B面から語る松田聖子⑪『愛されたいの』 | 「松田聖子」という奇跡

B面から語る松田聖子⑪『愛されたいの』

「B面で語る松田聖子」、今回の曲は『愛されたいの』です。

ここ何回か、聖子さんの歌声の変遷について色々書き過ぎて、この企画が全然進んでないので(笑)、ここからはもっとスムーズに記事更新していく予定であります。

*この記事は、もし松田聖子がB面曲をシングルA面曲として歌っていたらどうなっていたか?という妄想記事シリーズです。

と言っても、全然妄想世界が描けていないのが現状ですが😅

あくまでパラレル世界のお話ですので、よろしくお願いします。

 

 

この曲、チェンバロが印象的ですよね。

って偉そうに書いてますが、実はチェンバロがどんな楽器が知りませんでした。

そもそもこの曲にチェンバロが使われてるって、よく皆さんわかりますね?

この曲、アルバムだと『Touch Me,Seiko』に収録されていますが、このアルバム、少なくともCDの歌詞カードにはオリジナル・アルバムにあるようなスタジオミュージシャンのクレジットが無くて、つまりはどんな楽器が使われているか、ハッキリわからないです。

もう記憶が無いのですが、聖子さんのシングル曲(EP盤)には、スタジオミュージシャンのクレジットってありましたっけ?

それとも耳で聴いて楽器までわかっちゃうんですか?

皆さん凄いです。

 

*民音Min-onさん、ありがとうございます。

 

レコーディングの時、実際このチェンバロを使ってるんですか?

それともチェンバロのような音を作っていたんですか?

すみません、その辺りド素人なんで、どうなのかな~って(笑)

 

大村雅朗さん、この曲のアレンジにこの楽器を選択したんですね~。

何と言うか、このチェンバロの繊細な感じが、秋の寂しさと、この少女の心の中にある寂しさに見事にマッチしていると思います。

それと宮廷音楽に使用されていたというだけあって優美な感じがして、それが何となく「夢の中の舗道」とか「落ち葉たちのパレット」といった幻想的なワードにしっくりきます。

 

余談ですが、この曲、大村雅朗さんが携わった聖子さんの作品集『SEIKO MEMORIES~Masaaki Omura Works~』に収録されていないのですね。

こんな良い曲でも3枚組作品集に収録されないって、どんだけ名曲を輩出したんだろう?って改めて感じました。

 

それから、この曲は聖子さんご本人にも思い入れがあるようです。

ラジオ番組で、松本隆さんへの感謝の気持ちをお手紙で伝えつつ、松本隆作品としてこの曲のリクエストをしたんですね。

これはしょこたん並みにテンション上がりました爆  笑アップ

 

*GREEN TEAさん、ありがとうございます。

 

「とても美しく切ないこの曲が大好きです」

はい、激しく同意します!!

 

1982年、多くの女性アイドル歌手がデビュー、中でも中森明菜の「少女A」は世間にインパクトを与えるに十分な楽曲であり、存在感であった。

しおきゅうPとしては、パラレル聖子をこれまで通り実力派アイドルとして売り出していく予定ではあったが、プロデューサーとして、人気の面でも不動の地位を築かなければならないのも当然であった。

 

この曲は、自分が把握している限りでは5回TVで歌っていますし、神戸ポートピアアイランドのコンサートでも歌って、それが映像として残っていますから、この企画にとって非常に有難い曲ですグッド!

今回は素晴らしい聖子さんの歌声とパフォーマンスを楽しみつつ、自分が好きな松田聖子について語っていければと思っております。

でもその前に。

 

『愛されたいの』がTVでたくさん歌われたのは、このシングルで実際にA面だった『野ばらのエチュード』がグリコのCMソングだったからですね。

懐かしいなあ音譜

 

*Ryushi Saitoさん、ありがとうございます。

 

いいですね~。

この笑顔、爽やかな雰囲気、そして歌声。

観てて気持ちが明るくなりますひらめき電球

「旅にポッキー」か~。

このCM観れば、聖子ファンじゃない人だって、旅に行ってポッキー食べたくなると思うんですよ(笑)

『野ばらのエチュード』は、まさにCMソングに相応しい曲ですし、聖子さん自身、CMにピッタリのキャラクターだったと思います。

 

調べたら、『野ばらのエチュード』って、オリコンでは1位を獲得したけど、ザ・ベストテンでは3位止まりだったんですね。

でもその割には皆さんの記憶に残っているような。

それはやっぱり♪トゥルリラー トゥルリラー♪の力じゃないかと。

もはや♪ちゅるりら♪って言うべきかにひひ

やっぱりA面にはこういうキャッチーな部分、必要だと思います。

 

*bkさん、ありがとうございます。

 

う~ん、心が洗われる感じがしますおねがい

 

