでしたが、要するに、『レンガの小径』の聖子さんの歌声にも、こうした文学的な響きを強く感じるのです。
という事で聴いてみましょう。
『レンガの小径』の歌声を。
『レンガの小径』
作詞:松本隆
作曲:財津和夫
編曲:大村雅朗
*spotify Freeのアプリ(無料)に登録すれば視聴できます。
あああ~、沁みる・・・
ギターで始まるこの曲、それこそアコースティック・コーナーで歌ったらハマりそう。
そしてボーカル力が問われる曲ですね。
♪草萌える♪というのは春の季語、それも早春です。
この曲の発売時期にピッタリであり、『少しずつ春』の季節、とも言えます(笑)
つまり、どちらかというと明るい躍動感があるような言葉なんですね。
この曲調とストーリーの中で、この♪草萌える♪という出だし、不思議な感じです。
聖子さんの歌声も、例えば
♪自分では感じないけど
気の強いとこもあったの♪
の歌声、(私だけかもしれませんが)微笑みを浮かべながら歌っているような印象さえあります。
思い出し笑い、って言ったら俗っぽいけど(笑)
所謂アンビバレンツ(相反する感情を同時に持つこと)?
この辺りが松田聖子独特の世界なのかな~。
それから『レンガの小径』というタイトルですが、♪夢の中の舗道♪に繋がっているような気もしてしまいます。
『レンガの小径』の前のシングルB面曲、『愛されたいの』ですよ。
♪落葉たちのパレット♪に埋もれている舗道って、レンガが似合いますよね。
夢の中のレンガの舗道の突き当りに、あなたの家がある。
ずっと追いかけていたあなたの家にやっと辿り着いたら、もう誰もいなかった・・・。
そんな風に聴いてみると、この曲もまた夢の続きのような幻想的な感じもしてきます。
夢の中の話、心の中を旅する物語だったら、「哀しみの微笑み」も何かわかる気がするんだよなあ~。
そうか、これが♪甘い記憶♪ってやつか
「明るく静かに澄んで懐かしい」聖子さんの歌声。
だからこそ、たまらなく心に響いてくるんだと思います
聖子さんの歌声には、曲によって、何かしらの色合いがあると思います。
このブログでは、散々その事について書いてきました。
そういえば若松さんもYouTubeで、「聖子に合う色合いの音楽」、という表現をされていて、とっても興味深いです。
そして、聖子さんの歌声の色合いの中には、何もカラフルな色ばかりではなく、モノクロという色もあったと思っています。
とくに83年の歌声、甘くてハスキーで切ない歌声に、それを強く感じます。
後の『瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ』がその代表でしょう。
もちろんこれも、松本隆さんの歌詞がそう連想させる部分も大きいと思いますが、そのモノクロ世界を見事に歌声で表現できる、この素晴らしさ。
そしてこの『レンガの小径』も、私の中ではモノクロームです。
(もちろんこの辺りは人の感じ方なので、人それぞれだと思います)
「羊と鋼の森」は、ピアノ調律師の主人公が「音」を探していく物語です。
でも私たちは、もう見つけているのです。
その「音」を。
その「歌声」を。
改めて、原民喜さんの言葉が響いてきます。
この時期の、この曲の聖子さんの歌声については、しっかり当てはまるような気がします。
「喪失感」を歌っていながら、どこか失った夢を美しく儚んでいるニュアンスを、歌声そのものから感じるんです・・・。
以下、私が勝手にアレンジさせていただきました。
ボーカル抽出バージョンと共にそどうぞ。
*xsmile777さん、ありがとうございます。
明るく静かに澄んで懐かしい歌声
少しは甘えてゐるようでありながら
きびしく深いものを湛へてゐる歌声
夢のように美しいが
現実のようにたしかな歌声・・・・・・
私はこんな歌声に憧れてゐる