お疲れ様です。

 





NYフィルとピアニストのブルース・リウのコンサートに行ってきました。

NYフィルのオーケストラは初めて、あのバーンスタインが指揮を奮っていて立て直したらしく、当時は管楽器に名手がいたとのこと、今日は弦楽器にかなり手厚く人が配置されていた。

 

というのも、どちらかというと前に管楽器がくるのに、今回は弦楽器が完全に前というのは改めて見るとそんなに聞いたことがなかったかもしれない。

中学生時吹奏楽部のフルート奏者だったので、大体がフルートやクラリネット、オーボエが指揮者に近いのだが、今回のNYフィルは前から3列目まで全部弦楽器だった。ホールの特徴で360度客を入れているからなのか。チェロ、ビオラ、コントラバスも手前にいた。

 

最初と最後はオーケストラのみの演奏でピアニストとの共演はラフマニノフ1曲のみだったがこれがNYフィルでの初デビューとなる18回目ショパンコンクール1位のピアニスト、ブルースリウとは相性はとても良かったと思う。

2022年のコンクールをYouTubeで見ていたので、彼の演奏が解釈を入れない完全無欠な楽譜の読み込みをするピアニストだと思っていたので、安心して見られたのだが、今回曲の最初に少し早くなる箇所があったのに、オーボエかバイオリンとのメロディーは間違いなく同じスピードだったので、オーケストラ側が早さに合わせたとみえる。

 

トロンボーン、トランペット、ホルン、フルートとも違う音色なので誰が合わせたのかその後もどの楽器か確認しようとしたけど、今でもわからないので、クラシックの中でもとりわけ音のセンスを要求されるバイオリンの音だったのかもしれない。ショパンコンクールでのリウは完璧だったのだけれど、2位をつけた反田恭平さんのピアノも素晴らしかったので私の中では楽譜に忠実なのがリウだったのではないかと結論付けているが、今回オーケストラと一緒の彼の演奏を聞いて答えがわかった。

おそらく、オーケストラとの相性が良いのだ、ハーモニーを奏でる際にその日の体調によってバランスが崩れても彼のピアノはそれに寄せられるほど他の楽器の音を聞けるのだと思う。ピアニストは個性が強くて解釈にもオリジナリティが挟まれるタイプの奏者が多いが、リウの音は他楽器と完全に一体になれる、生粋のオーケストラ隊員のよう。出だしの転びから一転、素晴らしいハーモニーを奏でてピアノの音が全く煩くないアシストをしていた。


ピアニシモが4番目のペダルで作れイタリアの職人が手作業で作る工程が多いピアノの特徴も。そのピアノを使用していることもあって、ピアノ特有のオクターブ高いと甲高くざらつく部分が編集のように耳触りが良くなることも1つあるのかもしれない。

 

2025年からまた音楽監督が変わるようで今回はロンドンフィルの指揮者が指揮を取っていたけれど、NYフィルは演者のバックグラウンドも多様でニューヨークっぽい。また機会があればこの組み合わせで聞きたいし、個別でも聞きたい。

幕間を入れて2時間、もう少し長くても良かったかな。

でも本当に素晴らしかったしホールの音響も良かったのでおすすめですね。

 

ではまた。