ところで、今の歌唱はオリジナル音源のカラオケ伴奏でしたが、先ほどのCMで使われていたのは『金色のリボン』バージョン。

自分の勝手なイメージだと、オリジナルの方は一人旅をしみじみと味わっている感じで、『金色のリボン』バージョンの方は、より旅を満喫して楽しんでいる感じ。

 

*gukonnetさん、ありがとうございます。

 

何度聴いても、極上の歌声です音譜

 

そうそう、『野ばらのエチュード』は、年末の賞レースで大きな賞をもらってるんですよね。

「日本歌謡大賞」とか「FNS歌謡祭」のグランプリ、とか。

 

*ATHELTES444さん、ありがとうございます。

 

今さらながら、聖子さんおめでとうございますクラッカークラッカークラッカー

 

82年の聖子さんのシングル曲の中で、特にこの曲が代表曲というわけではないと思いますが、充実の1982年、それこそ「松田聖子」という存在が世間的にもより大きな存在として認識され始めた頃なのかな、って思います。

いや、『青い珊瑚礁』でブレイクした時から、「松田聖子」は十分大きな存在でしたよね。

ただその登場の仕方があまりにインパクトが強くて、それに対する反動も凄かった。

ぶりっ子、歌が下手、ウソ泣き等々、色々言われておりましたが、この頃にはそうした偏見が和らいできてましたね、当時を振り返ると。

 

私自身はというと、『赤いスイートピー』から聖子さんのファンになって、この頃には『Seiko index』(82年発売のベストアルバム)辺りは聴きまくってましたね~音譜

そして初めて買った聖子さんのレコードが『野ばらのエチュード』だったんです。

懐かしいです。

 

その時、当然B面曲も聴いたわけです。

それがこの『愛されたいの』でした。

当時私が聴き込んでいたB面曲って『制服』ぐらいだったから、「松田聖子のB面曲はレベルが高いんだな」ってこの時初めて認識したのかもしれません。

 

 

ますは実際のパフォーマンス、見てみますか。

82.11.2にNHKで放送された「第26回 レコード祭歌謡大会」での歌唱です。

タイトル見るだけだとどういう歌謡大会なのかわかりませんが(笑)、当時は本当にたくさんの歌番組があって、当然それだけ聖子さんの露出も多くて、ましてやB面曲まで歌ってもらえて、本当にそういう意味ではいい時代でした。

 

*ZAXさん、ありがとうございます。

 

 

いいなあ~ニコニコ

 

聖子さんの歌唱って、悪く言えば安定感が無い、つまりその時々によって色々と変化します。

もちろん私自身はそれを悪いことだとはこれっぽちも思ってなくて、だからこそ、その時々の味わいを楽しめるので最高に面白いです。

 

この時の歌唱は、『愛されたいの』のTV歌唱の中では割と地声に近い感じで歌っていて、どちらかと言えば大人っぽい感じかな。

色々言い出すとキリが無いのでポイントだけ。

自分の中では1:55と2:14からの

 

♪寒いのよ 寒いのよ♪

 

これがもうたまらんですラブラブ!

 

次はレッツゴーヤングから。

 

*HEWRT BEAT707さん、ありがとうございます。

 

冒頭の

 

♪夢の中の舗道は 落ち葉たちのパレット♪

 

♪パレット♪の最後のがたまらんです。

この、言葉をそっと置いていくような?感じ。

 

同じメロディでも

 

♪逃げるようにあなたは 木立の中消えるの♪

 

♪の♪とは、発声が違います。

マニアック過ぎますかねにひひ

こういうのが、計算されていない所で絶妙に出てくるのがもう天才的というか。

 

そして次は82.10.17、「神戸ポートアイランド・コンサート」での歌唱です。

あ、曲名が「愛されたい」になっちゃってますね(笑)

 

*瑠璃ちゃんさん、ありがとうございます。

 

スケート場での生歌唱でこの歌声、本当に凄いです。

そして改めて、スタイルがとてもいいグッド!

 

この歌唱は、とぢらかというと可愛い少女の感じかな~。

その時の歌唱によって、歌の主人公の年齢が微妙に変化する、これもまだ魅力です(笑)

『小麦色のマーメイド』のTV歌唱を思い出せばわかりますよね。

 

この歌唱、全体的に笑顔が多めで「愛くるしいの」って感じで歌っておりますが、一転して3:12からの

 

♪淋しいの 淋しいの♪

 

で全部持っていかれますラブラブ!

こりゃまいった(笑)

 

ではこのへんで、オリジナル音源、聴いてみますか。

 

『愛されたいの』

作詞:松本隆

作曲:財津和夫

編曲:大村雅朗

 

*アイドルの80’s年代さん、ありがとうございます。

 

改めて聴くと、やっぱり凄いです!

 

♪夢の中の舗道は 落葉たちのパレット♪

 

かあ~。

とても切なくて淋しい曲なんだけど、同時に少女の可愛らしさと幻想的な美しさみたいなものを感じます。

この曲も、情景が浮かんできますね。

こういう世界歌わせたら、聖子さんの右に出る人はいないんじゃないかな~。

 

そして先程も書きましたが、この時期特有の、言葉をそっと置いていくような歌い方。

これはまさしく「言葉=言の葉」ですよ。

言の葉がひらひらと舞い落ちて、落葉となって夢の中の舗道を埋めていく。

まるでこの少女の気持ちが舞い落ちていくように・・・。

そんなイメージにぴったりです。

 

さらには、

 

♪寒いのよ 寒いのよ♪

♪淋しいの 淋しいの♪

 

ここの表現が、凄い。

消え入りそうな声が、たまらないです・・・。

 

さあそして、再びレッツゴーヤングでの歌唱。

この時の歌唱については、確か以前も散々書いたと思います(笑)

まずは観てみましょう。

 

*seitanさん、ありがとうございます。

 

 

凄すぎるな、本当にアップ

 

この時の聖子さん、大人っぽい衣装ですが、面白いのは、それにつれて歌唱そのものも大人っぽくなっているところ。

歌唱だけじゃないですね、表情とか雰囲気とか全てが可愛いというより美しい。

先程紹介した歌唱よりも、歌の主人公が2~3歳分ぐらい年齢が高くなってる。

以前も書いたけど、やっぱり衣装の影響受けやすいんじゃないですかね、聖子さんは。

基本無色透明の方なので、そうした外的要因にもいい意味でサッと染まりやすいんでしょうね。

 

そして何と言っても、1:55からの

 

♪寒いのよ 寒いのよ 愛されたいの♪

 

が神お願い

一体この部分、何度リピートしたことか(笑)

もう完全に夢の中の舗道を歩いちゃってますべーっだ!

 

 

では最後に、「たのきん全力投球!」での歌唱から。

聖子さん、この番組では9月と11月の2回、この曲を歌っているのかな。

ある方に教えていただいたのですが、この番組、日曜日の放送になってからのメインスポンサーがロッテだったようで、グリコCMの『野ばらのエチュード』は歌えなかったんでしょうね。

でもそういう制約、こちらとしては大歓迎です(笑)

この場合、聖約と呼ぶべきかべーっだ!

 

この歌唱は9月の時のようですが、最後に番組のエンドロールが流れるじゃないですか。

それがまたこの曲にピッタリで良いグッド!

『愛されたいの』は、『Touch Me,Seiko』のラストを飾る曲ですし、ドラマのエンディング・テーマ曲とかに合いそうだなあ~、って思います。

*でも最近のドラマはエンディング・テーマってあまり使わないのかな?

主題歌を最後に流して、途中に挿入歌を流す、みたいな。

まあ、この場合のエンディング・テーマは、松田聖子劇場のエンディング・テーマってことで(笑)

 

エンディング・テーマっていう事は、メインには主題歌があるわけで、これはシングル曲の構成と同じですね。

主題歌ではないんだけれど、エンディング・テーマとしてピッタリビックリマーク

つまりはB面曲として最高。

理想的なB面曲。

B面曲だからといって、A面曲に劣るわけでもないし、むしろそっちの方が好き、っていう現象も普通にある。

あ、でもこの企画ではこちらがA面曲なので、そんなこと言ってちゃダメですが(笑)

大事なことは、AB両面で同じ作家陣が素晴らしい仕事をされていること。

財津和夫さん、本当にいい仕事されてますねグッド!

 

*omegaさん、ありがとうございます。

 

これはキュートですねえラブラブ!

赤い衣装の時と比較して、こちらは少女の雰囲気だなあ。

 

そして細かい事を言えば、1:50からの

 

♪いつか雪にうもれて♪

 

が反則。

なんですか、あの仕草。

そしての発音。

あの抜き方というか何と言うか、余韻が凄い。

そしてもちろんそれは意識してやっているのではなく、自然な表現の発露なんでしょう。

やっぱり天才です!!

 

そして歌声そのものが素晴らしい!!

なんていい声。

 

この歌唱が、一番レコード音源の歌い方に近いような気もします(レコーディング時期に近いからかも)。

 

 

『愛されたいの』は1982年10月21日に発売。

オリコンチャートでは2位、ザ・ベストテンの最高順位は5位に終わった。

年末の賞レースにおいては、満を持して『制服』で臨み、日本歌謡大賞とFNS歌謡祭グランプリを獲得した。

しかし日本レコード大賞では金賞を受賞したものの、大賞は細川たかしの「北酒場」が受賞した。

 

一方、この年にデビューした中森明菜は「少女A」の勢いをそのままに、いや、さらに加速させ、「セカンド・ラブ」が大ヒット、オリコンでもザ・ベストテンでも1位を獲得した。

中森明菜の存在が日に日に大きくなる中、ついにしおきゅうPが動いた。

サンミュージック社長の相澤秀禎に1本の電話を入れたのだ。

ここから、大型プロジェクトがスタートする。